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竹取の翁に会った話 2017年5月29日@茅野市

あれはちょうど4年前の今頃のことでした。
私は0歳の息子を抱え、夫と3人で長野県茅野市内のとある滝を見に行ったのです。

藤の花が見頃を迎え、美しい日でした。

リフレッシュしたところで駐車場に向かおうとしたそのとき、道の途中にその「翁」はいました。

真っ直ぐにこちらを見てほほえむ翁の頭には、地区の名前が書かれたヘルメット。車椅子を歩行器のように押しながら、腰にはナタを下げていました。

翁はまず夫を見て「ほお〜随分と男前がきたな。ここいらの人じゃねえずら」と言いました。
そして私を見て「これまた色白できれいな奥さんで。秋田の人?」と言いました。

他にもいろいろ話し始めるので(20分は話していたかと思います)「早く帰りたいな」と思っていると

「これやるわ」と車椅子に下げていたビニール袋を外してくれました。中にはたっぷりの竹の子(淡竹)が入っていました。

そしてふら〜っとどこかに去っていきました。

淡竹は味噌汁にしておいしくいただきました。

毎年この時期になると思い出す、やたらと褒め上手な竹取の翁に会った話。

(完)

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