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断捨離ができる人間になりたい。
僕の部屋には、物が多い。
その様は、一度泊まりに来た妹に「想像の5倍狭い」と揶揄されたほどだ。
そのときは「お前の想像力が普通より5倍欠けとるだけや」と相手にしなかった。
でもときどきそれを思い出す。
『やっぱり片付けなきゃダメなのだろうか』
その考えが強くなったのは、将来的には何が起きてもおかしくないという不安ゆえだと思う。
明日にはUFOが飛来して人類に戦争を仕掛けてこないとも限らない。そういうときはたいてい人の多い都心あたりを標的にするはずで。
僕はそれなりに人の多いところに住んでいるから、安心はできないのだ。
だからなるべく、フットワーク軽く引っ越しができるようになりたい。
ミニマリストという人種に、憧れることもある。
物に執着せず、本当にほしいものだけを手に取り、清潔なホテルの一室のようなところで生活を送る。
アニメキャラのように毎日同じ服を着て、本当にやるべきことのために集中力を温存する。
そんな暮らし。
思えば、僕が健康診断の予約や家の片付けを後回しにして、小説やエッセイを書いているのは、家に不要なものが多すぎるせいかもしれない。
でもちょっと待ってほしい。
家に物が多すぎるせいで、家の片付けができないというのは、因果が強力に繋がっていて、もはや僕にどうこうできる次元じゃない。
部屋は、僕の意志とは無関係に膨らんでいく。
僕が部屋に帰ってくるたびに、誰に渡すとも知れないお土産や、食べきれない袋麺、着るかどうかわからない古着が蓄積されていき、僕が断捨離するよりもはやく物が溜まっていく。
すると後は僕が外出を止めるか、『ファイト・クラブ』みたいに部屋を爆破するしか選択肢がなくなるわけだ。
なにはともあれ。
ひとまず、その悪循環に気づくことができてよかった。
考えを巡らせていたら、疲れてしまった。
気晴らしに買い物にでもいってくるとするか。
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