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始皇帝の死後、秦が滅亡するまでがあっけなさすぎて勇気をもらった(もらい続けている)話

1年半ぐらい前から、コテンラジオというポッドキャスト番組にハマっている。いろんな歴史の話をわかりやすく話してくれて「おもしろいな〜」と聴いているのだけど、最初に衝撃を受けたのが「秦の始皇帝」の回だ。

秦の始皇帝といえば。といっても私は名前を知っているだけだったんだけど、500年以上も血で血を洗う戦争が繰り広げられていた中国を統一し、すでに1000年以上の歴史があった中国史上初めて、「皇帝」を名乗った人物である。バラバラの国だったところに高速道路をつくり、運河をつくり、貨幣や文字を統一し、「皇帝」という概念を作り出して浸透させた。

彼がどんな人物だったのか、中華統一までの経緯などはどうでもいい(どうでもよくない。コテンラジオやらキングダムやらでどうぞ)。
私が一番衝撃だったのが、この始皇帝。人柄や思想は置いといて、とにかくとんでもねえ頭の良さ、とんでもねえカリスマ、とんでもねえリーダーシップの持ち主がつくりあげた、その時点でこれ以上ないくらい完成されたシステムで回していた(回そうとしていた)国家が、あっけなく滅亡してしまうということである。統一後15年、始皇帝の死後3年。

そんなことが、コテンラジオを聴いていると、めっちゃある。めちゃくちゃ優秀な人がめちゃめちゃ頑張ってやってきたことが、あっけなくダメになる。

というか、みんな死ぬ。当たり前だけど、最後はみんな死ぬ。どんなに栄華を極めた国も滅びるし、どんなに栄華を極めた人も死ぬ。栄枯盛衰で諸行無常なのである。

このあっけなさ、どうしようもなさに、逆に励まされている。

世界は変えられるかもしれないが、自分の思い通りには変わらないし、というか自分が何をしてもしなくても変わっていく。
世の中のためにやっていることが、後世も含めて本当に世のためになっているのかは、まるっきりわからない。

なのだから、自分ができることを、自分がしたいように、するしかないんだと。

「人は幸せになるために生まれてきたんだよ」という論調もあるけれど、歴史を見ていると、幸せである必要もないなと思う。なんというか、うまく言えないけれど。幸せじゃなくたっていいと思った。(個人的には幸せでいたいと思ってますよ!)

自分の人生や世の中について、何が正解なのか、どうしたら良いのか、あれこれ考えることはあるけれど、「まあ、始皇帝レベルの人がうまくいかないんだしな」と背中を押してもらえるというか。今の自分ができることをしていくしかないんだな、というかね。

あなたのやりたいようにすればいいのよ、ありのままで生きていいのよ、と伝えてくれる人はたくさんいるだろうが、どんなカウンセラー、コーチ、教師、聖職者、etc.に言われるよりも説得力がある。歴史上の人物がもがき苦しみ、何かを成し遂げ、死に、彼らの思い通りにはいっていないが確実に現代に続く何かを残している姿が。

歴史上の偉人を学び、「よ〜し俺もやってやんぞ!」という心持ちになるというよりは、あらゆる事情でうまくいかないが、それでも誰かの意志を反映させながら変わり続ける世の中を知るというか。あらゆることが積み重なって、今の社会なんだよなあ(みつを)。という、諦めでもあり、希望でもある感情を抱かせてくれる番組です。

もちろん、教養も身につく(私は聴いた側から忘れているので身についていない)。おすすめ。

▼コテンラジオ
https://coten.co.jp/services/cotenradio/

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