カバ

犬と奴隷達 12

定期的に私に連絡をくれていた3人。彼らは、元気だろうか?

某デートサイトを利用していた頃、この3人から、度々、連絡が来た。

1、Slave(奴隷). お使い、お買い物、部屋の掃除、なんでもするから僕のドミナトリックス(SMの女王様)になってください、僕を奴隷にしてください。と言うメッセージを定期的に送ってくる、裸で床に四つん這いになり、革の首輪で鎖につながれた、変態な写真を数枚プロフィールに載せるだらしない体の顔は見えない男。

2、Gay(ゲイ). ニューヨークには20年以上住んでいる50過ぎのフランス人の印象の薄いおじさんで、ゲイなんだけど何故か私とお友達になりたいと、丁寧に、長文のメッセージを送ってくる、女性としての名前、アン。

3、Tranny(Transvestite 女装家).金髪のロングヘアを内巻きにカールさせたウィッグをかぶり、ブルーのアイシャドーと赤いルージュの厚化粧をした女装男。ヘアメイクは同じで洋服のパターンが違う写真を3枚プロフィールに載せている、私とお友達希望で、まあまあ美人のベロニカ。

もちろん彼らと、お会いした事は無い。


1年前に、デートサイトで知り合って、デートしたアメリカ人男性。42歳、中肉中贅、髪が全く無いスキンヘッド。男らしい四角張った顔立ち、身長180ぐらい、仕事はIT関係。

彼は、日本好きで、取引先が 六本木ヒルズにあるので、日本には1年に2〜3度行くと言っていた。

仕事帰りにミッドタウンで待ち合わせ。彼は、チェックのシャツ、ジーンズに、アウトドア系ブランドの赤いジャケットという姿で現れた。

私は、白ワインをオーダーして。彼は、山崎(ウイスキー)をオーダーした。

基本的な情報交換をし終えた後、彼は、最近、子犬を飼い始めた話しを嬉しそうにし始めた。

「生後の3ヶ月のメスの柴犬を飼っていて、ぼくの犬の名前当ててみて!」と言うので、「もしかしてハチ?」と答えると、彼がにこっとして、「当たり!ハチコウ!」と言った。 

(ハチ公?って、オスだっけ、メスだっけ。メスならばハチ子にしてあげてほしい。響き似てるし。)

私が、「ハチ公なんだ、かわいいね!」と答えると。

それを皮切りに、彼は、ハチの写真を何枚もみせてくれて、ハチの散歩の話し、ハチの餌、ハチの生い立ち、ハチの保育園と、とにかく、色々なハチの話しを、聞かせてくれた。。。

イコール、私はあまり知らない人の、会った事も無い生後3ヶ月の柴犬の話しを延々と聞かされた。(私も猫を飼っているから気持ちはわかるけど、これはしない、ペット好きのマナーとして。)

そして、「僕、ウィリアムスバーグの**ストリートに住んでいるんだけど」(そのストリート名を聞くと、番地を言わずとも付近には高級なタワーマンションしかない事がわかる。彼はさりげなく私に、高級なエリアに住んでいる事をほのめかした。)

「僕、そこの、マンションの、上の方の階に住んでいて、お散歩の時、ハチをエレベータに乗せて1階に下がって、たまにハチのお散歩グッズを忘れて、上にもどったりで、大変なんだよね〜」と嬉しそうに続けた。(犬のろけ?)

しばらく、ハチ話を聞いてあげていると、彼が、なんだか、落ち着かない雰囲気を出し始めた。私が「どうしたの?」と聞くと。

時計や携帯をみて、しきりと時間を気にしている。「ハチの保育園のお迎えの時間なんだ!」 私は、ん?、と思ったけど「大丈夫?じゃあ、急いで行った方が、良いんじゃんない?」と言った、

12階のバーで飲んでいたので、2人で急いで1階に降りたと、すると、彼は、「間に合わないから、タクシーで、行く!」と急いで走って帰って行った。

え?ハチという彼女ののろけ話?を for one and a half hours?(1時間半も?)
もし、私を気に入ら無かったにせよ、失礼だ。私が猫を飼っていると言う時間すらくれなかった。私の愛猫にも失礼だ。

まあ、わかりやすく、私に興味が無かった、と言う事だけど。

先日、友人が、「かなり昔の話しなんだけど、SMの女王様のアルバイトをしない?って、誘われた事があるんだよね」という話しをしていた。私が、語学学校に行っていた頃にも、クラスメイトに1人、日本人のSMの女王様がいた。そして、違う知り合いから、「女王様のバイトに興味ない?」と聞かれた事もあった。あきらかに、一昔前のニューヨークで日本人のSMの女王様が引く手あまたでブームだった時代があったようだ。(今もかもしれないが、詳細は知らない)

