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専断偏頗書店

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僕の読んだ本、好きな本、思い入れのある本について書きます。漫画もあるでよ。
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記事一覧

漬物の焼飯

漬物の焼飯

僕の若い頃からの愛読書のうちの一冊、池田満寿夫著『男の手料理』(1989年初版、サンケイ新聞連載時期は1985年から1986年)に登場する料理を実際に作ってみようシリーズの第5回。また半年近く間が空いてしまった。今回は漬物の焼飯を作ってみることにする。

漬物の焼飯は昨年のもっと早い時期に記事を書こうと思っていた。それがこんなにずれ込んだのは、とにかく自分の納得の行く漬物の焼飯が出来なかったからで

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「樹影」 水上勉著

「樹影」 水上勉著

クレイジーケンバンドのニュウアルバム『樹影』が2022年8月3日発売されたのをきっかけに「樹影」とタイトルについた本を読むシリーズの第2弾。
「樹影」 佐多稲子著を読んだ感想のnoteはこちら。
このきっかけがなかったら手にすることは絶対になかったであろう「樹影」。縁は異なもの味なものとはまさにこれかと痛切に感じている。

「樹影」 水上勉著

太平洋戦争終戦間際の昭和20年4月、大分県別府市の孤

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「樹影」 佐多稲子著

「樹影」 佐多稲子著

クレイジーケンバンドのニュウアルバム『樹影』が2022年8月3日に発売となった。前にも書いたが、アルバムタイトルの『樹影』は、剣さんが若い頃に勤務していた本牧のガソリンスタンドの近くにあった喫茶店の店名だったとのこと。そして「樹影」と云うタイトルの本はあるかと考えて検索してみたら「樹影」「樹影」「樹影譚」「燃ゆる樹影」とヒットしたので4冊全て古書で入手した。順次読んでその感想を書いてみたい。「樹影

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大邱の夜、ソウルの夜

大邱の夜、ソウルの夜

久しぶりに本のことについて書く。東京・下北沢でグラフィックノベルを中心に扱う新刊・古書店「BSEアーカイブ」を主宰する町山さんから本を送って戴いた。それが「大邱の夜、ソウルの夜」と云うグラフィックノベル。漫画とグラフィックノベル、コミックスとグラフィックノベルはどう違うのか。諸説あってあまりどれもピンと来なかったのだが、大人向けの内容のものをグラフィックノベルと云うのだとするのがまあ順当なところか

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カキの天ぷら丼

カキの天ぷら丼

僕の若い頃からの愛読書のうちの一冊、池田満寿夫著『男の手料理』(1989年初版、サンケイ新聞連載時期は1985年から1986年)に登場する料理を実際に作ってみようシリーズの第3回。3回続けばちゃんとシリーズだ。全部やろうとすると60回を越えるのでそんなにはやらない。10回くらいを目処に気まぐれにがんばります。今回はカキの天ぷら丼を作る。

宮城県石巻市の友人から牡蠣がいっぱい送られてきた。毎年あり

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日本人だけのスパゲッティ

日本人だけのスパゲッティ

僕の若い頃からの愛読書のうちの一冊、池田満寿夫著『男の手料理』(1989年初版、サンケイ新聞連載時期は1985年から1986年)に登場する料理を実際に作ってみようシリーズの第2回。いつシリーズにしたのかと思われましょうが、気まぐれにやるのであまり期待しないでください。ちなみにオマール海老やアワビなどの高級食材を使うのはパスします。今回は日本人だけのスパゲッティを作る。

「われわれ(日本人)は白飯

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コロンブスの卵丼

コロンブスの卵丼

僕の若い頃からの愛読書のうちの一冊、池田満寿夫著『男の手料理』(1989年初版、サンケイ新聞連載時期は1985年から1986年)。洒落ていて判りやすい文章と内容、広い見識と狭い嗜好の程好いブレンド感、そうした感じに僕は多大なる影響を受けていると思う。大好きで影響を受けているのだけれど、この本に出て来るメニューを作ってみようとはあまり思わなかった。その理由はただ一つ。一番最初に登場するコロンブスの卵

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マカロニほうれん荘【第2巻】

マカロニほうれん荘【第2巻】

『マカロニほうれん荘 第2巻』昭和53年(1978年)2月28日初版。僕の手元にあるのは平成22年(2010年)1月5日52版。世界に誇る日本の文化的極致13話(通算では15話から28話まで)を収録。圧倒的な鴨川つばめ先生の領域展開。カワイイもカッコイイもイヤラシイも愛も希望も恐怖も絶望もパワーアップのセカンドアルバム。レッド・ツェッペリン"Ⅱ"の"Whole Lotta Love"から"Brin

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マカロニほうれん荘【第1巻】

マカロニほうれん荘【第1巻】

『マカロニほうれん荘 第1巻』昭和52年(1977年)11月10日初版。僕が持っているのは平成23年(2011年)5月25日61版。人類史上に燦然と輝く第1話から14話を収録。もう表紙からして鴨川つばめワールド全開。凄いパワーと圧倒的なスピード感。この内容を以て狂気と評する方もおられた(ように記憶している)が、僕はそうは思わない。様々なカッコイイと様々なカワイイと様々なイヤラシイ妄想と愛と笑いと音

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マカロニほうれん荘【序説】

マカロニほうれん荘【序説】

『マカロニほうれん荘』は1977〜79年に「週刊少年チャンピオン」に連載されていたギャグ漫画。作者は鴨川つばめ。単行本は9巻出ている。詳しい説明はこちらを参照のこと。

僕が『マカロニほうれん荘』に出会ったのは中学3年生の頃。絵の上手な友人がきんどーちゃんの絵を描いていたのを見て知った。

僕「これ誰? 何のキャラクター?」
友「きんどーちゃんだよ。『マカロニほうれん荘』って漫画に出て来るよ。のっ

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専断偏頗書店を開店します

専断偏頗書店を開店します

専断偏頗とは、勝手に正しいと思い込み、考えが偏っている様子のこと。専断は自分一人の意見で勝手に決めること。偏頗は考えが一方に偏っている様子。僕にぴったりの言葉ではないかと思う。そんなわけで色々な本を読んできて、色々な影響を受け、僕が如何に偏った人間となったかについても少しずつ書いてみたい。ここに専断偏頗書店を開店します。

子供の頃に「本をいっぱい読まないと立派な人間になれないぞ」と親にも先生にも

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