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伝説のつるぎ 大熊健司
2021年7月25日 02:47
「そう、その調子。いいぞいいぞ。ああそう、そこで必殺技だ。」「ちょっとまっつん、うるさいってば。」「いいだろう、九十九くんは初心者なんだし。」(菅原くんはなんとなくイメージつくけど、松野くんにもこんな一面があるなんて。)英一は二人の、まるで子供同士の喧嘩のようなやり取りを見て、ほほえましい気持ちになった。「九十九くん、ボーッとしないで。」「ああごめんごめん。」「ほら今だよ。」「うん
2021年7月18日 00:46
「えー、待って待って待って!」 人は極限状態でこそ、本当の顔をのぞかせる。完全に追い込まれてしまった陽介になす術はなかった。「よし、俺の勝ちだな。」「まっつん、強すぎるよ。」「本当、松野くん強いね。なんかこういうの得意なイメージなかったから意外かも。」「九十九っち、こう見えてね、まっつんは昔からゲームが得意なんだよ。」「へえ、すごいね。」 ゲームを始めてから一時間ほど、英一もようやく
2021年7月11日 00:28
「ハルって兄弟とかいるの?」「うん、兄さんが一人。」「へえ。カッコイイ?」「普通。」陽乃は苦笑いを浮かべながらそう言った。「そっか。仲良いの?」「うーん、まあ悪くはないかなあ。」陽乃は兄の顔を思い浮かべながらそう言った。バカなところもあるが、憎めない兄ではある。「でもどうしたの、急に。」「私、一人っ子だからさ。兄弟ってどんなもんなのかな、って。」「私は一人っ子も羨ましいけどな。
2021年7月4日 00:05
扉が開く。いつもと同じ訪問者だろう。「先生、いる?」予想通りである。「いますよ。」「やっぱり。物好きですねえ。」「物好きじゃないですよ。僕の部屋なんですから。」「でも、人体模型とかよく分かんない薬品とかある部屋だよ?絶対物好きでしょ。」そう言われるとそんな気もしてくるので、強くは否定できない。昔から生物が、中でもとりわけ植物が好きだった僕は、周りからはよく変人扱いをされていた。樽