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障害福祉事業のリスク管理・防災・BCP

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障害福祉サービス事業・介護事業におけるBCPの策定と運用について、色々なトピックで解説します。
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#BCP

BCPの見直しは必要か?

BCPの見直しは必要か?

結論:BCPは見直しが必要BCPを策定して計画書として完成させれば、後は、BCPに沿って研修や訓練、非常用資器材の備えを行うことで当面の対処・対応は何とかなります
しかし、日ごとに事業を取り巻く状況や環境の変化がBCPを劣化させます
その理由は、次のような状況の変化にあります

事業に影響を及ぼす新たな脅威が現れる

取引先・協力先・競合業者などが変化する

世の中の需要・物価・法改正などの外部環

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BCPを一人で作れるのか

BCPを一人で作れるのか

BCPの策定で悩まれている方は多くおられることでしょう

ひな形を基に作り上げることができるのか…
策定だけならまだしも、運用とか研修とか言われても…
そもそも、事業主や担当者だけで何とかなるのだろうか…

…などなどの悩みがあろうかと思います
その先には、"自分だけでBCPを作り上げられるのか?" でしょう

今回は、BCPの策定や運用を "一人だけでできるのか" についてお話します

■ 一人

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失うと即アウトとなる事業資産

失うと即アウトとなる事業資産

BCPの策定や運用で常に考えて、備えて・構えておかなければならないものがあります

事業に影響を与える脅威リスク

脅威リスクが招く事業への被害・損害の範囲と程度の予測

事業に必須な重要業務と事業資産

BCPの策定や見直しの際に、これらを見誤る・不十分であると非常時に大変な目に遭うこととなります
特に、事業継続に必要な資産を失ってしまうと、事業の存続を脅かすこととなります
そんな事業継続に必要

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防災とBCPの3つの "やらかし事"

防災とBCPの3つの "やらかし事"

今年は、関東大震災から100年経過の年です
例年、この日の前後の期間、国や地方、自治会や会社などで防災訓練や研修などのイベントが行われてきました
今年は更に多くの場所・チャンネルで広報・啓発・情報提供が盛んに行われています

いつ起こる変わらない災害に対して備えておく・構えておくことは、今や当たり前のこととなっています
そして、事業における災害への備え・構えは、防災計画やBCPという形で事前に明確

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"心のよりどころ" という備え

"心のよりどころ" という備え

BCPだけでなく、防災計画や避難計画、各種マニュアルを策定するときに考えることがあります

発生する可能性のある脅威

その脅威が発生した時に受ける被害

その被害の発生で自分ら・事業がどうなるのか

一般的には、自然災害と感染症パンデミックが脅威となる事態でしょう
でも、自分たち・自分らの事業に脅威となる事態は、それだけでしょうか

予想もしなかった脅威となる非常事態が発生したら、自分ら・事業は

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ChatGPT にスタッフ研修を考えさせてみたら

ChatGPT にスタッフ研修を考えさせてみたら

介護事業・障害福祉サービス事業などは、運営基準に基づき、各種の研修などの実施が求められています

スタッフ(職員・従業員)の資質の向上のための研修

業務継続計画の研修

非常災害時の関係機関への通報及び連絡体制に関する周知

感染症及び食中毒の予防とまん延の防止のための研修

事故発生の防止のための研修

身体的拘束等の適正化のための研修

虐待の防止のための研修

これらの研修は、頻度や回数の

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Chat GPT は BCP を作れるか

Chat GPT は BCP を作れるか

最近のAI技術の向上は目を見張るものがあります

ChatGPT(チャット・ジーピーティ)

最近になって、テレビやネットで多く取り上げれているものです
ChatGPTは高度なAI技術を活用したサービスの一環ですが、一体何をしてくれるのか?
会話形式で文章で問いかけをすると、AIが文章を作成・添削・要約・翻訳などをしてくれるのです

ChatGPTのサイトにアクセスし、作成してもらいたい話題・課題

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体制の整備って、悩ましい

体制の整備って、悩ましい

介護事業や障害福祉サービス事業における業務継続計画を策定・運用する際に困ることがあります
特に、”運用の体制” という部分を策定する際は、悩ましい課題となります

そもそも、体制とは何なのか

職員数を考えると、いくつもある体制や委員会を上手く作れない

担当者を決めると、その担当者に業務や責務が集中してしまう

今回は、この ”体制の整備” に関する課題の解決について考えてみます

■体制とはこ

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BCPと防災、何が違う

BCPと防災、何が違う

業務継続計画(BCP)をネット検索すると多くの情報が出てきます
そして、必ずと言っていいほど、自然災害と防災の話が主題となっています
業務継続計画を説明する上で、自然災害というリスクが最もイメージしやすいからでしょう

防災(計画)と業務継続計画との違いが分からない
何が求められ、何を求めれば良いのか分からないという方も多いことでしょう

今回は、防災(計画)と業務継続計画(BCP)との違いについ

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BCPと事業承継

BCPと事業承継

政界には ”〇〇派” とか ”〇〇会派” というものが存在します
TVなどでも ”安倍派” とか ”清話会” というワードをよく耳にします
元首相が率いていた政治家組織のことを言います

そんな派閥・会派ですが、混沌とした現状があります
また、元首相の地元でも、同じような問題が起こっているようです

それは、”跡継ぎ・後継者” がいないことに原因があります
突然、リーダーを失った組織は、その事態に

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孤立化は大変なことになる

孤立化は大変なことになる

災害等発生時の事業継続の戦略やBCPの主体・主語は、”自分らの事業” です
特にBCPで示す事項や行動は、自分らの事業を継続させるために、誰が・何を・どうするが記されています
第三者や部外者が主体・主語となる規定や文面は、ほとんどないことでしょう

そのような戦略やBCPが間違っているわけではありません
むしろ、自分らの事業のことですので、主体・主語が自分らの事業となって当然です

ただ、気を遣う

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BCPにおける物と情報

BCPにおける物と情報

事業の運営・経営には、常に事業資産が必要です
災害などの非常事態時では、事業資産の損失をできるだけ防ぎ、確保・調達することがカギとなります

事業資産の中でも ”物” と ”情報” は、災害などの被害を受けやすく、消費・劣化しやすい資産です
また、防災という観点からも、物資と情報は重要な救援・救済資産として重要視されています

今回は、業務継続・事業継続という観点から見た物と情報のあり方について考

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求める人がいるから、続ける人がいる

求める人がいるから、続ける人がいる

この記事を書いている頃、ニュースでこのような報道がありました

”ロシアのプーチン大統領、軍事作戦継続のため、部分的動員の大統領令に署名”

これは、ウクライナでの軍事作戦に携わる兵員の増員を目的とした行動です
ただ単に ”兵隊が足りないから、補充する” という安直な理由からきているようです
”足りないから補充” という、人を物のように扱う考え方、これで作戦を続けられるでしょうか

時として、事業

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感染症発生時の事業継続

感染症発生時の事業継続

厚生労働省から介護事業者・障害福祉事業者に向けたBCPの策定と運用に関するガイドライン等が公表されています
そこでは、”自然災害発生時のBCP” と ”新型コロナウィルス感染症発生時のBCP” が取り上げられいます

この両者、事業継続計画やBCPといった名称のほか、事態等発生時の事業継続という命題は同じなのですが
整理すべき事項、考えるべき事項は災害発生時のBCPと、やや異なるところがあります

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