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すっかりママですよ。(ママじゃない私を守る戦いに負けて勝った話)

最近立て続けに、ひさびさに会った人から「顔が変わった!!」「前と雰囲気がぜんぜん違う」「お母さんの顔になってる」と言われることがあった。

第一子が生まれてから、いろんな人(ママになる前の私を知っている人)に「すっかりママだね〜」と言われるようになって、その度にちょっとした違和感というか抵抗感を感じていた。

そんなことない、すっかりママじゃない、ママ要素がプラスされただけで今までの私と同じだよ。

とはいえ「私」は妊娠、出産によりそもそも身体がダイナミックに変化しており、頭の中も子どもに占領され、読む本は育児本ばかりだし、1日のほとんどを子育てに費やし、「すっかりママ」と言われても仕方ない状態ではあったのだけど、

それでも「子どもが産まれても私は私!」というプライドを捨てたくなかったし、それはつまり「ママじゃない私」を守る小さな戦いでもあった。

一方で、子どもが産まれてすぐに保育園に預けるのはちょっとなぁ、とか、そこまでして働きたくないし、とか、今一番大事なのは育児じゃないの?という心の声もあったりして、なんとも宙ぶらりんな心持ちで生活していた。のが去年の夏くらいまで(第一子2歳、第二子8ヶ月くらい)の私だ。

それが今では、自分のことを「すっかりママ」だと思ってる。

きっかけとなったのは、ワンオペ育児と夫の発病。

その頃は地域のママたちでつくるメディアの編集に関わっていて、仕事として月に1〜2本の記事を書いていた。

「ママ」カテゴリーに分類されることへの抵抗感を持ちつつ、ママだって育児ばかりじゃないのよという気持ちで誇りを持って書いていたけれど、一日中子ども2人と過ごして寝かしつけながら寝落ちしてしまい午前2時くらいにはっと目が覚め罪悪感に苛まれながら涙目で原稿を仕上げる日々に、夏くらいで限界がきた。

これはもう育児一本でやるか子をしっかり預けてもっと働くかじゃないと無理だ。と思ったが年度途中で保育園に入所するために必要なあれこれを用意する気力もなく、上の子は週2で自然保育の園に行っていて楽しそうだったこともあり、残念だけど仕事の方を諦めよう…メンバーにも辞めたいと伝えたところで夫が入院、お金の心配もあり仕事は続けさせてもらうことに。

その辺りで「ママじゃない私」とか「私は私」とかもうどーーーーでもよくなり、仕事も家事も育児も何もかも、今この生活を支える、この2人の子どもと夫と私の生活をなんとか円満に維持していく、そのためにやることだというマインドが完成し、現在に至る。

現在子ども2人は保育園に通っている。8:30〜18:30まで10時間。その間私は働いているわけで、去年に比べたらママ業に割く時間は圧倒的に少ないわけだけど、気持ち的には「すっかりママ」だ。

「ママである時間」と「ママじゃない時間」の区別はあるけれど、「ママである私」と「ママじゃない私」の区別はなくなった。基本ママ。それはそれはママ。

たぶん私は、「すっかりママ」という状態のことを誤解してたんだ。母親になったことで、自分であることを諦めた人。そんな風に思ってた、のかもしれない。ママメディアの編集を通して、いろんなママの生き方に触れたのも大きい。

もうすぐママ歴4年にして、やっとママという言葉が自分に馴染んできた。母親であるということが自分のアイデンティティの核になっている。

子どもとずっと一緒はごめんだぜという気持ちと「すっかりママ」である状態は矛盾しない。子どもと離れる時間は必要だけど、どんなときでもママである。

「ママじゃない私」を守る戦いに負けた結果、以前よりもずっとすっきりした気持ちで日々を過ごしている。

何を言ってるかわからんなと思われるかもしれないけど、自分の中で「ママ」が定着したときから、私は「すっかりママ」になり、それゆえに顔が変わったのだと思われる。

ただ老けただけ説もある。

おわり。

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