見出し画像

感じたことは、嘘じゃない。おてつたびでの”自分の言葉で語れる経験”はきっと仕事の武器にもなる。【おてつびとインタビュー vol.14】

おてつびと_vol.14_小野宗昭

お手伝いをしながら、知らない地域へと旅ができるおてつたび。
これまでも様々な方が参加していますが、今回の #おてつびとインタビュー は旅行会社に勤務されている小野宗昭おの むねあきさん。

普段から旅に関わるお仕事をされている小野さんのおてつたび先は、伊豆半島にある小さなお宿、「かわいいお宿 雲見園くもみえん」。

旅行会社ならではの視点、社会人としての視点もふまえながら、お話を伺いました。

区切り線

●基本情報●
おてつたび先
かわいいお宿 雲見園
行き先:静岡県・賀茂郡かもぐん 松崎町まつざきちょう
期間:2020/11/21(土)~2020/11/23(月)
お手伝い内容:配膳、清掃、接客など
詳細:https://otetsutabi.com/plans/162

◆あたたかい家族が迎えてくれる、伊豆半島のかわいいお宿へ

神奈川県出身・在住で、社会人31年目。現在も旅行会社に勤めています。
旅行会社のなかでも、私は海外旅行を取り扱っている部署の人間なのでコロナの影響をもろに受けました。感染が広がり始めて海外に行けなくなってしまうと同時に仕事がなくなってしまった状況でした。

そこで、2020年5月に『国内旅行勉強会』というFacebookグループを仲間と立ち上げてオンラインで勉強会を開催するようになりました。
なぜなら、旅行業界が生き残っていくため、今後の旅行業界を盛り上げていくために海外旅行ばかりではなく国内旅行についても知らなければと思ったからです。

おてつたびを知ったのもこの勉強会でできたご縁のおかげでした。
勉強会でご縁がつながった、おてつたびの地域サポート担当の土居さんと色々お話するうちにサービスに興味を持ったのです。

おてつたびを初めて知った時は、めちゃくちゃ面白い、良いシステムだなと感じたのを今でも覚えています。だからこそ、実際に参加してみたいと思いました。
行ってみたらどんな流れなんだろう、なにを感じるだろう、どういう気持ちで働くのかなといった不安と期待がありながらも、まずは自ら体験すると決めて、行き先とタイミングを探していました。

そこで出会ったのが、伊豆半島にある「雲見園」さんでした。
「雲見園」さんは現在の三代目の社長とおかみさん、そして四代目の若旦那、という三人で経営されているお宿です。50代の私をあたたかく迎えてくれて、ほんとうに嬉しかったですね。

今回のおてつたびは2泊3日。夜に到着して、2日目は丸一日働いて、3日目の夜に帰途につきました。

画像8

最近は社会人の方のおてつたび参加も多いとは聞きますが、50代の私がおてつたびに行くとなると、もちろん私もドキドキですが、お宿の方もドキドキだったのではないかと思います。
そんな私の不安をよそに、実際に行ってみると本当にあたたかい家族に迎えていただきました。まさに家族が増えた、帰る田舎がひとつ増えたような感覚を覚えました。

◆「雲見園」の家族との想い出、そして最後の夜

旅好きなおかみさんとは旅の話をよくしました。
私はもともと海外が好きで旅行会社に入社しましたし、初めの二年間はツアーの添乗で海外にもよく行っていたので旅の話で盛り上がりました。

四代目には教育係として、仕事を教えてもらいました。
20代の人が、父である社長と年が近い50代を教えるわけなのでかえってこちらも一度で吸収しようと集中しました。

社長や、四代目との会話の中でいちばん印象深かったのは師匠と弟子の関係でした。
「お父さんは師弟関係があるからめっちゃ怖い。だから、おじいちゃんの背中を見て学んだし、旅館を継ぐことを決心した。」と四代目から伺いました。

そして、社長からも「父は怖かったから、おじいちゃんから学んだ」とまったく同じことを伺って、社長と四代目は同じ道を歩んでいるんだなあと感じました。

最後の夜には、特に想い出に残っている出来事があります。
皆で一緒にご飯を食べた後、普段はすぐ部屋に戻るという社長が、一緒に飲もう、と声をかけてくれたんです。

「今まではこんなこと一度もなかったのに!」とおかみさんと四代目は驚いていましたが、年代が近くて話しやすかったのもあるんでしょうね。お宿を何度も締めようと思ったがそのたびにチャンスに恵まれた、など貴重なお話も聞かせていただきました。

私は、最初に行ったおてつたび先が「雲見園」さんで良かったと思います。

画像9

◆自分の仕事の武器になる、良い循環ができる可能性

おてつたびを実際に使ってみて感じたのは、旅行会社の人にもっと来てほしいということ。
必ず、仕事にも繋がっていくことになるはずです。

旅行会社の場合は、ツアーを企画する部署があります。そこで企画をつくるのがプランナーと呼ばれる人たちですが、行ったことがある地域とない地域のツアーをプランするとなれば、その心持ちも、当然異なります。

たとえばプランナーがおてつたびに行って、旅先の人たちと仲良くなって帰ったら、きっとそこのツアーを作りたくなる。しかも自分の体験として知っているから想いが詰まった良いツアーが作れる。

