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2024年2月の記事一覧
season7-2 黒影紳士 〜「東洋薔薇の血痕」〜🎩第五章 再生
時藤 浩史宅付近で、やはり黒影の思っていた通り、蔦は動きを止めた。
「此処からは、夢探偵社だけで十分です。有難う、涼子さん、穂さん」
黒影は二人に言う。
「でも黒影の旦那だって、サダノブも」
涼子は二人の怪我を気にした。
「もう、肉体労働はする気はないのです。此処からはこっちだ」
と、黒影は己の頭を指差し微笑んだ。
「成る程、そう言う事なら私達じゃ太刀打ち出来ませんね。お二人共、其れに白雪さんもご
season7-2 黒影紳士 〜「東洋薔薇の血痕」〜🎩第四章 蔦
「なっ!……何だ!?」
黒影は足を引っ張られる感覚に、驚いて声に出す。強い力で足が引き摺られ、地上に手を付いた。
何が起きたのかとサダノブを見ても異変は無い。
着いた掌に不気味な感覚があった。
ミミズの様に冷たい何かが一瞬通ったかと思うと、手の甲に其れは姿をやっと現す。
シュルッと黒影の指に絡まり、蔦は其の身体毎引き摺り、サダノブから離そうとするのだ。
まるで意思を持っているかの様に、黒影が成す
season7-2 黒影紳士 〜「東洋薔薇の血痕」〜🎩第三章 落下
3 落下
「どうせ調べるのでしょうから、此方からお話しします。庭に面して、丁度椿の直ぐ隣にハンバーガーショップありますでしょう?」
と、時藤 浩史は確認する。
「ええ、在りますね。あのハンバーガーショップの店の景観も落ち着いた色に抑えているのは、此方の建物に十分配慮されている様に窺えましたが……」
黒影は良くあるご近所トラブルからの行き過ぎた犯行の線を消そうとしている。
「景観「は」問題な
season7-2 黒影紳士 〜「東洋薔薇の血痕」〜🎩第ニ章 東洋薔薇
2 東洋薔薇
濃緑、紅が点々と差します東洋薔薇の
上に見えますは綻びた
夏名残、忘れ置かれた簾
そぞろ寒さに揺れまして
窓の中に見えますは
温もりでせうか
冷徹か
――――――――――
「まぁ、綺麗な庭。……あの、SNSで写真を趣味で上げているのですが、良かったらお花を一枚撮らせて貰えませんか?」
一人の大学生程の若い女が、モダンなコンクリートの一定間隔に開けてある四角い穴