ラインの首吊りロープ

もう、ラインしたくない。
もうラインしたくない。

もう、いいやつぶったり、きらわれないように気を使いながら文字を打つのなんて最低だ。

もう、会いたくないよ。

ラインに通知が来るたびに、首に太いロープが巻き付いてくる。
既読をつけてから、1分、2分と時間がたつにつれ、私のくびをじわりじわりと締め付ける。

私は、既読に絞殺される前に相手に最適な文章を考え、嘘をつき、送信ボタンを押す。少し、ロープが緩んだことが分かった。そして相手の既読がつけば私の喉は自由な動きを制限され、徐々に息を細くさせる。

相手とのやりとりがひと段落つき、スタンプを送り合うことでロープはするすると私の肩の上でほどけ、私は摩擦で焼けた首をさすりながらなにもなかったみたいに言い聞かせる。

「○○さんのことが好き」

楽になりたい。
死にたくない。

言葉が出ない。何も、何も見たくない。

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