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【目印を見つけるノート】164. 石の来たところ、思い出した『SUN CITY』

きのうから今日にかけて、いろいろな意味で興奮することがありました。

🎵
ひとつはきのう放映の『関ジャム』(TV)であいみょんさんが影響を受けた曲として、『満月の夕』(ソウルフラワーユニオン)をあげていらっしゃったこと。
お父様が歌っていたというエピソードがとても素敵、毎年1月17日には歌っていると知って何か嬉しくなりました。

続いて2件、文芸春秋さんがらみです。

📖
まず角幡唯介さんの『極夜行』刊行インタビュー。
https://bunshun.jp/articles/-/6446

先日の私のnoteで、『バグダッド・カフェから地の果てのイメージ』というのを載せて、そこに角幡さんの『アグルーカの行方』についてもちょっとだけ書きました。それを読んで、地の果てにいる夢を見たのです。
今回のインタビューを読んで、角幡さんのおっしゃっている現実の最果てのイメージで、夢の中の地の果てを強烈に思い出したのでかなり興奮しました。

『極夜行』、手に入れようと思います。

角幡さんのご本が大好きなのですけれど、一度トークイベントで質問してしくじってしまったことがありましたので、いまだに思い出して赤面しています。
恥ずかしい……。

📖
そして、もう1件、けさの文藝春秋さんのnote
老いて読む、『君たちはどう生きるか』|塩野七生「日本人へ」|文藝春秋digital
https://bungeishunju.com/n/n910b6b5edca3

これも読めるのが可能なところしか読んでいませんが、興奮しました。特に、「構成が大切」だというくだりには大きくうなずきました。「設定」ではなくて「構成」です。

何度も書いていますけれど、塩野さんは私の好きな作家の御三家です。塩野さんがこれまで書かれている膨大な著作をたどっている途中ですが、その凄さに常に刺激され続けています。

こういう、なんと言ったらいいのでしょうか。自分をガラガラと動かすような「知」の強烈な刺激が大好きです。

そろそろ動きますか。

あとひとつ、興奮したことがありますが、それは次の項目で。

⚫石はどうやってここまで来たか

お籠りクラフト、最近は布もの材料に注力しているので天然石はストックケースでゆるりとしています。ただ、好きなのは変わりません。ネットでもよくチェックしています。買いませんが。

今は天然石のアクセサリーが増えている気がします。昔のように数珠のような使い方ではなくて、とびきりの一粒をワイヤーや金物でフレーミングする形がとても多いですね。

石によっていろいろな意味付けがあって。

さて、その石たちがどのように私たちの手元に届くのかということに、私はとても興味があります。ですので、石を買うときはどこ産なのかしつこく聞きます。

それで値段が異なるとか、質が変わるということもありますが、それは興味の枠外です😁

⚫どうやって採るか

石の多くは山で採掘されます。それは宝石も石灰も同じです。
奥多摩で大きな石灰の採掘工場があるのを通りがかりに見たことがあります。その後、日原鍾乳洞でヤンチャをして、同行者に目が飛び出るほど怒られました。ごめん(自然保護は遵守しています)。

どのように採掘されるのでしょう。
素手ではできません。
シャベル、スコップ、つるはし、くさび……どれも人が一人ずつで作業するときに使いますね。

佐渡金山に行ったとき、作業する江戸時代の男性の等身大のフィギュアが何体もあって、「馴染みの女に会いてえなあ」とつぶやいているのが強烈に印象に残りました。

現代は機械が活躍します。ここはウィキペディアの「掘削」の項目を引きましょう。

油圧ショベル(パワーショベル、バックホウ)、スクレイパー、クラムシェル、ドラグライン、ブルドーザ、リッパ、ハンマードリルなどがある。
その他、小型機械であるブレーカー、高圧噴射水を利用するウォータージェット、火薬を用いる発破(はっぱ)、化学反応を利用する静的破砕剤なども掘削道具として用いられる。

そう、山を削って石が採られるのです。
人手で小規模ならばその影響はまだ小さいですが、現代は山ひとつなくなる規模で早く採掘することが容易になりました。

⚫どこで採るか

上記は採掘の仕方ですが、どの国で採られるかということに広げてみましょう。ごくごく一例です。

・ボツワナのアゲート
・ミャンマーの翡翠
・アフガニスタンのルビー
・エジプトのターコイズ
・アルゼンチンのインカローズ
・マダガスカル産のサファイア
・コロンビアのエメラルド
・スリランカのトパーズ
・インドのガーネット
・タンザニアのタンザナイト

