見出し画像

「起立性調節障害」に負けないために…⑥ 正直者が損をする

こんにちは。隣の芝生です。

今回は第13章からのスタートです。今回も例によって5000字程度となりますので、休み休みご覧ください。

↑連載初回と前回(第5回)です↑


第13章 では、起立性調節障害になってしまったらどうすれば良いか

 前章まで体験記という名の自分語りにお付き合い頂きありがとうございました。ここからは、起立性調節障害になってしまった場合に、どう立ち回れば良いか(良かったか)を、自身の経験からお話したいと思います。

 初回におことわりした通り、私はお医者さんではございませんし、経験者の間でも考えが分かれるところであります。必ずしも正解という訳でもないと思いますが、あくまで一人の経験者の意見としてお聞きください。

 いま起立性調節障害で悩まれているご本人や、その親御さんはもちろんのこと、まだ病気一つしたことがないよって学生の方や、残念ながら他の病気になってしまって進学や就活を目指す方にも、お役に立てる内容かと思います。

13-2.起立性調節障害を発症する前にできること

  • 「早寝早起き」「規則正しい生活」「適度な運動」を心掛けよう

  • きちんと一日三食取ろう

  • 対人関係やその他でストレスを溜めないようにしよう


この三点を守っていてなってしまったら不可抗力だと思います。

「規則正しい生活」と「きちんと三食取ること」自体は、私も病気になる前から実施していました。しかし、前者については、中学生の頃の塾が22時終了の関係で、コーヒーで目を覚ましながら24時就寝の夜更かしのサイクルに変わってしまったことが、病気の引き金になったと思います。そのため、「早寝早起き」も並立で置かせて頂きました。

また、ストレスを貯めないことも非常に重要です。私の場合は第一章で扱ったXくんによる無自覚の嫌がらせや、同時期に趣味を楽しめなくなったことも要因として大きかったかなと思います。学校というのは非常に狭いコミュニティですが、そこであんなことをされたらたまったものでは無いです。

第1回目で扱った通り、他のクラスメイトはXくんに完璧な無視を決め込んでいましたが、そういういじめに加担してでも私益を優先させるタイプの方がストレスは貯まらないですし、就活でも「人付き合いが良い」と評価されて上手く行っています。これ未だに納得行かないんだがな。

ただ自ら生贄になりにいく必要はないですし、中学だったら留年制度無いから休むなり、校長と掛け合うなりしてもいいんじゃないですかね。

趣味については… まぁ、衰退してるコンテンツとか、露骨に公式が渋くなってきてるコンテンツは推さない方がいい。これに尽きます。公式からマイナスの話しか出てこないと、昔は良かったのに…と気が滅入ってきます。

 Xくんの件についてもそうですが、「このあと改善するかも…?」と5%くらい期待を込めたところで徒労です。どこかでスッパリ諦めて忘れましょう。

13-3.起立性調節障害を発症してしまったらすべきこと

  • とりあえず学校とか進路とか考えずに休養しよう

  • 元気が出た時には散歩や軽い運動をしよう

  • 可能な限り一日三食取ろう

  • ストレス源から距離を取ろう

  • 留年しそうであれば転学も検討してみましょう


 一日三食については、年齢や経歴に関係なく全員に言えることなんじゃないかなと思います。食べないと動いたり、考えたりするエネルギーができないですからね。

 私も病気のときは一日一食とかあったのですが、個人的には食べないと悲観的になりやすくなる気がするので、回復後は食欲なくても毎日しっかり食べてます。これでだいたいのことはどうにかなる。

 起立性調節障害は、特性上どうしても起きぬけに症状が出やすいものです。私の場合は調子の良い日でも夕方あたりまで、平時なら終日症状が出ていることが多かったので、あまりこの心配は無かったのですが、中には「学校は休みがちになるけど、午後は動けるから学校行くか休むかどうしよう… 周りの目が気になる…」と思われる方もいらっしゃるようです。

こういった時に学校の人たちが暖かく受け入れてくれれば良いのです。

 が、往々にして変な目で見られたり、勉強や運動に追い付けなくなり無用な劣等感を覚えてしまったり、私みたいに復帰したとて、変な人に粘着されてストレスが貯まったり、下手すると仲の良かった友達が別の子と仲良くなってる…なんてこともあります。こういった時は、本人がしんどくなるくらいなら、無理に学校に行く必要は無いんじゃないかなと私は思います。

