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「フリーズする脳」〜今週気になった本

ポチるのがこわい本ってありませんか。

私は最近Kindleのセールを漁っていたときに、この『フリーズする脳 思考が止まる、言葉が詰まる』というタイトルを見て…

「これ私のことだな…ドキッ」と。いつもだったらスルーしていたと思います。

セールでお安かったのと、ページ数が少なくサラッと読める本を求めていたタイミングだったので、えいやと文字どおりポチってしまいました。

なんでこういう本がこわいか

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今週気になった本〜産後26日目〜インターネットで良い本に出会うには

今週気になった本〜産後26日目〜インターネットで良い本に出会うには

はじめての子どもを出産して約3週間が経った。出産に伴う後遺症は概ね落ち着いてきて、はじめてだらけの育児も20日と経験を積むと、ある程度ルーティンに入ってくる。

育児については各情報からとにかく大変だよと刷り込まれ、事前のハードルが上がりまくっていた結果、案外なんとかなってしまっている自分がいる。

実のところ妊娠期のほうがずっと辛かった。

(とはいえ、まだ3週間なのでこれからどんなことが待ち受

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経済成長を完了したあとの時代をどう生きるか

経済成長を完了したあとの時代をどう生きるか

長年考え続けているテーマがある。ざっくりいうと、

日本ってほぼベーシックニーズは満たされていて、人口が減っていて、経済成長はほぼ頭打ちで、でも成長しないといけないことになっているからさらなる新市場とか生産性って話なんだけど、

どの国もいずれ日本のような成熟期がやってくるなかで、このまま拡大と成長のベクトルだけを中心軸に置いていていいんだっけ?みたいなお話。

ましてや、日本は「生産性」が苦手な

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「力なき者たちの力」

「力なき者たちの力」

普通への抗い。
ヴァーツラフ・ハヴェルはチェコスロバキア大統領およびチェコ共和国初代大統領として知られる人物だが、大統領へ就任する前は作家であり反体制運動を指揮する人物であった。

社会主義体制の中で蔓延する空気は、「労働者に力を!」という看板を店前に掲げていれば良い、という空気であった。誰もがその意味するところを深く考えずに看板をただ配置するのは、みんながそうするものだし、そう期待されている気が

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万物を支配する「コンストラクタル法則」への抵抗策はあるのか。いや、ない

万物を支配する「コンストラクタル法則」への抵抗策はあるのか。いや、ない

私たちはつまるところ、どこへ向かうのだろう。

宇宙はどこへ向かっていて、社会は、生き物は、人類はどこへ向かっていくんだろう。

なぜ、そのようなことが気になるのかといえば、この宇宙の神秘について知りたいという知的欲求のためでありながら、最終的には自分の生きていく道の、不確かさに対して、自分なりの納得できる何かを、掴みたいのだと思う。

私はそのために、本を読み続けている。

今回読んだのは、『流

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さよならホモ・サピエンス?『ホモ・デウス』が示す人類の未来

さよならホモ・サピエンス?『ホモ・デウス』が示す人類の未来

「OK、グーグル。私はどんな仕事に就くべきかな?」

「君の好きなこと、苦手なこと、信条、政治的な意見、どんなスキルをどのレベルで身につけているか、どんなソーシャルネットワークを持っているか、僕はかなり知っている。総合的に考えれば君は何もしないでいてくれるのが最善だと思う。なぜなら君のスキルでできることは、コンピュータアルゴリズムの方がずっとうまくやるし、もし君が動こうとすればアルゴリズムの最適な

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宇野三段階論: 原理論・段階論・現状分析

人間の能力が機械に「採点」されるレーティング時代が来る

人間の能力が機械に「採点」されるレーティング時代が来る

タイラー・コーエンの『大格差—機械の知能は仕事と所得をどう変えるか』を読んだ。AI(人工知能)の研究がこれまでどんな歴史を辿り、そしてどこへ向こうとしているのか、概ね理解することができた。前提知識が欠けすぎているので、この本について解説したり批評したりすることは、今の私には難しいのだが、数多くの指摘の中でもとりわけ私の心を揺さぶったトピックがあったので、紹介したい。

レーティング時代もっとも心揺

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「創造」によって現実で生きる—『現実脱出論』

「創造」によって現実で生きる—『現実脱出論』

新しい自己啓発
私は自己啓発本があんまり好きじゃないからあんまり読まない。だいたい内容は薄っぺらいし、それを実践しようと思っても自分のスタイルには合わないことが多い。

でも、私が尊敬してやまない坂口恭平氏の新刊『現実脱出論』は、なんか新しい自己啓発本みたいだと思った。

だって、この本を他になんと表せばいいのだろう。エッセイ?「○○論」っていうタイトルだから小難しい学問書?なんか違う気がする。坂

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「社会はなぜ左と右に分かれるのか」—"Why Good People Are Divided by Politics and Religion"

「社会はなぜ左と右に分かれるのか」—"Why Good People Are Divided by Politics and Religion"

人はなぜか、対立する。

それぞれの人が「これが正しい」と考えることが、なぜこうも食い違うのだろう。

人と分かり合いたいと思う一方で、分かり合うことはほとんど無理だと諦めている。

「だって、自分の方が正しいから。」

そして、可能ならば、意見の対立する相手を、納得させたいとすら考えている。

「原発は廃止すべきだよ。なぜなら人にこれだけ被害を与えるんだ。またいつ事故が起こるかもわからない。とて

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