つまり、お手伝いをして旅をするだけでなく、それが自分の仕事に使える武器になるわけです。

今回の「雲見園」さんのおかみさんも、「おてつたびで来る方はちゃんとしている」とおっしゃっていましたし、双方にとってプラスなマッチングができる。

そんな良い循環をつくれる可能性が、おてつたびにはあると思います。
すごく、可能性を感じました。目的を持って行けば、必ず得るものがある旅になる。

また、地域という見方だけではなく、旅館の仕事内容や姿勢だとか、こんな想いで迎えているんだなというような、人としての部分を多く学ばせて頂いたように思います。

ものを大切にしている姿勢も、何度も感じました。
手すりなどの木で出来ているものは水ぶきしない、といった小さな気遣いが代々伝わっていて……。お客さんに対しても、泊まってくださるお客さんが、心地よく過ごせるように、泊まる人や人数にあわせて椅子の数や備品の配置を整えておくんです。
思えば、今まで、宿に泊まる際もそんな気配りがあったなんて意識していませんでしたね。

それから、座布団に前後があることは知っていますか?
縫い目がないのが前で、チャックがついているのがうしろ側なんです。私は今回初めて知りました。
もともと昔は、長方形の布で綿を挟んで閉じて作っているからという理由だそうなのですが、今までは気にしたこともなかったですね。

「雲見園」さんの座布団は二代目のころから使っているとのことで、やはり、ものをとても大切にされているなと感心しました。

この話は四代目から教わったのですが、四代目はおかみさんから聞いたそうで、こういう部分からもみなさんがものを大切にされていることが伝わってきます。

そうやって、心や想いが大切に繋がってきたお宿だから、四代目まで続く伝統があるんでしょう。こだわりであったり、ものを大切にする姿勢であったり……。

これから人間として生きていく上での哲学を学べるおてつたび先だと思います。

実際に行った私から言えることは、安心して行ってくださいということですね。雲見園には、心を開けば受け入れてくれる、旅好きなおかみさんがいるから。

学びがたくさんある。そしてご飯が美味しい、景色が良い、人も良い……。
伊豆半島には海賊がいたという言い伝えや、お祭りの話も聞きましたし、雲見周辺には由緒ある場所や、神秘的な場所も多くあると聞きました。
東のほうなので、朝晴れた日には富士山が見えますし、とにかく景色も最高で、素敵な地域だと思いますよ。

画像2

◆嘘のない”自分が体験した良さ”だから、人に伝えられる

私は、旅行会社に限定するだけではなく、もっと様々な職種の社会人のみなさんにもおてつたびに行ってほしいと思います。

それこそ、コロナの影響で仕事がなくなった人や、リモートワークへの移行でひとりぼっちで仕事をしているような方にはぜひ行ってほしい。

自分は何のために仕事をしているのか、自分は役に立っているのか。
そんな悩み、疑問、不安を抱えた20代30代の若者はたくさんいると思います。

社会人になって、仕事が日常になってしまうとなかなか意識することもなくなってしまいがちですが、「ありがとう」と言ってもらえること、自分が役に立っているという実感はとても大きいです。

だれにでも必ず、役に立てる場所があります。
あなたは役に立つ場所がありますよ、と。そう感じられる機会があるだけで、生きていて良かったと思える。そうやって、おてつたびを通じて救われる人は多いのではないかと思います。

企業や会社の人事担当者に対して、「社員を育成するならおてつたびに行かせたほうがいいですよ」と本気で言いたいくらいに、おてつたびは良かったです。
とはいえ、強制的に行かせるのではなく、社員が自ら行くことを選べる環境をつくるのがいいと思います。何かをやりなさいと言われて受け身で取り組むよりも、考えて行動するほうが自分の中に経験が残ります。

体験したことを伝えるのは簡単です。自分で本当に感じたことだったら伝えられる。そこに嘘はないですから。私も、実際に行って感じたことだから、こうやって話せる。
触れるものに対して無関心になるのではなくて、自分の感覚を研ぎ澄ませて感じるということが大事だと思います。

「本当に好きだ」って想いを伝えたら、それは相手に伝わりますよね。
そんな、”自分の言葉で語れる経験”を持って帰ることができるのが、おてつたびではないでしょうか。

また、同時期に私みたいな社会人と学生が参加すれば、両者が繋がるきっかけにもなる。
そんな環境が増えていったらいいと思いますし、その可能性をもったおてつたびの今後に、これからも期待していきたいですね。
これからもおてつたびを応援させていただきます。

画像3

----------

「旅」を扱う旅行会社でのご経験が長い小野さん。旅に行くだけではなく、自分の仕事にも繋がっていく可能性がある、と強く語る言葉にワクワクしながらお話を聞かせていただきました。

凄く良かった思い出も温かい気持ちになったちいさな出来事も、本当に自分が感じたことだからこうやって話せるんだよという話をきいて、
いつも素敵だなあ、と思いながら聞かせていただいているおてつびとたちの言葉は、「感じること」を大切におてつたびしたからこそ出てくるのかなと思いました。

おてつびとたちの実感のこもったおてつたび先の魅力がもっともっと伝わっていくと嬉しいです。

ー小野さん、どうもありがとうございました!

【取材:田中沙季、西村咲笑 執筆:田中沙季】

区切り線

⭐おてつたび先情報

静岡県賀茂郡松崎町 (1)

◆松崎町公式HP
https://www.town.matsuzaki.shizuoka.jp/

◆松崎町観光協会公式HP
https://izumatsuzakinet.com/

⭐今回のおてつたび先
◆かわいいお宿 雲見園

住所:〒410-3615
静岡県賀茂郡雲見401
電話:0558-45-0441
HP:http://www.kumomien.com/
Facebook:https://www.facebook.com/%E3%81%8B%E3%82%8F%E3%81%84%E3%81%84%E3%81%8A%E5%AE%BF-%E9%9B%B2%E8%A6%8B%E5%9C%92-325622124177494/

画像6

▼おてつたびの最新情報はこちらで発信しています◎▼

◆Facebook
◆Twitter
◆Instagram

↓他の方のインタビューはこちらのマガジンにまとめています!↓

LINE追加_note


この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?