モザンビークはガーネット、トルマリン、サファイヤ、アクアマリンなど良質なものが産出されますね。

この産出国を見て、これらの石の購入者が多い国とイコールではないことにすぐ気がつくことができます。そして、ときには政変や政情不安に見舞われている国もあることに。

アフガニスタンでルビーはどのような人が採掘しているのでしょう。誰が仲買をして外国に売られるのでしょう。

そのような想像はいくらでもできます。
採る人に相応の賃金が支払われているのかということも。

ウイグルのアマゾナイトは他にはない透明さを持っていますが、それは誰の手を通っているのでしょう。
もっと想像した方がいいです。

ですので、私は産地をしつこく聞くのです。

ああ、もっとも高級な宝石を出していませんでした。ダイヤモンドです。

昔、新宿の宝飾店ですすめられて等級の高い3カラットのダイヤモンドの指輪を付けさせていただいたことがありました。カットも見事でうっとりするほど美しくて、魔性の女みたいでしたね。いや、いい経験でした。

ダイヤモンドは世界の20カ国以上で採れると言われていますが、ボツワナのものが良質だといわれているようです。ボツワナ、地図でどこか指せますか。

ダイヤモンドは高価で取引されるので、採掘と流通に利害が大きく絡みます。特に、政情が不安定な場合は売買の権利が国情と直結します。簡単に言うと、暴力的な勢力が資金源として使うこともあるということです。その他にも例はあげられますけれど。

ダイヤモンドに関しては国際貿易上、「コンフリクト(紛争)ダイヤモンド」という言葉もあります。他の石にもあてはまることではあるのですが。

もう少し知りたいという方はこちらを。
https://www.engage-trend.jp/engage/manual/diamond/178/

鉱物学的な組成にも興味がありますが、どこから来た石かということにも大いに想像を働かせています。


⚫思い出した1曲

ボツワナは南アフリカの北にあります。
そこで思い出したのが、前の世紀の後半まであった、南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)。現在はそうではなくなっていますが、それに抗議するArtist United Against Apartheidの『SUN CITY』(1985)を思い出したのです。ブルース・スプリングスティーンのバンドで活躍していたスティーヴ・ヴァン・ザントが呼び掛け人です。

そのような政策を取っている国(具体的にはサン・シティというところ)では演奏しないよ、という曲です。

久しぶりにMVを見てみましたが、すごいですね。久々に鳥肌が立ちました。何がというと、出ている人々です。

ここもウィキペディア『SUN CITY』から引用します。

アフリカ・バンバータ
レイ・バレット
スティヴ・ベーターズ
パット・ベネター
ビッグ・ユース
ルーベン・ブラデス
カーティス・ブロウ
ボノ
デューク・ブーティ
ジャクソン・ブラウン
ロン・カーター
クラレンス・クレモンズ
ジミー・クリフ
ジョージ・クリントン
マイルス・デイヴィス
ウィル・ダウニング
ボブ・ディラン
ファット・ボーイズ
ピーター・ガブリエル
ピーター・ギャレット
ボブ・ゲルドフ
ダリル・ホール
ハービー・ハンコック
ノナ・ヘンドリックス
リントン・クウェシ・ジョンソン
スタンリー・ジョーダン
カシーフ
エディ・ケンドリック
リトル・スティーヴン(スティーヴ・ヴァン・ザント)
ダーレン・ラヴ
マロポエッツ
グランドマスター・メリー・メル
マイケル・モンロー
ジョン・オーツ
Sonny Okosun
ボニー・レイット
ジョーイ・ラモーン
ルー・リード
デヴィッド・ラフィン
Run-D.M.C.
スコーピオ
ギル・スコット・ヘロン
シャンカール
ブルース・スプリングスティーン
ザック・スターキー
リンゴ・スター
ティナ・B
ピート・タウンゼント
ヴィア・アフリカ
トニー・ウィリアムス
ピーター・ウルフ
ボビー・ウーマック

すごいですね。ジャンルを問わずよく集めたものです。ルー・リードがジョン・オーツと肩を組んでいるのも、マイルス・ディヴィスが吹いているのも、ボブ・ディランがジャクソン・ブラウンと散歩しているのにも驚きですが、ひょいとドアを開けてジョーイ・ラモーンが出てきて度肝を抜かれました😆

そして何よりも、みんなのつくるグルーヴ。
ぜひ、誰が出ているか探してみてください。

音楽ってすごいなあ。
本当にすごいなあ。

長くなりましたので他のコーナーはおやすみします。

それではまた、ごひいきに。

おがたさわ
(尾方佐羽)

追伸 今ちょっとだけ、考え中です😳

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