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地域おこし協力隊としてのコラム。

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2022年4月から着任している地域おこし協力隊での活動を通じて、感じたこと・考えたことを綴っています。
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#毎日note

何かを選ぶということは。

1年目の地域おこし協力隊として、活動が佳境に入ってきている。企画・運営に携わらせてもらっている複数の町内イベントが、いよいよ開催を迎えようとしているのだ。たとえ土日に入っても脳内のスイッチがOFFになることはなく、あえて言えば何かしらの「やるべきこと」に追われている状況だ。 うちでは今年から導入された地域おこし協力隊制度。待ち焦がれてくれた人が、DMを送ってくれるなり事務所へ直接足を運んでくれるなりして、関わるきっかけを与えてくれた。イベントの企画・運営もそのうちのひとつで

懐疑的な心には。

「終わってから評価してもらえればと思います」 日本代表キャプテンDF吉田麻也は、厳しい船出を強いられたサッカーW杯アジア最終予選の試合後、悲壮感を漂わせながらそう語った。「終わってから」というのは、最終予選の全試合が終わり、本選へ出場できるか否かの結果が決まってから、という意味。敗北を喫したその瞬間から、チームへ向けられる批判をすでに予期していたようだった。そしてその結果は、周知の通り予選の突破に至っている。 地域おこし協力隊となってから、これまで「どういう目的で来たの?

椅子に座ってちゃいられない。

4月に地域おこし協力隊となってから、もうすぐ3ヶ月。自分が解決すべき地域課題や成し遂げるべきプロジェクトには、まだまだ靄がかかっている。また、個人的には久しぶりの組織、あるいは初めての行政での仕事であり、不慣れな部分も少なくない。それでも、普段の仕事は大きく2種類に分けられるのだと感じられている。 ひとつは、自分とPCさえあれば完結する仕事。企画書の作成や報告書の記入、SNSの記事の執筆などが該当する。 そしてもうひとつは、自分ひとりでは進められない仕事。企画の話し合いや

本当に必要なもの。

地域おこし協力隊となって、3ヶ月目に突入した。ここまで町のキーマンたちにはひと通り会わせてもらい、個人が興味のある分野の人にはそれぞれがアポを取って会いに行っている。まだまだインプットというか、たとえば3年後の開業に向けては下準備の段階ではあると思う。ただ、徐々に忙しくなってきていて、そのぶん充実した毎日を送れていると言えそうだ。 自分が本当にやりたいことはなんだろう。最近の個人的な問いである。今はゲストハウスやコミュニティセンターといった「場づくり」の分野に興味が湧いては

協力隊満了の3年後、なにしてる?

「今は試用期間として、3年後を逆算して活動してほしい」 地域おこし協力隊としての僕たちに対する、とある方からの言葉である。町のあらゆる団体のイベントや企画へ参加するのはいいけれど、“タダ”で身をほっぽるのではなく、しっかり“旨味”も蓄えてほしいと。そんな心配じみた、僕たちへの願いが込められていた。 たしかに、おっしゃる通りである。個人的には今、そうして協力隊を歓迎して「関わってもらえること」自体に価値を感じていた。もちろんそれも間違いではないと冒頭の言葉の主は言うのだが、

地域おこし協力隊が入り込むべき“隙間”。

いかにして、地方自治体と住民の間に入り込むか。これこそが地域おこし協力隊が求められている役割ではなかろうか。 きょう、とある事業者さんのもとへ話を聞きに行った。おもに宴会での料理を軸とした飲食業を営むその方は、コロナの影響で売り上げが激減。ただ、お弁当としての提供に切り替えたことで、なんとか事業を保ってきたという。僕が生まれるずっと前から美里町で活動しているそのお店の方々には、地域の知識や人脈が豊富だ。当然ながら、先月着任したばかりの僕たち協力隊なんて比べ物にならない。そし

なるようになるために。

地域おこし協力隊としての、初任者研修会。最終日に待ち受けたプレゼンをなんとか乗り越え、充実の3日間を終えることができた。個人的ないちばんの収穫は、全国の“同期”と知り合えたこと。SNSでつながることができたし、明日以降、彼らが日本のどこかで頑張っているんだと思えるのは励みになるだろう。 そういえば、昨日は協力隊OBによる事例発表のコマもあって、卒隊後に起業家や個人事業主になる、そんな“先輩”たちの活動が紹介された。その質疑応答の中で、とある受講生から「卒隊後の具体的なイメー