 ▼休みの代償… ~通信制のススメ~

 ただ、こう言うと酷ですが、敢えて厳しい表現を使うと、休んだ"ツケ"は確実に自分が払わされます。中学の内申が落ちる程度の物なら、私立一本で受験するなど挽回が可能ですが、休学/降級でもしようものなら、就職活動の時に確実に脚を引っ張ります。残さなくていい病歴は、見える形で残さないのが基本であると私は強く申し上げたい。

 そのため、私のように、病気が重くてどうしても学校に通えない方や、ギリ病気が軽くて学校には通えるけど、いじめを受けていたり、変な人からの粘着に困っているなどの事情がある方は、自宅学習型の通信制への進学・転学も視野に入れることをオススメします。

 定時制ですと、社会人に合わせて時間設定されていることが多く、生活リズムが崩れる要因になりうるため、注意が必要です。皮肉なことに、これは第2回で触れた高校での初めての担任と、全く同じ結論に行き着いてしまいました。

 普通科高校で休学を頂いてから、きちんと療養に努めて復帰した自分の選択は間違っていないとは思っていますが、同時に「病気で1年遅れる」ことのインパクトは、面接官からすれば相当な物だと思います。

 過去の面接官の反応を見ていると、「普通科高校で一度休学してまで頑張って通学した」ではなく、「普通科高校に3年間マトモに通う体力すらない」と判断される確率の方が遥かに高い上に、1年ズレると生涯賃金が大きく変わってきます。正直損することしかありません。

 また、私の友人にも、病気を理由に3年生の途中で高校を中退した子がいました。ただ、私と決定的に違ったのは、通信制に即座に転学して単位をすぐ取りきったのです。彼は1年も遅れることなく、ストレートに大学進学し、問題なく就活に向かっていきました。故に、なるべく休む期間を小さくする方に動いた方が得策だと私は考えます。

 ▼通信制を選択するデメリット

 しかし、通信制にも考慮すべきデメリットがあります。それは、「人間関係の希薄さ」にあると思います。

 前章までの内容でお察し頂ける通り、就職活動では、俗に言う「ガクチカ」が重要視されている風潮があります。また、コロナウイルスの蔓延などの突発的事象があった場合には、中学や高校に遡ってこれが問われることになります。そんな時に、自宅学習型を選択してしまうと、どうしても「集団生活で成果を挙げる」という点が疎かになってしまうことには注意が必要です。

 どの道、この病気になると、普通科に通う力が本人に残っていない可能性も高いため、そんな贅沢は言っていられないというのが実情かも知れません。大学受験に関しては、得点さえ取ってしまえば有利不利も無いですから、そこさえ気を配れれば、十分に良い選択だと思います。

13-4 起立性調節障害が治ったらすべきこと

  • 無理のない範囲で生活を"普通の人"に戻していきましょう

  • 「早寝早起き」と「適度な運動」をしましょう

  • 目一杯学生生活を楽しもう

  • ゼミ・アルバイト・サークルなど集団生活で何らかの実績を残そう


上の二項目については、普通の人にも言えることかも知れません。「学生生活を楽しむ」というのは、高校までの病気と、大学入ってからコロナ禍で活動が思うようにできなかった人間だから言えることですね。

 理系は存じ上げないですが、文系に関しては、授業だけでアップアップになるほどスケジュールが埋まらないはずなので、いろいろと課外活動やサークルもやってみましょう。

 (…これは本編に関係ない独り言ですが、経済学部は数学が混じってたせいで、きちんと授業の復習して、微積とかある程度は理解しないとテストで良い点は取れなかったですね。世間様が言うほど暇という訳でもなかった。ただそれでも恐れるに足らず。真面目にやってれば、誰でも進級・卒業はできます。)

 ▼ゼミに入ろう

特にゼミはマストです。就活のESや面接でも、2割くらいの確率で専攻や論文について聞かれることがあります。

 私は、経済や企業経営が学びたくて仕方ないので大学に行ったんですが、どういう訳だかゼミに受かりませんでした(過去回参照)。ゼミがないと論文執筆が自動的に無くなるので、これだけが決め手で落ちることはないですが、複合的に見て不利に働くことは十分にございます。

 ▼アルバイトの職種まで就活に響くんですか?

