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俳句・句集

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#感銘句

「現代俳句」2024年5月号・6月号を読む。

「現代俳句」2024年5月号・6月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけています。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のためにご紹介したいと思います。

※今回はまとめて5月号と6月号の俳句を紹介します。

5月

列島春秋

自転車の補助輪外す立夏かな

吉良香織

第十五回現代俳句の風

馬の仔の四肢にみなぎる好奇心

神谷たくみ

すんなりと溶けぬマカロン春愁い

徳見淳子

逃水の水に笑はれゐたりけり

田中葉月

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「現代俳句」2024年3月号・4月号を読む。

「現代俳句」2024年3月号・4月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけています。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のためにご紹介したいと思います。

※今回はまとめて3月号と4月号の俳句を紹介します。

2024年3月号列島春秋

君のゐしあとに菜の花こぼれをり
五十嵐 進

第十五回現代俳句の風

うららかやジユゴンと欠伸分かちをり
小路 裕子

やあと手を挙げし埴輪や蝶の昼
平山 北舟

柏餅どこか硬派

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「現代俳句」2024年2月号を読む。

「現代俳句」2024年2月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけています。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のためにご紹介したいと思います。

百景共吟

列島春秋

第十五回 現代俳句の風

翌檜篇

図書館俳句ポスト

感想

身近な物事を意外な視点で捉えた句に惹かれました。
そういう句が作れるようになれば、俳句をもっと楽しめるのようになるのではないかと思いました。

他人には真似できない作者特有の視点もあり、俳

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「現代俳句」2024年1月号を読む。

「現代俳句」2024年1月号を読む。

明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。

このたびの未曾有の災害に際し、皆様にお見舞い申し上げます。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけている。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のために紹介したい。

列島春秋

ほどほどの未来を買えり達磨市
中村克子

初春や救命ボートの裏きれい
杢いう子

第十五回現代俳句の風

和菓子屋の死角を聖菓持ち帰る
上野英一

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「現代俳句」2023年12月号を読む。

「現代俳句」2023年12月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけている。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のために紹介したい。

列島春秋

ぷうぷうと猫のいびきや藪柑子
金山 桜子

作品10句

むしパンの程良き甘味冬ぬくし
古畑 和

特集・永年会員記念作品

鳥渡る二十グラムの封書の旅
堀部 節子

生きるとは今光ること初蛍
片岡 寿子

青葉雫地球を看取るのは誰か
森田 千技子

現代俳句の風

見てをりて

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「現代俳句」2023年11月号を読む。

「現代俳句」2023年11月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけている。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のために紹介したい。

列島春秋(6〜8ページ)

螺旋階段ゆっくりついてくる寒さ
石川美智子

作品10句(12〜14ページ)

赤蜻蛉群れてニアミスなどないか
吹野仁子

「翌檜篇」(43、44ページ)

座布団も脱皮したがる暑さかな
初霜若葉

第15回現代俳句の風(50〜57ページ)

死語あらば新語生

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「現代俳句」2023年10月号を読む。

「現代俳句」2023年10月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけている。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のために紹介したい。

百景共吟(2、3ページ)

秋桜ふぞろいだからちょうどよい
関戸美智子

第15回現代俳句の風(45〜52ページ)

天高し餃子に羽が生えている
佐藤レイ

吾が庭のちちろは音痴かもしれぬ
名久井清流

※ちちろはコオロギ。

西瓜食ふ少年の日をまるごと食ふ
丸山みづほ

※西瓜はスイカ。

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「現代俳句」2023年9月号を読む。

「現代俳句」2023年9月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけている。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のために紹介したい。

わたしの一句(1ページ)

芦原に鷺来て命生き生きす 柿本多映

百景共吟(3ページ)

言い訳をさらに並べるキリギリス
山口木浦木

列島春秋(6〜8ページ)

虫の音を育てています庭の闇 高田多加江

満腹の青虫となら喋れさう 千葉信子

風見鶏仲間外れの小鳥くる 音羽和俊

作品1

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『現代俳句女流百人』を読む(30〜37ページ)

『現代俳句女流百人』を読む(30〜37ページ)

『現代俳句女流百人』より、俳句を紹介する連載。
好きな句と作者を紹介したいと思う。

井沢正江

繰り返す日常生活でふと
「前もこんな日があったな」
と思う瞬間がある。
そんな気持ちが句に結実した。

そう言われると確かに!の一句。

山田みづえ

野外の猫じゃらしが沢山生えている場所で泣いているのだろうか。
暗喩の可能性もある。

春の帽子の陽気さと、やるせなさの温度差のギャップがある。

鍵和

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『現代俳句女流百人』を読む-黒田杏子-

『現代俳句女流百人』を読む-黒田杏子-

『現代俳句女流百人』より、俳句を紹介する連載。
好きな句と作者を紹介したいと思う。

今回は
黒田杏子氏。



馬と白鳥がいる場所だということが一句から分かる。

景と構成の巧みさ。

怨みの句だと内容が重くなるが、
この句の内容はどちらかというと
結句の「なつかしみ」に比重がある。
そのせいか重さは少ないように感じた。

たかんなは筍の古語。

オオムラサキは蝶の名前。

場所も蝶も固有名詞

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『現代俳句女流百人』を読む-殿村菟絲子-

『現代俳句女流百人』を読む-殿村菟絲子-

『現代俳句女流百人』より、俳句を紹介する連載。

今回は殿村菟絲子氏。

作品の選

街の光景から街全体の憂愁を感じさせる句。

夫の急逝後、「万蕾」を創刊したとのことで、その頃の句。
そういった事情を加味すると、更に深みを感じる。

「祝ぐ」は「ほぐ」で、意味はことほぐとほぼ同じ。

Wikipediaより

また、お名前の漢字表記が正しいかを調べるついでにwikiを読んだ。

その一文に

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「現代俳句」2023年8月号を読む。

「現代俳句」2023年8月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけている。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のために紹介したい。

※()内はページ数。

列島春秋 (6~8)

(6)
存在は刹那の連続 空蝉が鳴く 
旭太郎

落人も見しか一縷の大蛍 
浅川 芳直

(7)
よく笑いよく食べ青き大昼寝 
Araki

濁点のような生きざま西瓜食べ 
馬場 民代

地方の力地区協会報を読む(12)

図書館に指紋をのこ

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「現代俳句」2023年7月号を読む。

「現代俳句」2023年7月号を読む。

「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけている。
そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のために紹介したい。

※()内はページ数。

【百景共吟】(2,3)

浜口のレモンが昇る夏あした 大類つとむ

夏館魔王のごとく住み慣れる 小野裕三

【シリーズ薄墨桜】(4)

一族にはぐれてしまひ螢の夜 木村ゆきこ

【列島春秋】(6~8)

炎天に人すこしづつ醱酵す 荒川弘子

梅雨の傘ぱっと俳句は骨で

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「現代俳句」2023年6月号を読む。

「現代俳句」2023年6月号を読む。

月刊の会報「現代俳句」を読む時に、感銘句に印をつけている。

そのうち、特に面白かった感銘句を勉強のために紹介したい。

※()内はページ数。

感銘句

(3)
どの川もあぶくはオフィーリアの鼻歌 木村聡雄

(7)
花菖蒲古墳の雨はもう止んだ 坂田紀枝

夏の蝶狂ひたき日の減りにけり 窪田英治



(8)
六月の絵はナミダいろを使いきる 南園美基

(12)
囀りや空ごとたた

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