詩/アポロン
アポロン
まぶしすぎると痛いので
何かがそこを通るのだと分かる
絵を描く人は光を集める
体にためて
発光する
ねえ、絵の具は光?
カンバスは月の表面のようです
月 映す瞳
一度生まれた光は死なない
私は何を集めるだろう
言葉は光?
太古、言葉のない心で
死を悼み
マンモスを畏敬した
お前は何を集めたの?
ノートを開いて
押し黙る
思いを離れ主張している、海から
無作為の方角から 届く
まぶしすぎると痛いので
光とわかる何か
夜の波間に浮かぶ、
私は月
私から出るものをさがしている
1997年1月
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