やっぱり上手じゃないこと。

議論するのが上手じゃないなあと思う。自分自身の話である。 地域おこし協力隊としての初任者研修会、2日目。講義を聞きっぱなしだった昨日とは打って変わって、今日はグループワークに取り組んだ。ランダムに振り分けられた5〜6人のグループで、地域課題の解決を想定したシミュレーションゲーム。メンバー同士で意見を出し合い、模造紙にマジックやふせんを駆使してアイデアを書き込んでいく。 その意見を出し合う議論の場で、やっぱり自分はそれが上手じゃないと感じた。“やっぱり”とは、そう思うのは今

面白がる力。

4月に地域おこし協力隊となってから、今月下旬に〆切を迎える課題が出されている。それは「町の魅力発見レポート」。宮城県美里町に移住してきて自分の目で見て肌で感じた、そんな町の魅力あるいは可能性をまとめて提出してください、というような内容だ。 しかし、東京からUターンして8年ぶりに美里で暮らしている僕にとって、それは決して簡単な話ではなかった。かつて過ごしていた小学1年生から大学4年生までの期間を含めても、思いつかないのだ。町の魅力ってやつが。魅力がないから僕たち協力隊が必要と

本当に大切なもの。

どうしても、地域おこし協力隊としての話になってしまう。ゴールデンウィークとはいえ、どうやら今の僕の軸足はそこにあり続けているようだ。まあ、あまりわるくないことではないかと思っている。 きのうは出勤日で、また新たな縁とつながることができた。飲食店を2軒まわり、ランチを食べながら、あるいはコーヒーを飲みながら、それぞれの店主との会話に花が咲いた。着任してから1ヶ月が経ったところではあるが、町の人との出会いは少なくない方だと自負している。 千差万別。十人十色。当然ながらそれぞれ

自分で定めるまちづくり。

まちを知るとは、どういうことだろう。 どうしても地域おこし協力隊としての投稿が多くなってしまうが、僕はこれから本格的に、宮城県美里町でまちづくりに取り組んでいく。3年という任期の中で町の課題を解決するイメージではあるが、1年目、というか1ヶ月目の今、必要とされているのは「まちを知る」ということだと思っている。 小学1年生から大学4年生までを過ごした地元へUターンしたとはいえ、8年ぶりに過ごしている美里町。また、当然ながら学生時代と今では価値観や感覚が異なることもあり、まち

記事にするとかしないとか。

地域おこし協力隊として、初めてイベントに参加してきた。地元の農産物直売所「花野果市場」の創業祭。事前に打ち合わせをしていた社長や専務とも顔を合わせて、社長には「SNSで記事にしてくれてありがとうね」なんてことも言われた。 美里町の協力隊として発信するnote『みさと新報』。先週からスタートしてからここまでふたつの記事を投稿しており、今後は美里で生きる人の取材記事や、イベントに関する告知およびレポート記事で満たしていく予定だ。そして今回、花野果市場の社長には、創業祭の告知に対

仕事を考える、ポジティブな週末。

地域おこし協力隊として本格始動してから、初めての週末を迎えている。今日は目覚まし時計をかけずに朝を迎えたものの、カーテンの隙間から溢れてきた朝日を感じると、ついスマホで時刻を確認してしまった。それだけ毎朝の寝坊の可能性に怯えているということだろう。 春の陽気に包まれてのんびりとした時間を過ごしていたが、自然と頭は今週の協力隊の活動を考えていた。「来週はもっとアレを詰めなきゃな」「ひょっとしたらコレもできるんじゃないか」なんていうふうに。どうやら、常に町のことを考える自分がい

今こそ、決断で得た特権を。

東京のアパートを引き払ってから、1週間が経った。当然ながら“あの街”の記憶は未だ鮮明で、頭の中なら一瞬で“あの部屋”に戻ることができる。夜の静けさに包まれると「ああ、もう東京には戻らないんだよな」なんて思わされている。 もし今なお東京にいたとしたら、僕はどんな生活を送っているのだろう。ライティングの仕事を継続しながら、宮城をはじめとする地域と関わる機会を伺っていただろうか。つまり心なしか、悶々とした日々を過ごしていただろうか。 今のところ地域おこし協力隊として地方へ入り込