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伝説のつるぎ 大熊健司
2023年12月31日 03:29
この季節は18時を回ってもまだ外が明るく、どうにも暑い。 すぐにでも室内に入って、涼しいクーラーの風を直で浴びたいものだが、それを続けると続けたで、体にいいものとも思えない。 やはりどんなに暑かろうと、多少は外に出ることも大切なのだ。 しかしそうはいっても、暑いものは暑い。 高森は雨相に話しかけた。「いやあ、暑いですね。」「そうですねー。」 雨相は遠くを眺めながら答える。「でも、
2023年12月24日 00:12
GAME OVER テレビ画面にはグレーがかった背景と、その上に赤黒く輝くそんな文字が。「うわあ、また負けた。」 勇樹はコントローラーをフローリングに置くと、頭を抱えた。「さっきもここで負けてなかった?」 そうわかっていて煽るように言う陽介。「なんだよ、悪いかよ。」「悪くはないけどさー。」「まあまあ二人とも落ち着いて。」 英一は二人をなだめた。 つい数時間前までは、三人とも
2023年12月17日 00:18
俊作が大河に連れられて入った居酒屋は、普段みんなで連れ立って入るようなチェーン展開された店や大衆酒場とは違い、落ち着いた雰囲気を醸し出していた。「うん、よさげだね。」「そうだなあ。」「ごめんな、俊作。急遽こんなところまで付き合ってもらっちゃって。」「いや、気にすんなって。俺も同じゼミなんだし。」「はあ、まさか俺がゼミ飲みの幹事を務めるだなんて。」「まあ、決まったことだからな。」「大
2023年12月10日 00:03
「普段ゲームとかあんまりしないんだけどさ、やっぱりいざやってみると楽しいね。」「お、英一もついにこの素晴らしさに気づいたか。」 日曜日、学校が休みということもあり、陽介と栄一は勇樹の家に遊びに来ていた。「九十九っちは普段あんまりゲームとかしないの?」「そうだねえ。あ、でも、僕兄貴がいるんだけど、10歳も歳離れてて。」「あの、芸人さんの?」「そうそう。」「もちろんまだ続けてるの?」「
2023年12月3日 00:04
日曜の昼下がり、松野家の面々は珍しく皆揃って家にいた。と言っても、別に何かを一緒にするわけではなく、勇樹は部屋で勉強やゲームをし、勇作と亜寿美はリビングで海外ドラマを見ていた。「亜寿美さん、今日のお夕飯、みんなで食べに行くのはどうかな?」「いいわね、珍しく三人とも家にいるし。名案だわ、勇作さん。」「ふふふー。」勇作は少し照れて見せた。「せっかくならガッツリ食べたいかなあ、って。」「そ