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自殺者を出さない為のウェルビーイング経営とは

おはようございます。ウェルビーイング研究家のアルキメデス岡本です。

最近、ウェルビーイングという言葉が注目されています。

このところ社会の閉塞感が高まっており、知らず知らずの内に肉体や精神に負荷がかかり、知らぬ間にうつ病を発症したり、最悪の場合、自殺してしまうといったケースが増えてきています。

先日、自殺で亡くなった俳優の三浦春馬さんもその1人ですが、何故このような事が繰り返されてしまうのでしょうか?

ライフスタイル総合研究所の使命は、あらゆる問題の本質を追求しその原因を突き止め、改善策を提案(ブッパなす)する事です。

そこで考えられる仮説は、日本社会の働き方とウェルビーイング(幸福度)に対する意識の低さ、それを可視化する仕組みが不十分だからではないでしょうか?

事実、日本の幸福度は先進国の中では未だに低いです。

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■働き方とウェルビーイング

働き方改革の取り組みが進む中、従業員の「健康」が生産性や企業価値に影響を与えるという認識が浸透しつつある。その中で最近注目を集めている概念が、「ウェルビーイング」だ。身体的・精神的・社会的に満たされた状態であることを示す「ウェルビーイング」は、なぜ企業経営において重視されているのだろうか。また、人事は従業員の「ウェルビーイング」のためにどのような意識を持ち、何をすべきか。具体的な事例を交えながら解説していく。

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■ウェルビーイングとは

企業にとって重要な経営資源である人材。彼らの健康が企業価値やパフォーマンスに直結するという意識は、近年「健康経営」という言葉と共に世の中に浸透しつつある。経済産業省が東京証券取引所と協働で「健康経営銘柄」を選定しているほか、日本政策投資銀行の「DBJ健康経営格付」も発表されるなど、健康経営の推進は投資家の注目も集める領域だ。

では、「健康」とはどのような状態であろうか。病気や怪我など身体的な不調がないことは、もちろん重要である。しかし、それだけで十分なパフォーマンスを発揮できるとは考えられない。そこで最近、企業経営や組織のあり方を考えるための概念として取り上げられているのが、「ウェルビーイング(well-being)」である。

「ウェルビーイング」という言葉は、1946年に署名された「世界保健機関(WHO)憲章」の前文で、「健康」を定義する文章の中に登場した。
「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあること」というものである。

企業経営や人事領域で使われる場合は、心身ともに充実し、仕事に対するモチベーションや帰属意識も向上し、満足した生活を送れる状態といえよう。「ウェルネス」や「エンプロイー・サティスファクション(ES)」と混同されることがあるが、「ウェルネス」が「身体的・精神的な健康」と定義されることに対して、「ウェルビーイング」は、周囲との良好な関係性や、仕事に対する満足感、そして仕事以外の生活の充実といった「社会的に良好な状態」を含んでいる。また、「ES」は「会社や仕事に対する満足度」にフォーカスすることが多いが、「ウェルビーイング」は、仕事での達成感や目的意識を含め、人生をポジティブに捉えられる状態である。

■ウェルビーイングの必要性

従業員の「ウェルビーイング」を意識した取り組みは、CSRや福利厚生の一環だと捉えられることもあるが、そうではない。むしろ、人材不足の中で組織の競争力を高めていくために、もはや避けて通れない投資対象であるともいえる。

しかし「ウェルビーイング」は、会社の外にある従業員個人の人生までを含む概念である。ならば、なぜ企業がそこに積極的に取り組むべきなのだろうか。

まず明白なのは、従業員が心身の不調を抱えた場合、本来のパフォーマンスを発揮できない。また、心身の健康に問題はなくとも、自分らしく働けず社会的な満足が得られないのであれば、パフォーマンスは低下する。たとえば、上司や同僚との関係性が良好ではなく、「思うように発言できない」「失敗したら評価が下がるという過剰な恐れがある」など、心理的安全性が脅かされる場合、その人材は委縮して能力を発揮できないだろう。仕事を通じてステップアップや達成感を味わえない場合も、満足度は低下する。さらに、性別など個人の属性やライフステージの変化によってキャリアや評価が理不尽に制限されてしまったり、周囲の理解を得られなかったりした場合も、モチベーションを削がれてしまうだろう。

このように、身体的・精神的・社会的な充足どれ一つ欠けても、モチベーションや集中力は低下してしまう。手を打たずにいれば、組織全体のパフォーマンスにも打撃を与えることは想像に難くない。だからこそ、企業は様々な取り組みの中で、常に従業員の「ウェルビーイング」を意識することが必要なのだ。「心身ともに健やかに働ける環境」「自分らしく、能力が発揮できる環境」「不当に抑圧されない環境」をつくることは、従業員一人ひとりのパフォーマンスを向上させることができ、組織全体の力を強化することにもなる。