一応、私は一度、自分がボンテージスーツ姿で、アミタイツを履き、エナメルのロングブーツ又は、ヒールを履いている姿を想像してみることにした。 

黒い下着は、La perla(ラペルラ)かAgent provocateur(エイジェント プロヴォケーター)、Chantal Tomass(シャンタル トーマス)、FIFI Chachnil、だったら、ちょっと女王様になりたい動機づけになるかもしれない?そして、網タイツは絶対にwolford

Sな女王様だとしたら、、ムチで叩くのはまだ許容範囲かな?ムチは部屋に飾っても可愛いからピンクがいいな、それか職人が作る、天ノ介の鞭、ヒールで踏むのもギリギリできるかも、エナメルのロングブーツは動きにくそうだし蒸れそうだから嫌だな、だとしたら、ヒールは絶対に赤い靴底のクリスチャン ルブタン。M女王様だとしたら、、いーやーだけどー、、もし背中にロウソクを垂らされるのであれば、せめても、大豆などの自然な素材を使用した、ミレナーズの、溶けるとボディーローションになるキャンドルを使っていただきたい。と、ハイブランドづくしの贅沢なSMの女王様のコーディネートが私の頭の中で仕上がってきた、

そして、その想像上の、SM女王様の私が、ストーリーを作り始めた。

私は、気がつくと、知らないビルの1室に閉じ込められていた。妖しい赤の光が照らす、壁が四方八方、黒光りするキルティングの革で作られた独房の様な小さい部屋。(ちょっとシャネルのバッグの表面ぽくて可愛い)

そこで私は、SMの女王様のデビューの初日を迎えていた。決断のついていない私は、万が一、この高級ブランドの(私のお気に入りブランド100%希望どうりの)SMの女王様のコーディネート一式をもらってしまったら、女王様になる事を断れないし、逃げられない!!と悩んでいる。

すると、ドアの外から、コツ、コツ、コツ、、、誰かが部屋に近づいてくる足音が聞こえる、そして、誰かがドアを開けた瞬間、嫌がる私は部屋を飛び出し、黒服の男性に腕を掴まれるが、振り切り、プレイをせずに、そのボンテージ一式が入った風呂敷を持って、、裏口の階段を駆け足でくだり、ネオンがともる繁華街の細い道をひたすら走り、逃げて行方をくらます、

そして、とにかくその高級ブランドSMボンテージ一式をもらってしまった私は、その罪の贖罪の為に逃避行に出る、そして、今、風呂敷を握りしめ、小雪がただよう寒空の海を北へ向かう船の中にいる、私はあてもなく、船に揺られている。 笑


以前にも、犬の奴隷男に会った事がある、友人のホームパーティーで少しお話をした程度だが。彼は、マレーシア人とイタリア人のハーフで。38歳だった。

彼も、犬が大好き人間だった、犬 is my life.な人で。白いプードルのポピーちゃんと一緒に写る写真を何枚も見せてくれた。

少しぽっちゃりとしたは彼は、「僕もデートサイトを使っているんだけど、僕に連絡してくる女性達は、みんな少しの期間で、僕の元を離れて行ってしまうんだ、けど僕が思うに、僕に恋人が出来ない理由は、僕とデートしたい女性達は、僕の事を体目的にしか見ていなくて、、それで、彼女達は、僕がそういう男じゃないとわかると、去って行くんだ。」と語った。

「ん??」私は、「そうなんだね、ふーん」と答えたが、

彼は、この後、「ポピちゃんの散歩、ポピちゃんを可愛がる時間だから帰るね!」と、盛り上がるパーティーを後にした。

今でも、思い出すたびに、「私は、たぶん、その理由間違えてると思うよ!」と彼に教えてあげるべきだったと思う。


大人は、子供以上に甘えん坊で、違う生き物(異性、犬、猫)を所有したり、違う生き物から所有されたりする事を求める、

確かに、対象物or人がいなければ、愛情を深め合う事という事はできない。

相手がいないと、まかないきれない欲を満たし、幸せを感じる。

その欲の形は様々だけど、、、

フェティッシュな性欲、甘えられたい欲、尽くしたい欲、ムチでたたかれたい欲、奴隷になりたい欲、犬を恋人と信じたい欲、愛されたい欲、ヒールで踏まれたい欲、、、


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