ひざまくら←頭を乗せているのは「もも」だよね?
下の画像をご覧ください。
女性が男性にしている行為をなんと言いますか?
「ひざまくら」です。
異論ありませんね?
下の画像をご覧ください。
女性が手を当てている部位は、なんという名称でしょうか?
「もも」または「太もも」です。
小学生にもわかりますね?
さぁ、あなたは、強烈な問題に気が付いてしまいました。
他の例です。
ネコちゃんが、座っているあなたの足に乗ってきたとしますよ。
こんなとき、
と言いませんか?
決して、
とは言いません。
そこで、あなたに問いかけたい。
この『オモシロ・オカシイ日本語』について、一緒に考えていきましょう!
❶「ひざ」は、どこなのか?
「ひざ」は、どこを表す言葉なのでしょうか。
例文をいくつか挙げて考えます。
どれも、イメージするのは下記の画像の部位ではないでしょうか。
(関節が曲がるところ)
念のため、日本最大の辞書『日本国語大辞典』(第二版)で「ひざ」の意味を調べてみましょう。
やはり、「ひざ」とは、
ココのことでしょう。
(以下、『ココ』を「関節が曲がるところ」とします)
❷「ひざ」が他の言葉と合体すると――
「ひざまくら」は「ひざ」と「まくら」が組み合わさってできた言葉です。
もしかして、「ひざ」が他の言葉と組み合わさると、意味が変わるのでしょうか。
例を挙げます。
どれも、「関節が曲がるところ」をイメージされましたね?
柔道に「膝車」という技があります。
この技は「自分の足の裏」を相手に当てて投げる技です。
足裏を当てる位置は、ひざ(関節が曲がるところ)です。
つまり、「ひざ」は他の言葉と組み合わさっても、意味が変わるわけではないのです。
答えはカンタンに出そうにありませんねぇ。
しかし、わからないからこそオモシロイのが日本語です。
❸他の部位は、どうか?
視点を広げて、「ひざ」以外の部位について考えてみましょう。
「腕時計」という物がありますね。
さーて、どこに身につけるものですか?
・・・・・・そう、手首です。
どう考えても「手首時計」の方がふさわしいでしょう。
実際に、疑問に思った人もいます⬇️
次は、飲み会のシーンを思い浮かべてください。
同僚が、
と言ったとしますよ。
この人が、飲み会の会場に顔だけ出していたら実に恐ろしいです。
「顔を出す」とは「顔だけ出す」のではなく、全身を出す(会合などに出席する)ことを意味します。
『平家物語』の「木曾の最期」という場面にも注目してみましょう。
とある武士が、木曾義仲を討ち取り、高らかに勝ち名乗りを上げるところです。
ここでの「首」は、
ではなく、
ですね。
「首」が「首から上(首と頭)」を意味しているわけです。
今までのことを表にまとめてみました。
さぁ――ここから見えてくるものは何でしょうか。
日本語における「身体部位を表す言葉の範囲」はおおざっぱ、ということが見えてきます。
意味が「おおざっぱ」というか「曖昧」というか・・・・・・良くも悪くも日本人(日本語)らしいなぁと思います。
日本人でたった二人だけのノーベル文学賞受賞者「大江健三郎」氏が、「曖昧な日本の私」と題するスピーチをするのも納得できるほど、「曖昧」です。
英語と比較すると、「意味のおおざっぱさ」が顕著です。
❹結論!そして・・・・・・
日本語における「身体部位を表す言葉の範囲」はおおざっぱである。
この真理にたどり着けば、「ひざまくら問題」は解決できます。
「ひざ」は「関節の曲がるところ」も意味するときもあれば「もも」も意味するときもあるのです。
というわけで、答え。
ふー、スッキリ。
しかし、「知れば知るほど謎が増える」のが日本語です。
❺新たなる疑問
実は、「ひざ」が「もも」を表すときには、条件があります。
以下の4つの文は、すべて「ひざ」が「もも」を表しています。
共通することは何でしょうか?
では、答え。
共通することは、座っているということです。
「座っている状態」に限って、「ひざ」が「もも」を意味します。
(座っているからといって、必ず「もも」を意味するわけではありません)
なぜ座っているときに限って、「ひざ」が「もも」を意味することもあるのか?
それは、わかりません。
まぁ、このミステリーがあるからこそ日本語はオモシロイのですが・・・・・・。
もし解明できたら、またnoteでお伝えしますね。
(5年以内に解明したいなー笑)
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