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臀物語

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タイトルをしりとりで繋げる物語、です。 「しりものがたり」と読みます。 第1,第3,第5日曜日に更新予定です。 詳しくはプロフィールに固定してある「臀ペディア」をお読みください。
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2021年7月の記事一覧

リーチ

「そう、その調子。いいぞいいぞ。ああそう、そこで必殺技だ。」
「ちょっとまっつん、うるさいってば。」
「いいだろう、九十九くんは初心者なんだし。」
(菅原くんはなんとなくイメージつくけど、松野くんにもこんな一面があるなんて。)
英一は二人の、まるで子供同士の喧嘩のようなやり取りを見て、ほほえましい気持ちになった。
「九十九くん、ボーッとしないで。」
「ああごめんごめん。」
「ほら今だよ。」
「うん

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有利

「えー、待って待って待って!」
 人は極限状態でこそ、本当の顔をのぞかせる。完全に追い込まれてしまった陽介になす術はなかった。
「よし、俺の勝ちだな。」
「まっつん、強すぎるよ。」
「本当、松野くん強いね。なんかこういうの得意なイメージなかったから意外かも。」
「九十九っち、こう見えてね、まっつんは昔からゲームが得意なんだよ。」
「へえ、すごいね。」
 ゲームを始めてから一時間ほど、英一もようやく

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クラッシュ

「ハルって兄弟とかいるの?」
「うん、兄さんが一人。」
「へえ。カッコイイ?」
「普通。」
陽乃は苦笑いを浮かべながらそう言った。
「そっか。仲良いの?」
「うーん、まあ悪くはないかなあ。」
陽乃は兄の顔を思い浮かべながらそう言った。バカなところもあるが、憎めない兄ではある。
「でもどうしたの、急に。」
「私、一人っ子だからさ。兄弟ってどんなもんなのかな、って。」
「私は一人っ子も羨ましいけどな。

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天国

扉が開く。いつもと同じ訪問者だろう。
「先生、いる?」
予想通りである。
「いますよ。」
「やっぱり。物好きですねえ。」
「物好きじゃないですよ。僕の部屋なんですから。」
「でも、人体模型とかよく分かんない薬品とかある部屋だよ?絶対物好きでしょ。」
そう言われるとそんな気もしてくるので、強くは否定できない。
昔から生物が、中でもとりわけ植物が好きだった僕は、周りからはよく変人扱いをされていた。

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