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世界大学ランキング4年連続1位のオックスフォード大学が凄すぎる!

今回は、私の母校のオックスフォード大学のことを少し紹介したいと思います。(私はオックスフォード大学の経営大学院に留学していました)

オックスフォード大学がなぜ世界一の大学と言われているのか、オックスフォード大学特有のシステムや特徴といったことについて、経営大学院の話も含めてお話したいと思います。


世界的なリーダーを輩出してきた英語圏で最古の大学

オックスフォード大学はイギリスのオックスフォードという街にある大学で、英語圏では最古の大学と言われています。

Times Higher Educationの「世界大学ランキング」では2017年度版から4年連続1位となっています。
(ちなみに最新版のランキングによると、2位がスタンフォード大学、3位がハーバード大学となっています。日本の大学は東京大学の36位が最高位)

世界中の政治家やノーベル賞受賞者を多く輩出していて、イギリスの現首相のボリス・ジョンソン、前の首相のテリーザ・メイ、デービッド・キャメロン、トニー・ブレア、マーガレット・サッチャーといった政治家や経済学の父と言われるアダム・スミス、あとはアインシュタイン以来の天才と言われた科学者のスティーブン・ホーキング博士などがオックスフォード大学出身です。


イギリスでは、ケンブリッジ大学とライバル関係にあり、これら二つの大学を合わせてオックスブリッジと呼んだりします。

後ほど説明しますが、オックスフォード大学は「カレッジ制」というシステムで成り立っています。
オックスフォードは観光地でもあるので、街を歩いていると「オックスフォード大学の校門はどこ?」と聞かれることがありますが、「オックスフォード大学」という建物は存在しません。
代わりに、カレッジと呼ばれるキャンパスのような組織が集まってオックスフォード大学となっています。

オックスフォードに行ってみるとわかりますが、カレッジがオックスフォードの街のいろんなところに点在しているので街全体が大学のようになっているというか、大学の中に街があるというような感じで、街全体が非常にアカデミックな雰囲気になっています。

カレッジの中で一番有名なのがクライストチャーチというカレッジです。キリスト教系の荘厳な建物のカレッジで、「不思議の国のアリス」「ハリーポッター」の舞台となった場所です。


そんな歴史のあるオックスフォード大学は具体的に何がすごいのかを少し紹介したいと思います。



利益よりも社会的なインパクトを

まず、設立から800年にわたって世界中のリーダーを輩出してきたということで、世界中の政治家、財界人、学者をたくさん輩出しています。
オックスフォード大学の教えは、「利益よりも社会の為になる事をやれ」、「社会にインパクトを与えることをやれ」ということです。

私はオックスフォード大学の経営大学院に在籍していたのですが、授業の中で、講師が生徒に対して「全員今から学校の外に出ろ」、「道端で知らない人に話しかけて困っていることを聞いてこい」という課題を与え、実際に街に出ていろんな人に話かけたことがあります。
オックスフォード大学の学生はオックスフォードという街のシンボルみたいなものなので、「オックスフォードの学生ですが…」と声を掛けたらだいたいの人は止まって聞いてくれます。

これはなにをしてるかというと、課題の発見をするトレーニングです。
一人の人が困っていることはだいたい他の大勢の人も困っていることなので、このような手法で課題発見ができるというわけです。


オックスフォード大学の特徴として、入試が変わっているというのも有名です。
エッセイという論文テストや面接で出題される問題が、答えのない非常に難解な問いであることが多々あります。

例えば、哲学専攻の学生には「他者を非難するとは、正確にはどのような行為か?」「小説や戯曲を”政治的”にする要素は何か」といった質問がされ、法学専攻の人には「夜中にだれもいない道路を赤信号で進むのは違法とすべきか?」といったような質問がされます。

このように答えのない問いに対してどのようにして挑むのか、或いは面接官とどのような議論をするのかが評価されています。

例えば哲学専攻では、受験者の知識を問うのではなく、批判的な思考力、自分の意見への反例に対応する能力などを評価していると面接官のセシル・フェーバー氏が語っています。

私が受験したときは「あなたに影響を与えた統計値・社会情勢について考察せよ。なぜそれはあなたにとって大切なのか、どのように改善できるのか?」という問いが与えられました。
これは、社会課題に対して既に疑問を持っているかどうかを見ていると言われています。



優秀な卒業生を生み出すユニークなシステム

オックスフォード大学には、他の大学にはないユニークなシステムが存在し、それらが高度な学習の手助けになっていたり、大学に在籍する人達のネットワーキングに役立っていたりしますので、いくつかご紹介したいと思います。


チュートリアル

オックスフォード大学のユニークな点として、チュートリアル制度が挙げられます。
これは、毎週小論文を作成して、それを元に担当教授と1対1(或いは数人)で議論するというもので、自身の論理に少しでも隙があると厳しい追及がされるので手を抜くことは許されません。

