個人を守るために必要な支援と対策 第7章:孤立しない社会とは ⑮

 ただ、アルバイトやパートなど非正規雇用でかつ企業側が“契約書の作成不要”や“保険等の加入免除”など雇用形態において法的に有利な条件が付いていることで再就職を目指している人を採用することで人件費を抑えることが可能となり、何か起きたとしても免責を貫けるという“抜け穴”のような考え方も出来てしまうため、更なる人材破壊の温床に繋がる可能性もあるのだ。

 そして、これらの行為が労働人口の減少に繋がり、“就労不可”や“条件付き就労”など個人所得の減少につながり、支援なしでは生活出来なくなってしまうなど個人にとっても社会にとってもデメリットが強調される結果になり、正の相乗効果ではなく、負の相乗効果になってしまうことで個人の社会における人材価値が下がる結果に繋がる。

 これは個人の社会からの孤立を引き起こす要因であり、最悪の場合は自傷行為など周囲に認められないという劣等感で自分の身体を傷つける等が始まる要因であり、これらの要因が“見えない貧困(困窮)”や“見えない孤立”などのきっかけとして本人たちの生活を壊すことになる。

 しかしながら、これらの問題に対して“自分は関係ない”や“そんなの自分が悪い”と言って、社会全体できちんと考えず、向き合ってこなかった結果が昨今の“引きこもりの実態”や“社会的孤立による就労意欲の低下”に繋がっているように感じる。

 少し前に自治体において大規模な調査が行われた。

 この調査のように市区町村や自治体で定期的にこのような調査等を行うことで地域における実態を把握することが出来るため、“個人がどのような支援の拡充が求められるのか”・“どのようにこれらの状況を好転させていく必要があるのか”など引きこもりや孤立している人に対する支援が出来るようになる事も大事だが、このような人たちを増やさないための事前対策が求められる。

 特に小・中・高校生に関しては精神面のケアやルッキズムなどの容姿や体型などの個人的要因が起因となるいじめの発生や成績や家庭などの比較対象が複数あるいじめの発生など本人・家族などのカテゴリーやセクターを超えた原因がきっかけとなって起こりやすく、その影響が永続的に本人の自己判断に反映されてしまう可能性があるのだ。

 これは大人になってからも言えることだが、成長過程における個別価値観のズレを修正することは難しい。

 前記した小・中・高校生の頃というのは“自立過程における自己理論の構築期”と私は呼んでいて、この12年間というのは基礎的な教養と基本的な体験・経験によって人格形成や教養、知識の活用法など大人に向けて必要な事柄を習得していく時期である。

 ただ、この時期は個人差が最も起きやすい時期であり、この時期に習得した物事が大人になったときに社会における人間関係や企業における人物評価などに繋がっていくため、この時期を含めた成功体験や成功に繋がる経験など肯定的な出来事をどれだけ重ねられるかが社会における個人の戦い方に顕著に表れてくる。

 そのため、この時期に孤立や孤独を体験・経験してしまうと本人の中で“誰も助けてくれない”という周囲に対する不信感の発生によるパニック状態になり、自分が何をしても振り向いてもらえないことで“周囲からきちんとフォローしてもらえない”という新たな先入観が芽生えてしまうことになる。

 このような先入観が本人の中に滞留していくことで自己判断における判断力の低下や自責思考が過剰になり、仮に自分が悪くないとしても思考が次第に“自分のせい“という考え方が強くなり、自傷行為を始めてしまうなど子供の時に実際に行っていた行為が再び始まってしまうことになるため、会社などに入社してもストレスが溜まりすぎると同じ行為を繰り返してしま右可能性が高まり、“フラッシュバック”などによる自制が効かなくなる可能性もある。

現在、小説とコラムを書いています。 コラムに関してもこれから完成している物を順次公開していく予定です。 自分の夢はこれまで書いてきた小説を実写化することです。まだまだ未熟ですが、頑張って書いていきますので、応援よろしくお願いいたします。