小野寺玲@福井スコーレ代表

福井スコーレ代表。不登校の子どもとの活動、保護者相談、研修や講演をしています。福井県ひ…

小野寺玲@福井スコーレ代表

福井スコーレ代表。不登校の子どもとの活動、保護者相談、研修や講演をしています。福井県ひきこもり支援専門チーム。

最近の記事

多様な学びと社会的包摂

1. はじめに 2016年に公布された「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(以下、教育機会確保法)において、不登校の子どもを含めた普通教育に相当する教育を十分に受けていない者に対して、学校以外の場での学びを認めていくことが支援の方向性として示されている。 2010年代以降の日本の不登校支援の議論は、学校復帰にどれくらいこだわるか、あるいはそれ以外の育ちのあり方をどれくらい認めるのかという対立軸が大きな割合を占めてきたように思う。学校関

    • 不登校は選択肢の問題なのか?

      福井スコーレを始めた当初から、私は不登校は選択肢の問題ではなく、公教育の包摂性の問題だと思ってきた。 不登校からでも行きやすい・通いやすい進路の情報を集めて情報共有をしたり、本人の気持ちを支えながらどうしたら学校やその後の進路に進みやすくなるのかを考えてきた。 私も不登校を経験していて、不登校になる前にも、なった後にも辛い経験をたくさんした。孤独で、とにかく絶望していた。学校にも、大人にも、自分自身にも。 不登校の子どもたちはほとんど皆、辛い経験をたくさんしている。特性

      • 外国ルーツの子どもたち

        余白の会の8月のテーマは、「外国ルーツの子どもたち」です。 この社会は、多様な国をルーツとした人々が暮らしています。しかし、その多様さやそこにある困難にはまだまだ目が向けられていません。 まずはそこにある語りに耳を傾け、どうしたら共に生きる社会に向かっていけるのかを考えていきたい。 話し手は、約30年前に16歳で来日したアドリアナさんです。以下のような質問をする予定です。 ・日本に来て大変だったことと力になった支援は何がありますか? ・今ある課題は、どのような構造から

        • 越前市は子どもとどう向き合ってきたのか?

          越前市の子ども政策についてのイベントです。「政策」と聞くと抽象的で退屈な印象を持つ方もいるかもしれません。しかし、今回の内容はとても具体的で、突き抜けています。 話し手は、越前市の子ども政策に深く関わってきた橋本達昌さんです。以下のような話題で話をします。 ・越前市ではこれまでどのような子ども政策を行ってきましたか? ・なぜこのような政策ができたと思いますか? ・これまでの政策の課題は何ですか? これ以外にも、参加者は気軽に質問をしてみて下さい。ある地域の具体例を通して

        多様な学びと社会的包摂

          法律の意味

          余白の会の6月のテーマは、「法律の意味」です。 あなたは法律にどんなイメージを持っているでしょうか?難しい、厳しい、守られているなど、人によって違うと思います。しかしいずれにしても、法律を身近に感じる人は多くはないような気がします。 今回は弁護士で、子どもシェルターの活動もしている端将一郎さんにお話を伺います。私からは以下の質問をぶつける予定です。 ・なぜ弁護士になろうと思われたのですか?なる前の想像となってみての実際と違うところはどこですか? ・近代社会において憲法は

          高校生対象のプロジェクト 若者についての議論を、若者がしよう 募集開始!

          これは、若者自身が若者を取り巻く現状や未来について考えるプロジェクトです。対象は高校生。若者の社会参加や子どもの権利について同世代の仲間たちと学習と議論を重ね、最後は自分たちでシンポジウムを企画します。 シンポジウムで予定している議題の1つは越前市の子ども条例の改善点です。越前市の子ども条例の改善点を越前市で子どもたちが話し合うって熱くないですか? この活動を通して様々な人達と出会い、地域に影響を与え、今後の生き方を考える手がかりを得てもらいたいと思っています。 若者は

          高校生対象のプロジェクト 若者についての議論を、若者がしよう 募集開始!

          オープンな会議のお知らせ

          福井スコーレでは、日々子どもたちのための活動を考え、実践しています。この1ヶ月の活動をいくつか紹介すると ・アメリカに住む人と英語で文通をする ・地球温暖化の原因を推理する ・設置しておいた巣箱の中身を見てみる ・宇宙開発の歴史を知る ・法律についてのクイズを話し合う ・大人の悩み相談に子どもが乗る(タバコが止められない) ・平家物語を楽しく学ぶ ・ドローンを飛ばす ・1人でいることの意義を考える ・エクセルで都道府県についてのゲームを作る などです。子どもたちができるだ

          オープンな会議のお知らせ

          新しい世界と出会う書店

          余白の会の5月のテーマは、「新しい世界と出会う書店」です。 本は、時代と地域を超えて、新しい世界や自分と出会うことができます。本からは常に、希望の匂いが漂っています。 速くて広大なインターネットが生活に浸透していく。そんな現代において、本や書店の役割とは何なのか?どうしたら私達は本との良い「出会い」を果たすことができるのか? 福井市の真ん中で本屋を営む「わおん書房」さんにお話を伺います。 日時:5月21日(土)19時30分~21時30分 発表者:廣部貴子さん(わおん書

