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大豆16gを6か月補給すると、、、

▼ 文献情報 と 抄録和訳

ホエイ、大豆、またはホエイと大豆の混合プロテインを6ヶ月間毎日補給することにより、除脂肪体重の少ない高齢者の除脂肪筋肉量と身体能力が維持される。

Li C, Meng H, Wu S, Fang A, Liao G, Tan X, Chen P, Wang X, Chen S, Zhu H. Daily Supplementation With Whey, Soy, or Whey-Soy Blended Protein for 6 Months Maintained Lean Muscle Mass and Physical Performance in Older Adults With Low Lean Mass. J Acad Nutr Diet. 2021 Jun;121(6):1035-1048.e6.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

✅ 結論
乳清、大豆、または乳清・大豆混合タンパク質を1日16g、6ヵ月間補給することにより、除脂肪体重および身体能力が維持される。

[背景]
除脂肪体重の少ない高齢者において、長期のタンパク質補給が筋肉の健康に及ぼす影響を調査した研究はほとんどない。

[目的]
除脂肪体重の少ない高齢者において、乳清、大豆、または乳清・大豆混合タンパク質の補給が除脂肪体重および身体能力に及ぼす影響を明らかにすること。

[方法]
参加者: 2015年10月から2016年6月にかけて、広州の都市部に住む除脂肪体重の低い(男性ではAppendicular skeletal muscle index < 7.0 kg/m2、女性では < 5.4 kg/m2)中国の高齢者(n = 123、65-79歳)を参加させた。
介入:参加者は、約16g/日の乳清、大豆、または乳清と大豆のブレンドタンパク質を摂取する群と、対照群で習慣的な食事を6ヶ月間維持する群に無作為に割り付けられた。
アウトカム:ベースライン時および6か月後に、除脂肪体重、握力、身体能力(歩行速度、椅子立ち上がり試験、Short Physical Performance Battery)を評価した。
統計解析:治療と時間の主効果、治療×時間の交互作用、共分散分析を用いた二元配置分散分析により、アウトカムの差異を検討した。

[結果]
治療群と比較して対照群では、ベースラインからこれらの変数が有意に減少した(すべてP < 0.01;治療群と対照群の差の割合は80%~156%)。6ヵ月目の椅子立ち上がり試験時間は,治療群ではベースラインから減少し,対照群では増加し,治療群と比較して対照群で有意に増加した(すべてP < 0.01;治療群と対照群の差のパーセントは132%から155%).握力は変化しなかった。治療群間の転帰に有意差はなかった。

[結論]
除脂肪体重の少ない高齢者において、乳清、大豆、または乳清・大豆混合タンパク質を6ヵ月間補給することにより、除脂肪体重および身体能力が等しく維持された。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅1日16gとはどのように摂れば良いか。以下の記事に基準が示されているのでご確認頂きたい。
三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット (tyojyu.or.jp)

運動機能が維持される、という点は非常に面白い。既にリハビリテーションにおいても栄養はかなり重要視されているが、更に長期的な視点で、どのように”栄養”と私たちが関わっていけばよいか、考えていきたい。

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医療従事者と研究活動における道徳感についても記事にしていますので良かったら読んで頂けると嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。今日も一歩ずつ、進んでいきましょう。

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