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また、「ウェルビーイング」が達成されることは、エンゲージメントの向上にも効果的だ。従業員が満ち足りた状態で働ける環境は、リテンションや採用ブランドも高めることにもなり、優秀な人材の確保につながるだろう。

■自殺者を出す前に検知する仕組み

逆に、心身共にウェルビーイングが低下し、それを検知出来ず長期間に渡り放置してしまうと従業員はその会社から退職したり転職してしまう事が分かっている。

最悪の場合、うつ病や過労死、自殺などを引き起こしてしまいます。日本社会の場合、メンタルヘルスチェックなどで早期に心身の異常を発見する体制が整備されている場合もありますが、欧米に比べるとまだまだ浸透していないのが現実です。事実、日本の自殺率は高い。

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そこで、自殺者を出す前に早期に問題を検知する仕組みが、ウェルビーイング経営だ。

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真の「ウェルビーイング」にむけて、人事や経営者がすべきこととは「ウェルビーイング」という概念を企業が取り入れ、従業員と共により良い方向に進んでいくために、人事はどのようなことをすべきだろうか。身体的・精神的・社会的な充足、それぞれの観点から述べてみたい。

まず「身体的」な面だが、これは制度や施策の形で取り入れやすい。「定期健康診断や運動の奨励(スポーツクラブの補助など)のような一般的なものに加えて、従業員のヘルスリテラシー向上のためのセミナー開催、 運動や栄養管理などの健康活動に対するポイントインセンティブ制度といった、健康維持・増進のための取り組みが挙げられる。過重労働の改善など、働き方改革との連動も不可欠だ。

続いて「精神的」な健康面においては、やはり専門家の知見を何らかの形で取り入れることが望ましい。自社の現状を把握したうえで、ストレスチェックの実施、相談窓口の設置、カウンセリングサービス、メンタルヘルス研修、管理職向けのハラスメント防止研修など、自社に合った支援策を検討するとよいだろう。ここで意識すべきは、業務におけるストレスに限らず、プライベートでの心配ごとを相談できるような環境をつくることである。プライバシーを確保しつつそのナレッジを吸い上げられれば、離職やモチベーション低下の要因を探ることもできるかもしれない。

そして最後に、「社会的」な充足についてである。柔軟で納得感のある人事制度や昇進・昇給制度の構築など、組織や仕事に対する満足感を高めるための取り組みはイメージしやすいだろう。しかし、会社の中の評価だけでは、人は充足を感じることはできない。介護や育児との両立支援といった、ライフステージの変化によるキャリアの断絶を防ぐ施策や、ダイバーシティ・インクルージョンの推進、さらに、心理的安全性を確保できるコミュニケーション手段や組織風土の醸成など、従業員が本来のパフォーマンスを十分に発揮できるような打ち手を考えていかなければならない。

どのような施策を取るにせよ、「社員がより良く生き、より良く働ける環境とは何か」を念頭に置くべきだ。これは「ウェルビーイング」に限らずあらゆる人事施策に言えることだが、他の企業で成功した事例をそのまま取り入れても、自社の課題が解決するわけではない。それぞれの企業に合わせた施策が不可欠だ。

環境の変化が激しく労働者の意識も多様化する現代では、何から始めるべきか、優先順位を付けるのが難しいこともあるだろう。そのため、まずは現状を把握するための調査を行い、社内のストレスやモチベーション向上を阻害する要因を探るなど、「己を知る」ところから始めることが大切である。その上で、自社の従業員や組織にとって何が必要なのかを特定していくことが、「ウェルビーイング」を実現できる組織への早道となるはずだ。

■芸能界の空気に支配されない

特に芸能界という世界は労働環境の整備が遅れていて、一般社会よりもハードワークが当たり前の社会である。この空気に支配されてしまうと、本人の希望や意見を気軽に言えなくなってしまう。また、不平不満を言うと仕事を干されたりする恐怖が根強くある世界な為、そういう意味では心理的安全が確保されにくいと考えれます。もちろん、芸能界に限った話ではありません。

これらの見えない空気と同調圧力という日本独特の悪しき慣習を本質的に見直し、いち早く心身の異常を検知する仕組みを取り入れる事をオススメします。

■ウェルビーイング幸福度の視覚化

では、実際にウェルビーイングを視覚化する方法をご紹介します。

こちらはウェルビーイングの視覚化サービスです。

私自身も今までの社会生活で生きづらさ働きづらさを感じて来ました。いろいろな企業で働いた経験がありますが、ウェルビーイングの意識高い企業はまだ多くないように感じます。大企業やベンチャー企業などでもっとウェルビーイングの認識が高まり、これらのツールを上手く使って日本社会全体が今よりも働きやすくイキイキと生きられる、ウェルビーイング=健康的で幸福度の高い社会になって行く事を願っています。

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