推薦図書:「逝きし世の面影」
10年以上も前に出版されたもので、著者は渡辺京二さん。
幕末、明治初期に日本を訪れた外国人の目を通して、当時の日本の人々、生活が書かれています。
内容を読むと、今の日本とはかけ離れ過ぎている感じもあり、もはや別世界と感じる人も多いかもしれません。
ただ、昭和の時代にはこういう雰囲気がまだ残っていた気がするんです。
地方の田舎で育ったからかもしれませんが。
住まいは簡素だけれど、草花が飾られていて季節、風情を感じさせるなかで人が暮らす、他者を迎える。
家計が苦しい人の働く場所や働き方を他者が助ける。働いているときも、働く人同士で助け合う。
特に子育てに関する部分は考えさせられるものがあると思います。
子供がとてものびのびしていて、周囲が子供を見守っている温かさがある。
こういう雰囲気は昭和まであったはずなのですが、最近は子供のいる人といない人、地域や世帯や仕事や所得や年齢や、いろんな形で人が分かれてしまって、多様な人が互いに交流し合い、子供たちを見守りながら、楽しく暮らす、という雰囲気が失われているところもあるような・・・。
もちろん、温かくてゆるやかなつながりが残る地域も沢山まだ残っているのかもしれませんが・・・。と思いたい。
デジタル化が進み、変化の激しい時代だからこそ、歴史から未来を考えてみたい。そんなときに参考になる一冊だと思います。
デジタルネイティブの若い世代、子育てに悩むお母さん、お父さんたちにぜひともご一読頂きたい本のひとつです。
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歩く好奇心。ビジネス、起業、キャリアのコンサルタントが綴る雑感と臍曲がり視点の異論。