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The Beatles 全曲解説 Vol.185 〜Two Of Us

『Let It Be』1曲目。
ポールの作品で、リードボーカルもポールが務めます。

制作中にはあの有名な口論も…素朴でありながら波乱と憶測を呼んだ “Two Of Us”

アルバムのトップを飾るのは、初期のようなジョンとポールの息ぴったりのコーラスが心地よいこのナンバー。
イントロ前のジョンによる意味不明な語りは「ゲット・バック・セッション」からの抜粋で、このようなお遊びはアルバム全編を通じて見られます。

曲の着想になったのは、ポールが新たなパートナーであるリンダと過ごした休日であるといわれています。

ピリピリした雰囲気のビートルズを離れ、ポールは彼女と当てもないドライブを楽しんだそうです。
春の日差しのようなどこかホッとする雰囲気の歌詞は、そういった瞬間から生まれたのでした。

とは言え、サビの「♪You and I have memories, longer than the road that stretches out ahead 君と僕には思い出がある、目の前に広がる道よりもっと長い思い出が」というような歌詞から、長年の仲間であるジョンに向けた曲であるという意見も根強いです。
ここだけポールが一人で歌ってますしね。

その他にも、「♪You and me chasing paper, getting nowhere, on our way back home 君と僕、小金を稼ぎながら何処へともなく帰る途中」という部分は、アップル・コアへの言及であるという説も存在します。
素朴でありながら、意外と様々な憶測を呼ぶ歌詞構成です。

アコースティックな音が目立つ楽曲ですが、当初はエレキギターをふんだんに使用した、結構激しめのロックナンバーでした。
リリースバージョンのようになったのはレコーディングの終盤だったようです。

映画『Let It Be』では、ポールとジョージがギターの弾き方を巡って口論となる有名なシーンがありますが、そのきっかけとなったのもこの曲でした。

バンドを引っ張ろうとして躍起になるポールと、それを押し付けがましく感じてしまうジョージのすれ違いに胸が締め付けられる場面です。
(ちなみにこの後、ジョンが「テープを聴き直せばいいよ」と二人の仲裁に入っているような場面が続きますが、それは全く別日の映像だそうです笑 編集が乱暴だよ…)

このように、当時のビートルズの状況や、ゲット・バック・セッションをめぐるゴタゴタなど、関連づけられるエピソードの多い “Two Of Us”。
伝説のセッションはここからどういう展開を迎えるのでしょうか。

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