毎週アウトプットを出して、議論をして論破されて…というのを繰り返し、ときには褒められることもありますがほとんどの場合は論破されて怒られて終わります。
こういった議論を通じて、成功体験と失敗体験を繰り返しながら自身を高めていくことができます。また、議論する力が身に着くだけでなく、毎週の数百ページに及ぶ課題図書の読み込みや論文作成を通じて物事を完遂する力も身に着くというわけです。


カレッジ制

冒頭に少し触れましたが、オックスフォード大学は学科(department)と39あるカレッジ(college)の集合体となっています。

基本的には、学科が授業などを担い、カレッジはどちらかというと学生の生活面の基盤となります。
オックスフォード大学の学生は必ずカレッジに所属しなければならず、ほとんどのカレッジには寮、食堂、バー、スポーツジム、テニスコートなどがあり、学生はプライベートではカレッジで多くの時間を過ごします。

カレッジで毎日のように何かしらのイベントや講義も行われているので、学生同士の距離が非常に近く、一緒に過ごす時間も非常に長いので、学校を卒業してからも在学中に築いたネットワークは消えないのです。

オックスフォード大学の学生は、オックスフォード大学よりも各カレッジに所属しているという意識が強いので、オックスフォードの学生同士が自己紹介をするときは必ず名前を言った後に、「私は〇〇〇カレッジです」と紹介します。


オックスフォードユニオン

オックスフォード大学のユニークな点として、「オックスフォード・ユニオン」というのがあります。
これは、いわゆるディベートクラブで、毎日のようにディベートをおこなったり、ゲストスピーカーを呼んで講演などが行われています。

ただ、ゲストが非常に豪華で一流の政治家、財界人、アーティスト、思想家などが来て、講演をした後にパブで一緒に酒を飲むこともできます。

私が在学していたときは、スター・ウォーズの監督のJJ・エイブラムスが来校していて、普通に一緒にお酒を飲んだりしました。他にもレッド・ツェッペリンのギタリストのジミー・ペイジ氏やヨウジヤマモトの山本耀司氏などが講演をしにきていました。

こういった世界的なリーダー達と直接会話をして、自身が目指すべきリーダー像を見つけることができるというわけです。


フォーマルディナー

もう一つオックスフォード大学のユニークなポイントは、「フォーマルディナー」です。
きちんとした正装で教授や学生と一緒にハリー・ポッターの食堂のようなダイニングホールでコースディナーを頂くというものです。
隣に座る人は、大抵は優秀な学生や研究者なので、こういった食事の場での会話がリーダーに必要な教養や人格を養う場として機能してると言われています。



世界の広がり

やはり、私が留学してよかったと感じたのは世界中の優秀な人達とのネットワークができたことです。
プロのミュージシャン、イギリス貴族、オリンピック選手、元CIA、シリアルアントレプレナー(※連続起業家)といった、多彩なバックグラウンドの学生たちとネットワークを築くことができました。

最も仲がよかったクラスメートのひとりは、マッキンゼー・アンド・カンパニーというコンサルティング会社で働きながらプロの音楽プロデューサーをやっていた変わり者でした。在学時は彼と一緒にずっとバンドをやっていて、卒業後の今もロンドンで頻繁に会って飲みにいったり、バンドをやったり、他の友達も呼んで家でパーティをしたりする仲です。

また、他のとても仲の良い別の卒業生はシリアルアントレプレナーで、今はブロックチェーンを使ったスタートアップをやっており、世界中を転々としています。ロンドンにいた頃は毎日のように一緒に飲み歩いていました。また、彼はすごく顔が広いので、私のスタートアップでマーケティング責任者を探していたときに相談したらすぐに人を紹介してくれたりもしました。

人のつながりが増えたのはもちろんですが、キャリアの選択肢も非常に広がりました。
贅沢な悩みですが、卒業後のキャリアを考えていた時に、ロンドンでフィンテックをやるか、シリコンバレーでVCをやるか、それとも日本で自動車をやるか…といったような非常にグローバルな悩み方をしていました。結局今はロンドンでフィンテックをやっています。

オックスフォード大学のネットワーク、ブランドはやはり世界的にもすごいので、卒業後のキャリアが広がることは言うまでもありません。


中学以下の英語力から世界一のオックスフォード大学に入学した最強の英語学習法


筆者

西垣和紀

キャプチャ

高校中退後、数年間仕事を転々とした後、渡米。アメリカの大学を卒業後、外資系コンサルティングファームに入社し、大企業の戦略策定、M&A、業務改善、新規事業創出などに従事

その後、オックスフォード大学MBAを経て、ロンドンのスタートアップで事業責任者、外資系企業のCOO(最高執行責任者)などを歴任し、現在はヨーロッパと日本を行き来しながら様々なビジネスの立ち上げや企業のアドバイザーとして活躍

また、音楽活動をしており、アメリカ西海岸のレーベルと契約、海外フェスへの出演やイギリスのトップアーティスト「ピクシー・ロット」などと共演


著書「オックスフォード大学MBAが教える人生を変える勉強法」(大前研一氏推奨)など

カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)マネジメントサイエンス専攻
オックスフォード大学サイードビジネススクールMBA(経営管理学修士)
ペンシルバニア大学大学院コンピューターサイエンス専攻


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