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The Beatles 全曲解説 Vol.171 〜Mother Nature’s Son

『The Beatles (White Album)』20曲目(C面3曲目)。
ポールの作品で、リードボーカルもポールが務めます。

控えめな演奏の中にも自然の豊かさと力強さが響く、温かなヒーリングナンバー “Mother Nature’s Son”

この曲もインドで着想を得た楽曲で、マハリシの自然に関する講義で聞いた内容を題材にしています。

修行生活での体調不良やメンタル不調が曲の題材になっていたジョンと比べると、ポールの側はインドの環境やマハリシの教えを素直に吸収していた面がありました。

とはいえ、ポールは1ヶ月程度で「収穫は充分にあったから」とインドを発っています。
このプロらしい判断の素早さと、ある意味でのドライさは彼らしいですね。

さてこの曲ですが、牧歌的で豊かさを感じる歌詞に加え、音響に非常に気を配っている点が大きな特徴のように感じます。

ポール以外の3人はレコーディングに参加しておらず、ポールとジョージ・マーティン、そしてブラス奏者のみで録音が進められました。

そのせいもあってか、非常に静かな環境でレコーディングしている雰囲気が、緊張感をも伴って伝わってきます。

ギターもブラスもどこか控えめに響いているのに加え、中盤から加わるバスドラムは、スタジオの外の廊下から鳴らされたことで、広大な大地の鼓動のように深く響いています。


…と、他にも書ける内容はあるのですが、今回はこのくらいで。
いつになく簡単な解説となってしまいましたが、この曲に関しては、これ以上何かネタを加える必要もないのではと、聴き込んでいるうちに感じてしまいました。
この曲の魅力はもはや、言葉すら超えています。

ぜひ、生活音をできるだけ排してじっくり聴いてみましょう。
この曲の持つ究極の癒しのエネルギーを、改めて体感してみては如何でしょうか。

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