 アルバイトに関しては、なるべく下っ端として働けて、コミュニケーションが多く取れるところが望ましいようです。

 私は、塾講師や家庭教師の類をやっておりましたが、後々にアドバイザーに就活相談をした際に、「社会人経験がないのに、いきなり"先生"という称号を得て仕事をするから、あまり良く思わない面接官も一定数いるよ。話し相手も年下の生徒だからね。」と何人かに言われました。

 これは面接官の思想にもよるそうですが、なるべく"下っ端"として客商売とかチームワークが求められる仕事がいいみたいですね。私は人に世話焼くのが好きで、割とペラペラ喋るタイプなので、コミュニケーション能力についてはあまり心配していませんでしたが、確かにお客さんとか目上の方への応対経験はあまりないですね。趣味で先生やってるような物だから、個人的には楽しいんだけどね。ここも結構重要みたいです。

 これは友人からの又聞き情報ですが、加えてボランティアなども行うと"効果的"なようです。効果的…って言葉を使うと、どこかボランティアを打算的に捉えてるようで、私は就活の闇を感じるところではあるんですが、実際面接では効くそうですよ。

13-5 起立性調節障害の人が就活で注意すべきこと

  • あまり病状が重かった時の話をしないこと

  • 正直に喋りすぎないこと

  • 休学/転学歴はなるべく残さないこと

  • 絶対に既卒になってはいけません

 

 私から特別に言えることはこれだけです。再三申し上げてる通り、就活でのアピールをする際に、「ゼロベースからプラスになった話」を面接官は聞きたいのであって、「マイナスからゼロベースになった話」を聞きたい訳ではございません

 掛けた労力は前者並み、下手すると前者以上かも知れませんが、病気を克服した話は、あなたが思っている以上に面接官に響きませんよ。マジでこれだけは強調しておきます。

 私は中高と大きくマイナスになってしまい、ようやく原資回収の大学時代という時に、コロナ禍による諸事情で強烈な行動制限が掛かってしまったので、ハッキリ言って集団生活を絡めたガクチカという観点で、ほぼ何もできていません。

 勉強や自己研鑽こそ手を一切抜かずに頑張りましたが、それだけです。おまけに、学歴フィルター基準ならもっと良い人がいくらでもいます。塾の成績が良かろうが、実際の進学に結び付かなければ、何も役に立ちません。周囲の大人を説得するには、きちんとした経歴が無いといけません。ここが難しいところです。

 ▼正直者が損をする

 私は誠実な人柄こそ評価されると考えていたので、面接でかなり嘘偽りなくクリーンに開示してる方なのですが、病気からの克服の話は本当にしないほうがいいです。

 これはあまり言いたくないですが、第一、面接官がかなり嘘を付いています。前評判で「過酷なノルマが強いられている」という噂があった会社を受験した際に、そこの問題を突いてみたところ、「5年前くらいにはそうだったけど、全くそういう気質はないですよ」という解答を頂いたことがありました。

 そこから数ヶ月経った頃に、その会社がノルマ起因の不祥事でしょっぴかれてた…なんてことも何件かありました。担当者様がたまたま把握してなかったという可能性もなくはないですが、さすがに人事評価の際に、ノルマ達成率は見るでしょうから、知っていて伏せた線が濃厚だと思います。

 「小手先の嘘でその場を凌ぐ能力がなければ社会人はやっていけない」って意見も一理あるとは思いますが、「正直者が大損をする」のもまた就活なのです。みんなはこうはならないように。


あとがき・次回予告

 今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。第13章だけで6回目を丸々使ってしまいました。全8回更新くらいになる見通しです。

 今回のサムネイル画像は、栃木県にある「岩舟駅」です。新海誠監督の『秒速5センチメートル』のモデル地の一つとして有名ですね。アニメとかそこまで見る方じゃないんですが、これに関しては好きなので随分昔に聖地巡礼に行ってきました。ただですね…。

 栃木って冬場凄い寒いんですよね。おまけに電車は1時間に1本しか来なくて、駅周辺には何もない(景色がいいところです)んですよ。アニメにはあった待合室のストーブなんて優れた設備はとうに無くなっており、ただひたすら1時間寒さに耐え続けた記憶があります。根気がある人にはオススメします。

 それではまたお目に掛かりましょう。

▼次回記事はコチラからどうぞ!▼


この記事が参加している募集

就活体験記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?