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「こんな地域があったんだ!」笹本さんのいる熊野は、またいつか帰りたい場所。【おてつびとインタビュー vol.12】

おてつびと_vol.12_永原和大

「みかん」といえば、生産量上位の和歌山県などが思い浮かびますが、実は、和歌山県の隣、三重県にもみかん畑が多くある地域があります。

三重県のなかでも南に位置する熊野市くまのしでは、多種多様な柑橘類が栽培されています。
温暖な気候のおかげで、年間を通じてさまざまなみかんが生産されているのが、この地域。今回は、そんな熊野市のみかん農家「笹本農園」さんを訪れたおてつびと(おてつたび参加者)、永原和大ながはら かずひろさんにお話を伺いました!

  ●基本情報●
おてつたび先:笹本農園
地域:三重県・熊野市(くまのし)
期間:2021/03/02(火)-07(日)
おてつたび内容:柑橘の収穫作業
詳細:https://otetsutabi.com/plans/239

◆観光目的の旅行だけでは物足りない。ヒッチハイク仲間から聞いた「おてつたび」

ひとことで「旅」といっても、いろいろなかたちがあると思います。

僕は今まで、個人で旅をすることはあまりなくて、友達みんなで台湾などの海外に行ったり、沖縄の海とか、大学生がよく行くような観光名所を巡って楽しむような旅行をすることが多かったです。
それもそれで楽しいので好きなんですが、大学生活の後半からはヒッチハイクといった、ちょっと変わった旅のかたちにも興味が沸いてきました。

そんな大学4年の時、ヒッチハイク仲間でもある、中学校まで一緒にサッカーをしていた友達から教えてもらって、おてつたびを知りました。

たしか「またちょっと変わった旅がしたいな」って話をしていたときかな。その友達はTwitterで情報発信などもしている子なので、おてつたびの代表の永岡さんのツイートなどで知ったんだと思います。
僕は知らないことをするのが好きだし、おてつたびを知ったときに、すぐ行ってみたいなと思いました。ただ、タイミングが合わなくて、結局、大学生の時には行けなかったのがずっと心残りでした。

そのあと大学も卒業し就職しましたが、今は退職しています。それで、次はどうしようかなと考えていくなかで、大学の時にできなかったことをやってみようと思いはじめて、おてつたびを使うことにしました。

宿泊業などのおてつたびもあるなか、僕は、農業系のおてつたびに惹かれました。
自分の住んでいる場所が滋賀県で田舎なので、周りには農業をしている人も多いです。普段食べているお米も、父親の知り合いのお米農家さんから買っているくらいで、だから自然と農業に興味をもつようになってきていて……。
”農業”に興味はあったものの、作業のお手伝いする機会も無かったですし、実感がありませんでした。

収穫作業があることはわかるけれど、それ以外のイメージがあまりなく、「農業ってどんな仕事なんだろう?」と思う気持ちから、笹本農園のおてつたびに申し込みました。

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◆笑顔が優しい笹本さんの農園で、人生初のみかんの収穫!

おてつたび先の笹本さんは、写真で見たら「もしかして、怖い人なのかな?」という印象だったので、正直いうと、少し緊張しながら行きました。
笹本さんは、実際に会ってみたらめちゃめちゃ笑顔が優しくって、会った瞬間にほっとする方でした。

笹本さんのところでは、今までに何度かおてつたびを募集されているそうで、いままでおてつたびに来た人たちの話もたくさんしてくれました。……今後、笹本農園に来る人に僕のことも話すのかな。

今回はおてつたびに行くのも初めてなうえ、まったく知らない人に会いに行くことが今までは無かったから「一体どういう感じなんだろう?」という不安はありましたね。

三重県熊野市については行く前にネットで調べましたが、世界遺産も多くあって「こんなに良い場所があるんだ!」って穴場を見つけたみたいな気持ちでワクワクしましたし、何より、みかんの収穫が楽しみでした。

熊野に到着した次の日に、みかんを木から収穫する作業は全部終わりました。
今回収穫したのは「せとか」という品種で、ぶどうみたいに袋をかけて育てているので、二日目からはかぶっている袋を外す作業をしました。
みかんに袋をかける、というのは意外だなと思ったのですが、品種によって様々な育て方の違いがあるそうです。

