大森靖子さんが好き

大森さんを知ったのは、5年くらい前の深夜の音楽番組っぽいやつ。
南海キャンディーズの山ちゃんが司会をしていて、モーニング娘。の道重さゆみさんを好きな個性派アーティストみたいな感じで紹介されていたと思う。大森さんが道重さんの魅力を話していて、山ちゃんが「本当に道重さんのこと好きなの?」と言っていたのが印象的だった。私は、すごいすきじゃんと思った。

私は、音楽とか全然聞かないし、その番組も初めて見たのだけれど、何だか、これから私が夢中になれるアーティストがこの人なんだなと思って、保護シートがはがれかけたiPhone5で「大森靖子」と検索した。

大森さんは、人間の感情がそのまま歌ってるみたいな人だった。私が、「こんなこと思っちゃだめだわ」とか「こんな気持ちなってはだめだわ」と思って気づかないふりして追いやってた感情を、綺麗でしょと言って私達に見せてくれる人だった。壊れてしまいそうだけれど、私の何かを壊してくれる強くて弱い綺麗な人だった。

私は、とてもとても弱い人間で、自分がいいと思ったものをいつも時と共に手放してしまう。大森さんもそう。私は、ここ1年ぐらい大森さんを好きでいることを止めていた。それは、自分が好きと思ったものは、なんかとても好きでいることがダメみたいに思えてしまうから。

久しぶりに、大森さんの曲を聴いた。大森さんは美しくて、私もこんな綺麗なものを作れる人間になりたいなぁと心から思った。私は、本当に大森さんのキラキラが好きなんだなぁと思った。大森さんを好きと思った自分を否定するのは、もうやめようと思った。自分が壊れそうになったら、口から出る歌は大森さんの曲だった。口からこぼれる言葉にできない感情を大森さんは歌にしてくれた。

心の真ん中になかったことにしておいた自分に水を与えてくれる。

私って、本当に変わらないといけないのかな。
人付き合いは気を使いすぎてパンクするし、体力はないし、感情の起伏は激しいし、逃げてばかりだし、勉強もできないけれど、
細かいから小さい変化も気が付くし、臆病だから色々な危機管理もできるし、どこ行っても何かしら頑張るよ。

油で揚げないお野菜ポテトみたいに、ダイエット中の女の子の味方みたいなふりして、女の子を内側から食っていくみたいなそんな奴らと手を繋いで。どうにかこうにか生きている。
皆だってそうやって生きている。青々とした草原に見える場所で、ニコニコのウサギさんに笑えって脅されているんでしょ。

みんな、それが社会なんでしょ。そのうち私も、ニコニコのウサギさんになってしまうのでしょ。そうじゃない世界もあるのかもしれない。けれど、何もかも想像で怖くなって逃げている。あぁ、ゴミなんだなぁと思う。
私はゴミだと思います。私を受け入れてくれるゴミ箱を探しています。どうか、優しく捨ててください。

大森さん好きです。

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