ナッツサブレ

物語を書くのが好きなナオン。20代。 お笑いも好き。 ここでお友達がほしい。 男も女…

ナッツサブレ

物語を書くのが好きなナオン。20代。 お笑いも好き。 ここでお友達がほしい。 男も女も友達になりたい。

最近の記事

自分が自分とずれている

最近、自分と外に出ている自分にズレが気になるようになってきた。 例えば、家族に対するいら立ちや、家族に関する心配。 「もっと、将来のことを考えた方がいい」とか 「なんでもっと本質的なことを考えようとしないの」とか 家族の行動に首を突っ込んでしまう。 自分の家族にそういう事を言うのは、どうなんだろう。 母親は何も言わない人だから、どういうのが正解なのかわからないけれど。 私は、そうやって家族に干渉することは自分のためにやっているんじゃないかとふと思ってしまう。 家族の悪い

    • 小説「鳩の巣」1

      「僕はなにしてるんだろう」 僕は化粧品や綿棒があちらこちらに散らばった部屋の小さなこたつテーブルを見ながらそう言った。 百子はその言葉に少し首をかしげたが、汗ばんでしっとりとした手を僕の左腕に絡ませる。 「今日は何かあったの?」 本当は僕の話を聞くつもりもない猫なで声。きっと次の僕の返事に適当に合わせて自分の話を繋げるんだろう。彼女はきっと、なんでもいいのだろう。僕が何者であろうと、僕が何を考えていようと。僕はそう思うと、なぜここに居るのかを考えることが自分を不快な気分にさせ

      • 「承認されたい」という枯れた湖

        私は時々、皆「認められるという水」枯渇していていて、 お互いに嘘の水を注ぎ合ってると感じる時がある。 「うち、全然あかんねん」 「えー○○ちゃんは、めっちゃ頑張ってるよ」 「ほんま?全然やで…」 「ほんまやで!いつもすごいなって思ってる!」 「ありがとう。うちも××ちゃんのことすごいと思ってる」 「え、ほんま?なんで」 「だってめっちゃ優しいもん」 「ほんま?うれしい」 あなたは何のために頑張るの?と聞いて 「周りに認められたいから」なんて言う人を見て胸が苦しくなる。

        • 関根さん

          関根さんは眼鏡だった。高校2年生の時に同じクラスになった。 関根さんは、サラサラのストレートヘアで長い髪を1つに束ねて、ゆっくりと弱弱しく歩く。 関根さんは、私の友達の友達で私が積極的に話かけることで次第に打ち解けてくれるようになった。 関根さんはよくクラスのキラキラした女の子とか、男の子をバカにするようなことを言った。それは、私たち「端っこの女子」の中では日常的な話題なのだけれど、なぜか関根さんはキラキラした男子に話しかけられることが多かった。 多分、関根さんがキラキラ

        自分が自分とずれている

          知らない人と話すということ

          今日は都会で会社説明会だった。帰りのエレベーターに向かう。私は髪の長い女の子に話かける。何でもいい。今日の感想をお互いに共有したかった。そして、どんな人が受ける企業なのか知りたかった。 「このエレベーターってどこらへんに出るやつですか?」私は説明会会場から出たふたりの女の子が並んでるエレベーター前で、そう声かけた。2人のどちらかが私の方を向けばいいやとおもって。 「あ、駅の西側に多分出るやつです」 右側に立っていた長身で髪の長い女の子が私の問に答える。 「そうなんですか。私

          知らない人と話すということ

          自分をまもるために、剣を持つけれど、剣を振る人はみんな裸んぼ。

          私は、自分を守るために剣と勲章を持っている。 人に攻撃されそうになったら、勲章を見せて攻撃させないようにする。 それでもだめだったら、剣を振り回し、私の周りに近づけないようにする。 「あの人別にうちらみたいに実習とかしてないやろ。そういう事する人、頭悪いやろ。きらいやわ。」 けれど、私は裸んぼだ。 剣をはじかれたら、小さな石ですらよけられず、素肌に石を食らって血を流し、すぐに膝をつく。 剣を振る人はみんなとても弱い。 人の攻撃を避ける技術を持ってないから、 剣を持った

          自分をまもるために、剣を持つけれど、剣を振る人はみんな裸んぼ。

          睫毛にのこる目やにをいとおしいと思う恋がしたい

          男って、体がでかいんだろうなとたまに近づいたときに思う。 女って、ほそっこくて柔らかいんだと触れた時驚く。 同じ人間なんだからと思っていても、性別が違うだけで、こうも違うとなると、なんだか色々な感情になるのも分らなくないなと思う。 私は、あんまり女の子っぽい体つきをしていないので、男性うけは良くないのだと思うけれど、その分女の子の体にも、男の子の体にも新鮮な気持ちを持てるので、自分にピッタリな体だなぁといつも思っている。だから体つきのことであんまりコンプレックスを感じたこと

          睫毛にのこる目やにをいとおしいと思う恋がしたい

          大森靖子さんが好き

          大森さんを知ったのは、5年くらい前の深夜の音楽番組っぽいやつ。 南海キャンディーズの山ちゃんが司会をしていて、モーニング娘。の道重さゆみさんを好きな個性派アーティストみたいな感じで紹介されていたと思う。大森さんが道重さんの魅力を話していて、山ちゃんが「本当に道重さんのこと好きなの?」と言っていたのが印象的だった。私は、すごいすきじゃんと思った。 私は、音楽とか全然聞かないし、その番組も初めて見たのだけれど、何だか、これから私が夢中になれるアーティストがこの人なんだなと思って

