おいちゃん

1991年生まれ。夫むすこむすめの4人暮らし。大学卒業を機に東京渋谷から八ヶ岳山麓へ。…

おいちゃん

1991年生まれ。夫むすこむすめの4人暮らし。大学卒業を機に東京渋谷から八ヶ岳山麓へ。2019年に夫が自己免疫性疾患になり、人生試行錯誤中です。

マガジン

  • 夫が突然難病患者になった

    2018年に夫が自己免疫性肝炎という病気になりました。自分の記録として、夫の病気がわかってからの生活の変化や、そのときどきで感じたことなどを書いていきます。

最近の記事

限界アラサー主婦がSEVENTEENのライビュを観るとこうなる

SEVENTEEN(KPOPアイドル)が好きなんです。 といっても夫と子どもがいない時間にYouTube見るくらいで。無銭ファンというやつだったんですが、先週、彼らのSNSでコンサートのライブビューイングがあることを知って。うっかり検索してしまったら、なんと、地元の小さい映画館で上映が予定されているじゃないですか。 スカラ座で?! え?! スカラ座でSEVENTEENが観れるの?!!! いやいやでも、アイドルに6000円(システム手数料込み)払うなんて今の私にはふさわし

    • ある男

      ある男がいた。 がむしゃらに働き、財を成した。 誰からも尊敬される、いい男だった。 ある男がいた。 守ってきたはずの家族に裏切られた。 今でも長男は許さない。 男は唱えている。 南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経 ああなったらおしまいだ、と白い目を向けられながら。 ああまでなって、生きたくない、と。 耳のある者は聞きなさい、と言った人がいた。 彼には耳があるだろうか。 男は呻いている。 何もかも、わからないのだと。 わたしの目には、あなたは高価で尊い。わ

      • 心が震える瞬間を

        介護の仕事をしている。 私が介護の仕事をすることになったのは、祖母がきっかけだった。東京で大学生をしていた私が信州に移住したくなり、別にやりたいことがあったのだけど一旦諦めることになり、祖母が入居していた介護施設(の系列のグループホーム)で働かせてもらうことになったのだった。 最初に働いたのは小規模のグループホームで、お年寄りといっしょに料理をしたり畑をしたり、それはそれは楽しかった。 「もう年だし何もできない」みたいなことを言っていたおばあちゃんが、慣れない手つきの私を

        • 始皇帝の死後、秦が滅亡するまでがあっけなさすぎて勇気をもらった(もらい続けている)話

          1年半ぐらい前から、コテンラジオというポッドキャスト番組にハマっている。いろんな歴史の話をわかりやすく話してくれて「おもしろいな〜」と聴いているのだけど、最初に衝撃を受けたのが「秦の始皇帝」の回だ。 秦の始皇帝といえば。といっても私は名前を知っているだけだったんだけど、500年以上も血で血を洗う戦争が繰り広げられていた中国を統一し、すでに1000年以上の歴史があった中国史上初めて、「皇帝」を名乗った人物である。バラバラの国だったところに高速道路をつくり、運河をつくり、貨幣や

        限界アラサー主婦がSEVENTEENのライビュを観るとこうなる

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        • 夫が突然難病患者になった
          6本

        記事

          ラブレターと多様性

          ※2021年夏に書いた文章です。 二十歳の夏、友だちと行った免許合宿で人生初のラブレターをもらった。 私たちよりも少し前に合宿に来ていた20代半ばの男性、山田さん(仮名)から。 山田さんが講習を終了して合宿を去った翌日、講習の受付にいったら教習所の人に「山田さんからお手紙を預かっています」と渡されたのだ。 「好きになってしまいました。よかったら連絡ください」というそれはそれは真っ当なラブレターだった。 山田さんは優しいお兄さんという感じでかっこよかったしSNS教えて

          ラブレターと多様性

          こんまりに従ったら人生がときめいた

          最近読んだ本に唐突に「こんまり」が出てきたので思い出したついでに書いてみる。 意外に思われるかもしれないが、20歳頃までとんでもねえ汚部屋に住んでいた(全力で意外であってほしい)。 どのレベルの汚さかと言うと、一人暮らしをしていた姉が帰省する度に 「足の踏み場もない部屋って実在するんだね」 「何か培養しているの?!(あちこちに散乱したふわふわしたものが浮いたペットボトルを指差しながら)」 と言うレベル(頼むから意外であってくれ)。 そして姉曰く、「あるときから突然部屋が

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          竹取の翁に会った話 2017年5月29日@茅野市

          あれはちょうど4年前の今頃のことでした。 私は0歳の息子を抱え、夫と3人で長野県茅野市内のとある滝を見に行ったのです。 藤の花が見頃を迎え、美しい日でした。 リフレッシュしたところで駐車場に向かおうとしたそのとき、道の途中にその「翁」はいました。 真っ直ぐにこちらを見てほほえむ翁の頭には、地区の名前が書かれたヘルメット。車椅子を歩行器のように押しながら、腰にはナタを下げていました。 翁はまず夫を見て「ほお〜随分と男前がきたな。ここいらの人じゃねえずら」と言いました。

          竹取の翁に会った話 2017年5月29日@茅野市

          すっかりママですよ。(ママじゃない私を守る戦いに負けて勝った話)

