存在としての言葉(池田彩乃)/耳澄まし(草野浩一)/数に滅びる(風野瑞人)
存在としての言葉2020年7月7日
正当性に溢れた有益なツイートで氾濫したタイムラインの濁流を眺めていたときの、足が竦む感覚を覚えている。「今、この濁流に言葉を放ったら死ぬんだろうな」と思った。言葉が死ぬ。怒りを伝える言葉、誰かを納得させるための言葉、有益である存在、無益な感情、誰のためでもない意味のない言葉が許されないことは恐ろしい。
4月に『観光記』という本を刊行した。
不要不急の本を作ってしまったと後ろめたさを感じていたけれど、落ち込んでいる暇もなく有り難いことに納品