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『現代俳句女流百人』を読む(30〜37ページ)

『現代俳句女流百人』より、俳句を紹介する連載。
好きな句と作者を紹介したいと思う。

井沢正江


豆飯やこの夕いつの日にか似る

井沢正江


繰り返す日常生活でふと
「前もこんな日があったな」
と思う瞬間がある。
そんな気持ちが句に結実した。

はじめより愁ひ顔なる傀儡かな

井沢正江

そう言われると確かに!の一句。

山田みづえ

猫じやらし泣き癖の頬にほしいまゝ

山田みづえ

野外の猫じゃらしが沢山生えている場所で泣いているのだろうか。
暗喩の可能性もある。

やるせなければ春の帽子を買つて了ふ

山田みづえ

春の帽子の陽気さと、やるせなさの温度差のギャップがある。

鍵和田秞子

筍を茹でをり明日が混沌と

鍵和田秞子

筍を茹でている今と、明日の取り合わせ。
実景と心理描写の対比でもありそうだ。

茹でながら明日の事を考えていて不安に苛まれた様子を混沌としたと読んだ。

まとめ

実景と心理描写や暗喩などの取り合わせが面白い。
その根本には着眼点の面白さや発見があるように感じた。

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