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絶望となかよく

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生きにくい世の中を生きるコラム
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#エッセイ

幸せになっちゃいけない症候群

おめでとう、と言われると、なんだか居心地が悪い。

誕生日おめでとう。

とか。

研修で表彰されたんだって? おめでとう。

とか。

言われるたびに、なんだか悪いことをした気分になる。

なんなら、このあと揺り戻し的に、ひどい目にあうんじゃないか、とさえ思う。

おめでとう! と言われて素直に「ありがとう」と言える人を羨ましく思いつつ、そのあと嫌なことがあると、やっぱりな、なんて思ってしまう。

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死んだように眠る

寝ていると、「死んでるのか思った」と言われたことがある。

一回目は高校生のとき。

夜、妹と共同の自室に向かい、敷布団の上にうつ伏せで寝ていた。

後からやってきた妹が酷く焦って、「死んでるのかと思った。やめてよ」と言った。

2回目は社会人になってからの20代。

彼氏さんと話をしながら、二人で床でゴロゴロしていたときに、そのまま寝てしまいそうになった所を、彼氏さんが焦ってゆすり起こした。「死

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子供向け小説という名の理想論

数ある職業の中で、短命で有名な職業と言えば、小説家をあげる人がいる。

それは考え過ぎちゃって病気になって自殺したり(芥川龍之介、太宰治、川端康成、三島由紀夫えetc)、インドアすぎて肺病になっちゃった人(中原中也なんて「文豪は肺病で早死してる人が多いから俺も!」とか言ってたら死んだらしい)が多いからだけど、児童書作家は逆で90歳でも現役だった(ダイアナウィンジョーンズとか)人はザラだ。

児童書

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人より苦労したからって、人より幸せになれるわけじゃない。

私の仕事は概ね個人プレーだ。

自営業とか歩合制の仕事ではなく、いわゆるサラリーマンではあるので、上司というものはいるのだけれど、複数ある自分の担当の案件それぞれに、別の上司がついていて、包括的に私が何をやっているか分かっている人はいない。

ついでに言うと、人によって、やっている仕事も異なるので、上司や先輩に仕事を聞いたとしても、分からないと言われることもしばしばだ。

そんな状態なので、本当か

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暇の悪夢

コロナが流行してからずいぶんがたつ。

図書館も書店も閉まり,家の中にあるまだ読んでいない本(いわゆる「積読本」)も恐ろしいことになくなってしまった。

やっと緊急事態宣言が解除されたと思っても,書店が開いている時間は昔より短いし,図書館は開いていると言っても,本棚を見ることはできず,もっぱら予約のみの取り扱いらしい。さらに,返却された本をすぐに次の利用者に貸し出すのではなく,一度殺菌消毒してから

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