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面白がる力。

4月に地域おこし協力隊となってから、今月下旬に〆切を迎える課題が出されている。それは「町の魅力発見レポート」。宮城県美里町みさとまちに移住してきて自分の目で見て肌で感じた、そんな町の魅力あるいは可能性をまとめて提出してください、というような内容だ。

しかし、東京からUターンして8年ぶりに美里で暮らしている僕にとって、それは決して簡単な話ではなかった。かつて過ごしていた小学1年生から大学4年生までの期間を含めても、思いつかないのだ。町の魅力ってやつが。魅力がないから僕たち協力隊が必要とされているのではないか、そもそも地域でいうところの魅力とは一体どういった概念なのだろうか、なんて。気づけば持ち前の「ひねくれ」を発揮してしまう。結局ここまで1ページも、いや1文字も課題を進められずにいる。


そんな中、きょうは公立大学のとある先生にお会いした。地域経済学や日本経済史を専門として、宮城県内の各市町村のまちづくりに広く携わっている方だ。僕は個人的に、そのまちづくりの事例を通じて先生のことをすでに知っていて、いわば“念願の”初対面を果たすことができた。

とても聡明な方だった。頭の中が整理されていて、本質をしっかりと押さえている。話しているうちにもどんどん新しいアイデアが湧いてきて、ものごとに対する善し悪しの判断も早い。おそらく15分ほどというわずかな時間だったが、僕はそのスピードおよびスマートに感激した。

さらに印象的だったのが、「面白がる力」である。先生は「美里のあそこイイですよね」「あれも面白い事例なんだよなあ」「それ発信で使えそうだよね」などと、美里町内のポイントを次々と挙げていた。つまり、僕が感じられなかった、さまざまな魅力である。正直そんな視点や考え方があったのかと、感心してしまった。

そしてここで結局、今月までの課題で試されていたのは、自分自身だったということに気がついたのだった。今の美里がどうこうという話ではなく、今の美里を受けて、自分がどう考えるか。何を思うのか。これからどう仕掛けていくのか。「町の魅力発見レポート」で問われていたのは、単なる町の現状だけでなく、僕自身の価値観やポテンシャルなのだろう。


「心さえ乾いてなければ どんな景色も宝石に変わる」。Mr.Childrenの名曲『エソラ』でもそう唄われていた。思えば、僕が好きなフレーズのひとつである。心機一転、しっかり心を潤して、課題に励んでいきたいと思っている。


いつもいつもありがとうございます〜。