本コラムは、近年ニーズが高まっている「病院広報」について扱い、前編では、取り組む際のコツや院内の連携で気を付けるべきことを解説しました。
※#1はこちらから
今回は中編として、具体的に広報活動に取り組むためのツールの活用方法や、メディアを対象とした情報提供の手法など、実践的な内容をお届けします。
■病院広報の「三種の神器」さらに+αも
これまでのところで、医療機関が広報に取り組むメリットや気を付けるポイントについてお伝えしてきました。
それでは、具体的にどのような手法を用いると良いのでしょうか?
ぜひチャレンジいただきたいことを整理してみます。
<三種の神器>
既に用いている病院も多いと思いますが、改めて復習しましょう。
<広報特有のツール>
続いて、マスメディアに向けてはこれらを活用すると効果的です。
(プレスリリース作成やメディア向けコミュニケーションについては、こちらもあわせてご覧ください)
■どうしても「マスメディアに出たい!」とお考えの方へ
そうですよね、そう考えちゃいますよね。
役員や上司の“期待”と“圧”がかかっていることも(本当によく)ありますよね。
そこで私が病院広報の一環として記者の方とお話しすると感じる「メディアが医療機関を扱う視点」を簡単にお伝えします。
「やっぱりTVや新聞に取り上げてもらいたい!」とお考えの方は、これらも考慮しながらメディアむけの企画を考えてみてはいかがでしょうか?
■最後に、地域住民から選ばれる病院になるために
昨今では、地域医療構想の議論に端を発し、病院の統廃合、機能の棲み分けや病床数の調整なども行われています。
そのような状況においては、医療機関にお勤めの皆さんも不安になったり、将来について考えたりする機会もあるかもしれません。
それは地域にお住いの方々も同じで、「あの病院はこれからどうなるの?」「治療はどう続ければ良いの?」と様々な感情を抱くものです。
私自身、少ないながらそのようなケースをお手伝いして感じることがあります。
実はこうした時にこそ、広報の役割である「ステークホルダー(利害関係者)との良好な関係構築」が効いてくるのです。
これらの実現には、広報部門・担当者が必ずいなければなりません。
病院と地域住民、職員同士、みんなをつなぐ「鎹(かすがい)」として、病院広報に力を入れる医療機関が増えていくと、社会全体が今よりもっと幸せになるのではないでしょうか。
そんな期待も込めて、本コラムは終えたいと思います。
次回(後編)は、私がお手伝いしている横浜市の基幹病院の広報部門の方をお招きし、「実際、広報やってみてどうですか?」とリアルな声をお聞きする予定です。