ごじゃっぺ

茨城県民ではありません。 好きなことについて言葉にしていきます。 高校生です。

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記事一覧

短編 夏の匂いがした。

夏の匂いがした。 もっとも、それは干上がったアスファルトと人々の汗とが混ざり合う所謂夏を感じさせる匂いではなく、冷房の効いた部屋に漂う夏を感じさせる匂いだ。 秋…

ごじゃっぺ
1か月前
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5月3日の僕。

冬枯れた木々が少しみないうちに梢に緑の葉をつけ、その葉が花へ変わるのに気づかないままいつしか雨が降り始め、やがて惜しむ間もなく花を散らす。 その一連の行為が、春…

ごじゃっぺ
2か月前
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3月31日の僕。

春の嵐が止み、道すがら色とりどりの花を見かける様になって、すぎた時間が現実味を帯びてきた。 ついこの前まで、寒い寒いと縮こまっていたのに、気づけば少しの肌寒さは…

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3か月前
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2024年3月9日の僕。

日記です。 今の僕は、一年前の僕の惨めさをすっかり忘れて、なんであの頃あんなことで悩んでたんだろ?と僕が嫌いだと思っていた人たちと同じようなことを考えてしまいま…

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3か月前
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漫画版 風の谷のナウシカを読んで。

アニオタなのに、いまだにジブリ作品はおろか、押井守作品や、高畑勲作品、果ては手塚治虫の作品までみたことのないので、これまでアニメを語るのがなんとうなく億劫で、ア…

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3か月前
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短編 夏の匂いがした。

短編 夏の匂いがした。

夏の匂いがした。

もっとも、それは干上がったアスファルトと人々の汗とが混ざり合う所謂夏を感じさせる匂いではなく、冷房の効いた部屋に漂う夏を感じさせる匂いだ。
秋口に8月の名残からつけたままにする冷房の匂いとは違う、初夏の季節にしか感じられないあの、泣きたくなるほど懐かしい夏の香り。
そんな香りを嗅いで、夏の暑さや、滑り台を滑る時の服の汚れをたいして感じることなく友達と夢中で遊んでいた頃のことを思

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5月3日の僕。

5月3日の僕。

冬枯れた木々が少しみないうちに梢に緑の葉をつけ、その葉が花へ変わるのに気づかないままいつしか雨が降り始め、やがて惜しむ間もなく花を散らす。

その一連の行為が、春を終わりに向かわせるのを感じる。
そんな季節の移り変わりがあるからか、もう何度見たかわからない、見慣れたはずの車窓からの景色も飽きることがない。
建物自体に変わりはないのに側に生える木々や差し込む陽射しの心地が変わるだけで、こんなにも心が

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3月31日の僕。

3月31日の僕。

春の嵐が止み、道すがら色とりどりの花を見かける様になって、すぎた時間が現実味を帯びてきた。
ついこの前まで、寒い寒いと縮こまっていたのに、気づけば少しの肌寒さはあれど半袖でも夜風に当たることができるのが何よりの証拠だ。
あれほど嫌っていた高校も、同級生も、なくなるものだと思うと名残惜しいと感じる。(もっとも、いざ記憶を思い起こそうとすると嫌な記憶ばかりが浮かんでくるのだが)この一年はどんな一年にな

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2024年3月9日の僕。

2024年3月9日の僕。

日記です。

今の僕は、一年前の僕の惨めさをすっかり忘れて、なんであの頃あんなことで悩んでたんだろ?と僕が嫌いだと思っていた人たちと同じようなことを考えてしまいます。そんな僕がなんだか嫌で。
いつかこんなことを思う今の僕すら忘れてしまうのだろうと思うと、すごく薄情で不誠実な気がして。
あの頃、必死に悩んで、死にたくて、それでもそんな勇気もなくて、すごく惨めで。それでも生きてくれた僕がいるから、今の

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漫画版 風の谷のナウシカを読んで。

漫画版 風の谷のナウシカを読んで。

アニオタなのに、いまだにジブリ作品はおろか、押井守作品や、高畑勲作品、果ては手塚治虫の作品までみたことのないので、これまでアニメを語るのがなんとうなく億劫で、アニメがすごく好きだけれども、でもうっすら嫌いという何ともアンビバレントな情緒であった私ですが、とうとう重い腰を上げて、宮崎駿の作品の中でも屈指の名作として挙げられるナウシカを読んで、噛み砕いて、自分なりの言葉にしていきたいと思います。

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