          新しい世界と出会う書店

          子どもの育ちについて考えるイベントのスタッフ募集

          子どもの育ちについて考えるイベント「親と子のリレーションシップほくりく2022」を10月に越前市で開催します。そのために力を貸してくれる方を募集しています。 イベントの内容は、若者の社会参加、性の多様性、外国ルーツの子どもたち、子どもの権利、社会的養護などです。 単なる講演会(一方的に情報を得る場)ではなく、参加した方々がつながり、その後の具体的なアクションを生み出す機会にしたいと思っています。 現在、30名弱のメンバーが企画の準備をしています。メンバーを何名かご紹介す

          子どもの育ちについて考えるイベントのスタッフ募集

          福祉とは何か?

          余白の会の4月のテーマは、「福祉とは何か?」です。 私達は時に誰かをケアし、時に誰かからケアをされます。私達が生きることと福祉は、分かちがたく結びついています。今回は豊富な経験と専門知をお持ちの方をお呼びして、福祉の課題や未来、自助、互助、公助の関係などを考えていきます。 日時:4月20日(水)19時30分〜21時30分 発表者:望月陽子さん ●望月陽子さんプロフィール NPO法人Bumps代表理事、相談支援事業所 Bumps管理者兼主任相談支援専門員。 高校時代、

          不登校のサポーターについて

          学校での出来事や周囲の環境など、様々な原因で限界を超える子どもたちがたくさんいます。 ・あまりに辛く、学校に行けなくなる ・周りからの視線が不安で、ひきこもりがちに ・将来への希望が持てず、落ち込み続ける そんな子どもたちが他者を信頼し、自分を信頼できるように関わるのが私達の役割です。 しかし、丁寧に支援をするほど、私もスタッフも疲弊していきます。個別で相談に乗ったり、進路先に同伴したり、他の支援者と会議をしたり。 福井スコーレでは、この問題を緩和できるように、寄付制

          不登校のサポーターについて

          独裁国家について考える

          福井スコーレで最近子どもたちとした活動です。 ・独裁国家について考える(独裁国家を通して民主主義について考える) ・インターネットセキュリティについて話し合う ・職業や資格のリアルな状況を調べる ・エクセルで都道府県すごろくを作る ・ジェンダーについて話し合う ・切り絵 ・雪遊び 学校ではやりにくいかもしれないけれど、意義があると思う活動を積極的にしています。 例えば、「独裁国家について考える」は、もしあなたが独裁者なら何をするかを話し合いました。選挙を制限するのか?自

          独裁国家について考える

          余暇の未来

          余白の会の3月のテーマは、「余暇の未来」です。 余暇は個人の人生を豊かにし、社会を支え、文化を育む土壌です。社会の変化を踏まえ、これから余暇がどうなっていくのか?どうすると余暇の持つ可能性を掘り下げることができるのか?を考えます。 日時:3月24日(木)19時30分〜21時30分 発表者:小野寺玲 ●タイムスケジュール 19時35分:余暇の未来についての発表 20時10分:参加者による質疑応答 20時30分:休憩 20時40分:グループに分かれて感想や意見を伝え合う

          芸術はどのような役割か?

          オンラインでオープンに話し合い、交流する会「余白の会」の2月の予定です。テーマは「芸術はどのような役割か?」です。 余白の会は、学びを通して人と出会い、つながるためのコミュニティです。そのテーマに詳しくない人でも大歓迎。学びはつながるためのきっかけです。 目指しているのは、居心地の良いカフェのように、気軽に集える居場所になることです。 ●2月の内容 芸術はどのような役割か? 日時:2月23日(水)19:30~21:30 2月の話し手は、福井芸術文化フォーラムで芸術に

          芸術はどのような役割か?

          オープンな交流会を始めます!

          オンラインでオープンに話し合い、交流する会を始めます!「余白の会」という名前です。 余白の会は、学びを通して人と出会い、つながるためのコミュニティです。そのテーマに詳しくない人でも大歓迎。学びはつながるためのきっかけです。 目指しているのは、居心地の良いカフェのように、気軽に集える居場所になることです。 ●概要 頻度:毎月 内容:テーマについての話し合い、グループに分かれて参加者同士の交流 方法:Zoom(カメラオンでお願いします) 参加費:無料 期限:この会は終わりを

          オープンな交流会を始めます!

          オンラインフリースクールは、どこまで居場所になれるのか?

          フリースクール「福井スコーレ」は、この1年オンラインはどこまで居場所になれるのかを探究してきました。その結果、非常に可能性を感じる部分と、課題だと感じる部分が両方ありました。そのことを、皆さんと共有したいと思います。少しでも参考になれば幸いです。 では、イメージしやすいように、オンラインで具体的にどんな活動をしてきたのかを振り返ります。 ●地球は本当に丸いのか? 地球は本当に丸いのでしょうか?そのことを知らない人がいたら、どうやって説明するでしょうか? 地球が丸いこと

          オンラインフリースクールは、どこまで居場所になれるのか?