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絵本を数千冊読んで見えてきた世界(1)

上の4歳の子供がもうすぐ5歳になろうとしている。

僕は彼が0歳の時から絵本の読み聞かせを毎日続けてきた。その数は延べ数千冊にわたる。

何故読み聞かせを続けているかというと、僕が子供をサポートできる最大の方法が本を与える事であると考えているからだ。

息子が5歳になろうとしている今、僕は子供を育てるという事がどういうことなのか改めて考えている。そして、昨年から教育本を読み漁り、ひょんな事がきっかけで一人の恩師とも呼べる教育者に出会い、ある結論に至った。

「余計な教育をしない」

ここでいう余計な教育とは世間一般で言われている小学校受験教育やプログラミング教育、英語教育なんかの事だ。最近では右脳教育をはじめ様々な幼児教育法が開発されている裏で、目まぐるしい社会の変化があり、親も何をさせて良いか悩んで教育ジプシーになっている様だ。以前も以下のリンク記事で書いた通り、それらの欠乏感から始まる職業訓練教育は子供の個性を削り取る。

記事リンク
大きくなったら何になりたい?→えっ、自分

僕は、今、一旦は教育本を読む事を辞めた。先述した通り、僕にできる最大のサポートが本だという結論に至ったからだ。

このような結論に至った背景にこれら2冊の本との出会いがある。

①ユダヤ式教育をテーマにした本

②強烈なオヤジが塾へも高校へも行かせずに3兄弟を京大に合格させた話

ユダヤが様々な逆境にもかかわらず、天才や富豪が多いという背景には彼らがどんな状況下でも本、読書を大切にするよう子供を教育してきた事がある。また、しばしば「ユダヤの母」という言葉に揶揄されるように、ユダヤの母親は自分の子供を天才と疑わない親バカだ。子供にとってはどんな時も自分を信じて応援してくれる、最高のサポーターであるだろう。

ちなみに僕が先述した恩師というのは、この②の本の主人公である強烈なオヤジ、3兄弟の父親の宝槻徹先生の事だ。この京大3兄弟本の著者である長男の泰伸(やすのぶ)さんは子供時代の強烈なオヤジの教育をヒントに東京を拠点に探求学舎という「子供の好奇心に火を点ける」をテーマにした何とも素敵な学習環境を子供たちに提供している。かなりメディアで取り上げられて活躍されているが、僕がコンタクトに成功したのは泰伸さんではなくこの本の中の主人公の強烈なオヤジ、正にその本人である。

外資系メーカー管理職として働いていた僕が地方移住を悩んでいた時、最後に残った懸念は子供の教育だった。「過疎地域で子供の教育がしっかりとできるのだろうか。」と漠然とした不安にかられ様々な教育本を読み漁っていた。

そんな時に京大3兄弟の長男が書いたこの本に出会い、運命的にその強烈なオヤジ、正にその人にコンタクトをとることに成功した。

オヤジの第一声で不安が吹き飛んだ。というか僕に元々迷いはなくこの言葉が欲しかっただけなのかもしれない。

「都会じゃ子供は育たない」

ちなみにこれを読んでいる読者さんで宝槻徹先生にコンタクトを取りたい方がいれば気を付けたほうがいい。本当に強烈なオヤジで、僕も少し失礼なことをしてしまって怒鳴られた。現に問い合わせをした何人かを返り討ちにしたらしい。この時点で面喰らう可能性が高い。しかし、僕はというとその後ほんの数分で打ち解けて、「家に遊びに来い」とか、「君はもう友達だ!」等と激励され、非常に親身になって1時間以上にわたり僕の悩みを聴いてくれ、アドバイスをくれた。当たり前だが本当に京大3兄弟本の中に書いてある通りの強烈なオヤジがそのまま出てきたような、そんな強烈な人物だった。

京大3兄弟本の中には家族旅行でイタリアのコロッセオやアメリカのホワイトハウスに行った際のエピソードが記載されているのだが、それが激しく、逞ましくも賢く生きる強烈なオヤジのキャラクターを実に鮮明に、的確に表現しており、僕が大好きなエピソードだ。