          大森靖子さんが好き

          部屋

          首元に噛み付いた彼女がまだ離れない。 レポートをして、コーヒーを飲んで、友達の愚痴を聞いても離れない。 「おはようございます先生」 「やっぱりゆきちゃんはすごいなぁ」 「私、公務員めざそうかな」 言葉を吐き出す度に小さな痛みをかんじる 彼女の小さい歯が私の首筋にゆっくり沈んでいく 部屋の遮光カーテンからはぼんやりとした光だけが入り込む 私は光る壁になった窓から逃げられないことをしっている 「ありがとう、たすかったわ」 「やっぱり頼りになるなぁ」 「優秀や

          女の子にも男の子になれない女

          可愛い女の子を見ると、こんな子がリアルに存在しているんだなぁとよく思う。 それは見た目といういみではなくて、女の子っぽい動きをして、女の子っぽく笑って、女の子っぽい声を出しているといういみで、見本みたいな女の子って結構いるんだなと思う。 それに比べて、猫背で声が低くて、面白い人と思われたいと思ってる私は、女の子なんだろうかと疑わしい気持ちになってくる。同じ種類に見えるけど、学名では別の生き物みたいなオチかもしれない。そう思えるほどに、女の子のする仕草や行動はなんだか訓練で

          女の子にも男の子になれない女

          いつも不愛想な先生にあこがれて

          私の尊敬する先生はいつも不愛想だ。 美人で優秀な女性だけれど、無駄に愛想笑いなんてしないし、 必要以上に社交的にしようとしない。 けれど、先生は優しい人だし、自分をあまり不愛想だと思っていない感じがする。 私は、一見付き合いづらそうな先生にとても憧れている。 その理由は、ずっと先生が先生でいることだと思う。 先生は、人によって態度を大きく変えない人だ。 親しい人でも親しくない人でも、基本的に面白いと思わない時は笑わない。 少し仲良くなると、不愛想なまま話しかけてくれる

          いつも不愛想な先生にあこがれて

          布団に溶けた私はどこの誰なのだろう

          自分を見失うとか、みんなよく言っている。私はここ10年ほど、なにか自分にしっくりとした感覚がない。 本当の自分がわからないと嘆く人に、周りの人に明るく接するあなたも、家でしとしとと泣いているあなたも、あなた自身なんですよ。と言ってくれる人がいる。けれど、その言葉にいつも納得できないのは、「しっくりとした感覚の無さ」があるからだと思う。 私はこれでいいんだ。これが私だと力強く思い、それを心の底から肯定できる、そのしっくりとはまる感覚。なんだか昔は、自分自身にしっくりとした感

          布団に溶けた私はどこの誰なのだろう

          喉をかき分けて出てきた幹は、これが私よと、高貴な声で話し出す

          口から飛び出してきた苔だらけの幹は、ぐりぐりと喉や口内を傷つけながら私の外へ外へと延びていく。 私は、流暢に「本当の私はこれなの。ゆるして」と許しを請うその幹に、自分が本物では無かったことを知らされる。何年も前から胃の中でムズムズと成長を始めていたそれを私は見て見ぬふりして、もはやそんな芽があったことでさえ忘れてし待っていた今。ほんの一瞬、それは一時の動画、それはただ自分をさげすみ嘆き、酔いしれる女の動画だったのだけれど、それを目にした瞬間。その小さくや柔らかい芽が、成長し

          喉をかき分けて出てきた幹は、これが私よと、高貴な声で話し出す

          空気を読む子供

          私は、昔から絵を書くのが好きだった。 幼稚園と小学校の時は、親に見られる場面で絵を書くとき、 いつもいきものは笑顔にさせていた。 それは、小学校低学年か、幼稚園の頃母が「なっちゃんはみんなが笑っている絵をかくね」と喜んでいた姿を見てからだ。 私は、それまで自分の絵の登場人物が、笑顔であるという事を考えたことが無かったし、笑顔の絵を書くという事に少し誇らしさを感じている母を見て、これが正解なのかと思った。当時の私はきっと笑顔以外の顔の書き方を知らなかったほど、絵の技術はつ

          空気を読む子供

          ビードロの底

          私は弱い人間なんだと、今更ながら感じている。 現代社会で、ラインやSNSのつながる感覚が自分を縛るロープや鎖のように感じて、できるだけ接触したくないと思っている。 普通の人は大体、私のこと嫌うので私も嫌いだし、全員びんたしたくなる。 みんなが嫌いとか、頭悪い癖にとか、みんなと同じことしてとか、そんなくだらない評価軸で人を批判して、弱さを守ったつもりでいる。 弱さをさらすことが一番の強さなのに。 私はいつも強がりばかり。 傷つけられることを恐れてばかり。 「いい自分

          ビードロの底

          ラインの首吊りロープ

          もう、ラインしたくない。 もうラインしたくない。 もう、いいやつぶったり、きらわれないように気を使いながら文字を打つのなんて最低だ。 もう、会いたくないよ。 ラインに通知が来るたびに、首に太いロープが巻き付いてくる。 既読をつけてから、1分、2分と時間がたつにつれ、私のくびをじわりじわりと締め付ける。 私は、既読に絞殺される前に相手に最適な文章を考え、嘘をつき、送信ボタンを押す。少し、ロープが緩んだことが分かった。そして相手の既読がつけば私の喉は自由な動きを制限され、

          ラインの首吊りロープ