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【目印を見つけるノート】338. 柚木沙弥郎さんがたのしむ「日常」

朝から、素敵なアーティストを発見しました。今年白寿(99歳)の型染め作家、柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)さんです。
NHK教育テレビの『日曜美術館 アーティストのアトリエより』を何気なく見ていて、目が留まってしまいました。
作品はここにまんま出せませんので、公式サイトを置いておきます。
https://www.samiro.net/index1.html

松本市の公式サイトも

展覧会などは過去のものとのことです。興味をお持ちのかたはどうぞ公式サイトをご確認ください。

もともと柚木さんは東京のご出身とのことですが、おうちが空襲で焼かれて岡山に移られたそうです。大原美術館に勤められていたときに、芹沢銈介さん(のちに人間国宝になられました)の作られた染めもののカレンダー(版画と思われます)に魅せられて師事することにします。
そして、「文字でもない、絵でもない、模様の世界」に飛び込まれたのでした。

沖縄の伝統紋様をアレンジした初めての作品が柳宗悦(やなぎむねよし)さんに評価されて、柳さんが開設した『日本民藝館』に収蔵されることになりました。

染布、型染絵に限らず絵本やガラス絵なども手がけられています。

近年の、木の枝振りを描いた大きな作品。円をどんと配した幾何学的な作品。ほんの一部を拝見しましたが、シンプルで大胆で、特に日本家屋になるかと思いますが、部屋に掲げて自然に馴染む美しさ。

人懐っこいと私は思いました。
人懐っこいということばはあまり使わないのかもしれませんね。
ほっとすると言ったらいいのでしょうか。

これは柚木さんが「日常」を題材にされていることが大きいのかもしれません。信号機、台所用品、バスを待つ人、木……すべて、私も普通に見つけられるものです。それを、型染めの大きな作品に生まれ変わらせてしまう。

「日常あるものがそんな風に見えたら、楽しいじゃない」
と柚木さんはおっしゃっていました。楽しければ日常のあらゆるものが目に入ってくる。
不機嫌だったり悩みがあると、そうならない。

「空が晴れて、パアッとしていたら、楽しいじゃない」
というようにもおっしゃっていました。

(テレビを見た記憶だけで書いていますので、正確ではないかもしれません→できるだけ修正しました)

柚木さんはこのおしごとを70年以上続けていらっしゃいます。歳月を重ねるうちに変遷も円熟もあったでしょう。それでもシンプルに日常、「そこにあるものを楽しんで」創ることに向かう。
そのようなお姿も作品も堂々として美しいと思いました。

木は美しいです。
年輪も傷も苔も洞もすべてひっくるめて美しい。
柚木さんが木をテーマにされるのは、そのような造形として、いきものとしての木への思いがあるのですね。

⚫今日の1曲

きょうはこの曲を。
ENYA『Memory Of The Trees』から、『Anywhere Is』を。

このアルバムは、いっとき何度も繰り返し聴いていました。
「どこにいても時間との追いかけっこをしている」というニュアンスの歌詞ですが、深いですね。

どこにいても、
あなたはあなたで、
わたしはわたしです。
日々の日常を
まっすぐな目で見つめて
そのしあわせを
感じられますように。

それではまた、ごひいきに。

尾方佐羽

追伸 Beatitudesのツイッターを何度も拝見しています。どうかお気をつけて。
追伸2 気づきました。うれしいよう。ありがとう✴
(電報みたい😅)


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