          最近立て続けに、ひさびさに会った人から「顔が変わった!!」「前と雰囲気がぜんぜん違う」「お母さんの顔になってる」と言われることがあった。 第一子が生まれてから、いろんな人(ママになる前の私を知っている人)に「すっかりママだね〜」と言われるようになって、その度にちょっとした違和感というか抵抗感を感じていた。 そんなことない、すっかりママじゃない、ママ要素がプラスされただけで今までの私と同じだよ。 とはいえ「私」は妊娠、出産によりそもそも身体がダイナミックに変化しており、頭

          すっかりママですよ。(ママじゃない私を守る戦いに負けて勝った話)

          2歳と歩く

          昨年、子どもたちが保育園に入る前、 0歳2歳とよく散歩した。 0歳をおんぶor抱っこして、2歳と歩く。 田舎の田んぼ道。山を背景にただ歩く。 だーっと走ったかと思うとピタッと止まる。 くねくね蛇行してくるりと逆走する。 2歳の「歩く」は非常にトリッキーで 保護者としてはイライラしたりハラハラしたりとても疲れるのだけど、 家にこもっているよりはマシでどこかに行くよりも気楽という理由で 1日のアクティビティの一つとして散歩を採用していた。 目的地はスーパーだったりコンビニ

          2歳と歩く

          夫が突然難病患者になった⑥そして今

          あまりにライトなノリで仕事あるよと言われて戸惑いつつ、話を聞きに行くと 「ちょうど求人してたんだよ〜! 正社員? オッケー! おいちゃんも旦那もウェルカム!」というあまりにライトなノリで歓迎された。笑 我が家とすれば、引っ越さなくて済む(八ヶ岳も今の家も気に入ってるんです)、保育園転園させずに済む、転職活動しなくて済む、二人とも正社員、というありがたすぎるお話で、とりあえずは断る理由がなく(いや、そりゃいろいろ考えはしたけれど)二人とも転職して同じ会社で働くことに。 わら

          夫が突然難病患者になった⑥そして今

          夫が突然難病患者になった⑤悪化~転職

          夫が職場復帰して数カ月が経った頃、新型コロナウイルスが世界中に猛威を奮った。観光業の夫の職場も直に影響を受け、しばらく休業を余儀なくされた。 営業再開後はフルタイムに戻り、少人数体制となった職場であれやこれやと働き始めた。 自己免疫性肝炎の病状は安定していて、順調に薬も減らせていた。 減薬直後はすごくしんどそうだけど、身体が慣れれば普通に生活できる。 もともと自覚症状が倦怠感くらいなので、薬を飲んでいる以外は健常者と変わらない。 私は夫が病気であることも忘れがちになっていた

          夫が突然難病患者になった⑤悪化~転職

          夫が突然難病患者になった④自宅療養~仕事復帰

          結局入院は3週間だった。 余談だけど「高額医療費の限度額適用認定証」と加入していた共済のおかげで 入院していた方が働くよりもお金が入るということが判明した。苦笑 退院から1カ月は自宅療養とのことで、 ワンオペから解放! とはいえ無理はさせられないので、のんびり過ごしてもらう。 基本的に家で過ごしつつ、ひさびさに家族でお出かけもできて良い時間になった。 2歳のパパ嫌いも少しマシになった。 病気になるのも悪いことばかりじゃないね。 そう言いあいながら いつかまた、夫が

          夫が突然難病患者になった④自宅療養~仕事復帰

          夫が突然難病患者になった③入院中のこと〜退院

          そんなわけで突如入院した夫。 翌日?翌々日?には肝生検を行う。結果が出るまで時間がかかるとのことだったのだけど、まあ自己免疫性肝炎でしょうということで服薬治療を始める。 基本はいわゆるステロイド(プレドニン)。免疫抑制剤ということで、感染しないように人混みを避けたりマスクを着用したり。コロナ以前から感染対策中の夫。 もともと山が好きで横浜から八ヶ岳に引っ越してきて、家では筋トレやら朝ランやらしていた夫なので 病室から出ちゃいけません、はかなりきつそうだった。 同室の患者

          夫が突然難病患者になった③入院中のこと〜退院

          夫が突然難病患者になった②入院

          夫が急に入院した。 病室から出ちゃいけないらしい。 切迫早産かよ。 入院に必要なものと夫のお昼ご飯(即入院なので病院でごはん出ないし病室から出れないので売店にも行っちゃいけない)を持って、 0歳2歳と病院に駆けつける。 「やっぱり肝臓が悪くて。C型肝炎でもB型肝炎でもないし、アルコールでもサプリメントでもないしってことで、自己免疫性肝炎の可能性があるらしい」 自己免疫性肝炎(指定難病95) 自己免疫性肝炎(じこめんえきせいかんえん)は、多くの場合には慢性に経過する

          夫が突然難病患者になった②入院

          夫が突然難病患者になった①発覚

          去年の10月、私は号泣しながら車を運転していた。 心の支えにしていたマッサージの予約の時間に夫が帰ってこなかったから。 そんなことで?と思うかもしれないけど、私にとっては「そんなこと」じゃなかった。 0歳2歳と毎日ずっと一緒の日々で精神的にも身体的にも限界だった。 *** 7月に夫が観光業に転職し、家にいない日が多くなった。 夏の繁忙期が過ぎても夫は常に疲れており、あんなに楽しそうだった子どもの世話も、ため息交じりにするようになった。 「今日もお客さんいっぱいなの?

          夫が突然難病患者になった①発覚