『取』という字に耳が使われている理由を知れば、人の話したくなる
なぜ『取』という漢字に耳が使われているのか?
そんな、日本人の98.9%が考えもしない(たぶん)ことについて、考えてみましょう。
漢字は、日本語にとってなくてはならないものです。しかし、元は大昔の中国で生まれたものです。
大昔の中国といえば、『戦い』ばかりやっていました。
戦争では、敵を倒せば倒しただけ褒美がもらえます。
しかし、ゲームとは違うので、『画面の右下に倒した敵の数が表示される』なんてことことはありません。
倒した敵の遺体を持ち運ぶことも、物理的に難しいです。
そこで、討ち取った敵の左耳を切り取り、それを証拠としたのです。耳の数で戦功を数えたのでした。
つまり、『取』という字は、『耳を切り取っている様子』から作られたのです。(右側の「又」の部分が手を表しています)
今回の日本語 記事は【漢字の成り立ち編 パート2】です。
1.道
道という字には、『首』があります。
なぜでしょうか?
古代、外界に通じる道は、邪悪な霊に接触する非常に危険なところと考えられていました。
そこで、異族の人の首をはね、それを持ち歩き、その呪力によって邪霊を祓い清めて進んでいたのです。
首を持ち歩くなんて今では考えられませんが、現代の価値観とはまったく異なる時代の話です。
ここで新たな疑問が・・・・・・。
では、「しんにょう」は何を意味するのでしょうか?
実は、「しんにょう」は十字路で足を止める様子です。
したがって、「しんにょう」が使われる漢字には、移動に関する字が多いです。
進
退
追
逃
迷
近
遠
さらに、『進』について。この、
赤丸で囲まれている部分は、「尾が短い鳥」を指します。
尾が短い鳥は、後退できず前に進むことしかできないので、『進』に使われています。
2.点は必要?
上の字は、どちらが正しいでしょうか?(点の有無のちがい)
正解は・・・・・・
右です。点は必要です。
正直に言ってください。
『博』に点を打つかどうか、迷ったことはありませんか?
『専』に点が必要かどうか、混乱したことはありませんか?
私はありました。
『博・専・恵・穂』を「点がいるのか、いらないのか四天王」と言います。
そこに『縛・薄』が加わわると、「点がいるのか、いらないのか六軍団」にパワーアップします。
結論からいうと、「音読みしたとき、ハ行の音があれば点が必要」です。
博(ハク)
縛(バク)
簿(ボ)
それに対して、以下の字は「音読みしたとき、ハ行の音がないので点は不要」です。
専(セン)
恵(ケイ)
穂(スイ) ※「ほ」は訓読み
では、なぜハ行の音があれば点がつくのでしょうか?
実は、この部分は、
『甫』+『寸』からできています。
さらに、『甫』を分解すると、『父』+『用』に分けられます。
『父』の、
右上の点が、『博』の右上の点にあたります。
そして『父』の音読みは「フ」ですから、ハ行の音につながるのです。
ただ、ここまで由来を覚えておく必要はないと思います。
点が必要かどうか迷ったら、「ハ行の音なら点が必要!!」と思い出してください。
3.線は、何本?
『子どもたち』の『たち』を漢字で書くとき、
で迷うことはないでしょうか?
正解は、『達』(横線は3本)です。
二度と迷うことのないよう、字源(漢字の起源)について一緒に勉強しましょう。
『達』の中には、『羊』がありますね。
これは、文字通り羊です。
『達』の右側は、もともと、
であり、羊が産道を通ってゆっくり産まれる様子を表しています。
さらに、昔の中国において羊は安産のシンボルでした。
漢字を作った人(誰なのか、わかっていません)は、「障りなくものごとがするすると通っていく様子」を『達』で表現したのです。
「達成」「到達」といった熟語を見れば、「障りなくものごとが通っていく」という意味がわかるのではないでしょうか。
また、『達』に「しんにょう」がついているのは「道をさまたげられることなく通っていく」という意味を持つからです。こちらは、「通達」「速達」といった熟語で理解が深まるはずです。
4.今までと逆をやってみましょう
今までは、具体的な漢字を挙げ、その字源を知るという流れでした。今度は、字源から漢字を考えてみましょう。
下の3つの要素から生まれた漢字は、何でしょう?
これは、『祭』です。
左上は、一枚の肉です。「月」の二本線は、肉の筋なのですね。
下は、神様を祭るテーブルです。
右上は、神様に捧げる肉を置く「手」です。
お祭りのとき、神様に肉を捧げる様子から『祭』という字が生まれたのですね。
次は、
です。
・・・・・・私は真剣です。
決して、野原しんのすけがよく見せているやつではありません。
これは、『心』です。
心臓の形を元にして作られたのが『心』という字なのです。
5.まとめ
漢字の字源を知ると、理解が深まります。書き間違えることも激減します。何より、楽しいのではないでしょうか。
もし、どうしても覚えられない漢字があれば、字源を調べてみることをオススメしますよ。(インターネットでも調べられますので)
出版を目指しています! 夢の実現のために、いただいたお金は、良記事を書くための書籍の購入に充てます😆😆