夫が突然難病患者になった①発覚
去年の10月、私は号泣しながら車を運転していた。
心の支えにしていたマッサージの予約の時間に夫が帰ってこなかったから。
そんなことで?と思うかもしれないけど、私にとっては「そんなこと」じゃなかった。
0歳2歳と毎日ずっと一緒の日々で精神的にも身体的にも限界だった。
***
7月に夫が観光業に転職し、家にいない日が多くなった。
夏の繁忙期が過ぎても夫は常に疲れており、あんなに楽しそうだった子どもの世話も、ため息交じりにするようになった。
「今日もお客さんいっぱいなの?」
「いや、平日はそこまでだよ」
・・・じゃあなんでそんなにぐったりしてるんだ。私かて疲れてるわ。たまの休みくらい主婦にも休みをくれ。
そう言って、マッサージの予約を取った。
***
予約の数日前、夫が
「なんか肌が黄色い気がする」と言った。
前から健康診断で肝臓がちょっと悪めとの結果が出ていたので肝臓が悪いのかも、とのこと。
「病院には行きたくない、検査めんどくさい」という夫に、
心配だから検査だけでも行ってきたら、と言ったのは私の方だった。
次の休み、私は午後からマッサージだから朝一で行ってきてね。軽い気持ちでそう言った。
大したことではないだろうと思っていた。
***
休みの日、朝一で地域のクリニックに行った夫。
が、お昼になっても帰ってこない。
「検査の結果待ち中」
「これからドクターの診断だって」
「エコー取るって」
「CT取るって」
「今度大きい病院で精密検査になった」
あれ? もしかして結構悪いのかな?
そう思いながらも、頭の中はマッサージにいけなかった悔しさでいっぱいだった。(後に予約が入っていて時間変更ができなかった)
結局14時頃に帰ってきた夫に子どもを託し、号泣しながらしばらく車を運転した。
***
次の週、大きな病院で検査した夫から
「入院。1カ月くらいだって。」との連絡が入る。
病室から出てはいけない、歩いて良いのはトイレまで。
とのことでややパニックになりながら着替えやらなにやらを詰め、0歳2歳をかかえて病院に駆けつける。
「なんか自己免疫性肝炎?っていう難病かもしれないって」
な、難病・・・?
つづく。
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