「強烈なオヤジが塾にも高校にも行かせず3兄弟を京大に放り込んだ話」、と聞くと受験本のように聞こえるが、都会から抜け出し子供のために田舎に引っ越したオヤジの教育がとにかく"とんでも"で、漫画ですら1ページにつき読んだらお金を払うなどといった幼少期のストーリーで始まる。しかし、この本を全て読んで3兄弟が育つ過程を理解すると、それらが非常に理にかなっていて、ワクワクしながら好奇心に火が点き、いつの間にか自ら貪欲に学び、知識や思考力が身についてしまうという事が理解できる。僕には「非常に愛情深い、少し不器用なガンコ父親が超真剣に子供達と向き合って子育てをした親子の愛のストーリー。但し末2人の子供はきっと同意しない(笑)。」という解釈だ。

ちなみに僕がこんなことを書いていると知られたら、強烈なオヤジに何を言われるか若干恐怖で怯えている。

以上をまとめると、僕のとんでも教育法はこの3つだ。

1)絵本、読書の為の無限のサポート
2)余計な職業訓練教育をしない
3)母親を親バカ「ユダヤの母」にさせる 

近年多くの親が子供に施している英語教育にすら見方が変わった。僕も過去に英語教育には熱を入れた時期があったが、日本語という言語が平仮名、片仮名、漢字で構成される表現力豊かな、情緒形成に素晴らしい言語であると理解してからは英語教育はそっちのけで、日本語の楽しさ、面白さや奥深さを子供に知ってもらう事に時間を割くように心がけている。英語はアルファベット26文字で全てを表現するが、日本語は平仮名、片仮名、漢字と多彩な文字を使用するため、英語より遥かに1つのものを様々な角度から表現、解釈することが可能なのだ。それがわびさびの正体であると僕は考えている。

京大3兄弟の三男がアメリカで働いており、インタビュー記事があった。「要約すると英語は単なるツールであり、何を話すのかが大事である。その何かを身につける方が先決だ」と述べている。僕も今までの人生でそう感じたし、子供が選択すれば留学の機会等でサポートしていこうと考えている。また、最近AIと英語学習が出来るアプリ開発も進んでいるようなので近い将来ネイティブスピーカーのAIが我が家で活躍する日が来るかもしれない。子供に英語が必要な時には留学させずとも我が家をホームステイ状態に出来るのではないかとも予測している。

京大3兄弟三男の記事はこちら
出典 fledge written by つるみほ

話は戻すが、絵本を数千冊にわたり子供に読み聞かせてきて分かった事は、その物語や知識本、知恵本、あるいは図鑑等を作った作者、編集者や原著者が何を言いたいのかを読み取る力がついたという事だ。この能力が付いたことによりその本が良書かどうか直ぐに判断できるようになった。これは自分の読書にも役立つ。

子供にどんな本を選んだら良いか、今では本屋や図書館に行って莫大な本の中から短時間の間にかなりの数を選別することが出来る。その時の子供の興味に応じて内容と難易度も判断できる。敢えて簡単な本や難しい本を与えたりもできる。

僕の妻もかなり読み聞かせをしていて、リサーチ力が高いことも相まって、僕もびっくりするようなセンスの良い絵本を選んでくる。

世の中に絵本はかなり多い。中には子供の注意を引けば何でも良いと解釈されてもおかしくないような本もある。

絵本の読み聞かせは単に日本語のゲシュタルトを作る為だけのものではない。それが数千冊を読んだ僕の解釈だ。

子供特有の想像力により、実際にその本の中に入ったかのような臨場感でその本の物語を体験する事で意味を成すと考えている。

僕が誰かに、何を子供に読んであげたら良いか聞かれた時に答えるのは間違いなく、日本名作絵本や世界名作絵本、アンデルセン童話、グリム童話や神話などの古典的なものだ。

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もし、それらが子供の興味を惹かないようであれば、最近では絵がより親しみやすくなったものや、古事記などの神話も、より易しく語ってくれる絵本が発売されているのでそちらを選べば良いと思う。絵本の絵が萌え調になっている事がしばしば話題になるが、読まれないで死んでいる本よりはむしろ萌え調の方が断然いい。

それでもダメなら子供が好きな本を読んだ後や間に、それらを織り交ぜていくと、どさくさに紛れて聞いてくれる。病院の待ち時間などを利用しても良い。一旦物語の世界に入ってしまえばこっちのものだ。

また、これらはアニメで安く手に入るものなので、アニメでも良いと思う。ふとした時に車の中で見せてあげたりするのも良いと考えている。

なぜこれらの古典本がお薦めなのかは「絵本を数千冊読んで見えてきた世界(2)」で記載することにする。

今日も読んでいただき有難う御座いました。

ことり 拝

TOP画像はイラスト作家ぐるうさんとのコラボ絵本「大きくなったら僕になりたい」の一部です。リンクはこちら。



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