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バカボンの兄 詩集

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詩の末尾に初稿を書いた年月を付していますが、note投稿にあたり加筆しています。投稿後の加筆もあり得るので、ご了承ください。
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#月

詩/アポロン

アポロン

まぶしすぎると痛いので
何かがそこを通るのだと分かる

絵を描く人は光を集める
体にためて
発光する

ねえ、絵の具は光?
カンバスは月の表面のようです

月 映す瞳
一度生まれた光は死なない

私は何を集めるだろう
言葉は光?
太古、言葉のない心で
死を悼み
マンモスを畏敬した
お前は何を集めたの?

ノートを開いて
押し黙る
思いを離れ主張している、海から
無作為の方角から 届く

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詩/悼む

悼む

常に
太古から
全てのいきものに作用してきたというのに
ニュートンの登場まで誰にも気づかれなかった、
引力のように
現前はあった。なのに
毎晩死にたくなるのはなぜなんだろう
どこにいてもいたたまれない
どこからもいなくなりたい
常に
どこにもいないと気づいているというのに。
眠れぬ夜が明けて葬儀の支度をする

タゴールとアインシュタインが対話した時
タゴールは現前について語り
アインシュタ

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