収穫自体はとても楽しいんですけど、袋から出すときは長時間同じ体勢の作業になるので、腰が痛くなったり、「ハードな部分もあるんだな」「どんな仕事でも、しんどいことってあるんだな」という感想をもちました。

色々な品種があって、収穫の時期も違うといったみかんの生産に関する話も聞かせてもらいました。初めてのみかんの収穫は、めっちゃ淡々と無心でできました。体を動かすのが好きなので、楽しかったです。

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◆居心地が良くて落ち着く町、熊野

僕、普段はみかんってあんまり食べないんですよ。
でも、笹本さんのつくるみかんはとても美味しくて、たくさん食べましたし、お土産にもいただきました。滋賀に帰ってから知り合いや友達にもあげたら喜んでくれて……。僕が作ったわけじゃないですけど、「美味しい」って言ってもらえるのが素直に嬉しかったです。

1日目に手伝いに来ていた地域の方が、イノシシと鹿の肉を持ってきてくださって、焼肉をしたのが嬉しかったですね!
まさか、おてつたびに来て、こんな機会があるなんて思いませんでした!

生まれて初めて食べたイノシシ肉は、歯ごたえもあって、牛肉よりあっさりで食べやすかったです。たくさんあったので、残りはビーフシチューみたいにして食べました。

お手伝いに来ていた近所の方が優しく接してくれたり、部外者という感じではなく、ほんとうに温かく受け入れてくれて。
僕はのんびりとした生活が好きなので、とても居心地が良かったです。

熊野市は海も近くて、大津市も琵琶湖が近くて、風景は少し似てるなと思いました。でも、波がない琵琶湖を見慣れているので、波がある海は不思議というか、ずっと見ていられるなという感じでした。同じ水でも全然違うんだなーって。

それにしても、熊野は空気がおいしいし、落ち着きますね。温泉もあるし、世界遺産も多くて。獅子岩という、ライオンが吠えているように見えるような岩には圧倒されました。

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◆これからは、旅のスタイルは自分で選ぶ

おてつたびでは、普段は出会えなかった大人に出会うことができて、そんな選択肢があるんだ、そんな生き方があるんだなと気付く機会になりました。

笹本さんはみかん一筋55年のみかん農家さんです。僕がまだ生まれていない頃からずっとみかん作ってらっしゃるんだなと考えると凄いことですよね。
今まで思っていた”常識”が当たり前じゃないんだ、縛られずに、自分がやりたいようになればいいんだなって、思えるようになりました。

熊野は、またいつか帰りたい場所です。「帰る」という表現で合っているのかわからないけど……熊野に行って、地域の一部に携われたので、僕はもう、勝手に「帰る」だと思っています。

笹本農園でのおてつたびは、まだまだ自分って何も知らないんだなって、見てる世界はまだまだ狭いんだってあらためて感じる時間でした。
今までは、「観光地」と言われる場所ばかり行っていました。観光地で有名じゃない場所も発掘していきたいなと考えています。

きっと、人によって、一人で旅行したい人や、そうじゃない人っていると思うから一概には言えないですが、旅のスタイルは目的にあわせて選んだっていいと思います。

僕は友達と行くなら観光地巡りもしたいかな。でも、ひとりだったらローカルな地域に行ってみるほうが楽しいかもしれないなと思います。知らないだけで、良い地域ってめっちゃあるんじゃないかなって思うので……。

こういう旅の選択肢も、広まればいいなって僕は思っています。

あ、笹本農園さんに行く前は緊張せずに。笹本さんはめちゃめちゃ優しい人なので、リラックスして行ってくださいね。

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有名な観光地以外の地域も、旅の目的地として選んでいきたいという永原さん。観光地を楽しむ旅と、お手伝いをしながら旅するおてつたび。

いろんな地域を旅しながら、それぞれの良さを、楽しんでくださいね!

ー永原さん、どうもありがとうございました!

【インタビュー・執筆:田中沙季(さきっちょ)

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⭐おてつたび先情報

三重県熊野市

◆熊野市オフィシャルサイト
https://www.city.kumano.lg.jp/

◆熊野市観光協会HP
https://www.kumano-kankou.info/

⭐今回のおてつたび先
◆笹本農園
住所:〒519-4327
三重県熊野市金山町1456

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