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【企業向け】炎上した後の対応方法

炎上で困っている人、これから炎上したらどのようにふるまうべきか悩んでるあなたにおすすめです

具体例を挙げつつどのようにすればいいか解説しています。
わかりにくいと思ったら1章ごとに要約したまとめがあるのでそこを見れば1章全体が俯瞰して見れるようになってます。


 ミセスグリーンアップルというミュージシャンがコカ・コーラとのタイアップで『コロンブス』というミュージックビデオを出した。一見すれば猿のコスプレをした人達とコロンブスのコスプレをしたミセスグリーンアップルがホームパーティーをしているだけだ。(ミュージックビデオは削除されているため、曲のみの閲覧が可能)


しかしながら、コロンブスが未開の猿に自分の馬車を引かせたり、猿に騎乗の仕方を教えたり、馬車を引いてる猿だけ黒かったりと過去にコロンブスが原住民に対して行った奴隷貿易を彷彿とさせるメッセージがちりばめられている。このミュージックビデオを見た人達はさすがにまずいのではないかと追及し、炎上した。炎上した後にミセスグリーンアップル(以下ミセスと呼ぶ)は『意図しない伝わり方をした。ちゃんと相談しながら動画を作った』とブログで謝罪、その後、コカ・コーラは『わが社は関与していない。ミュージックビデオに関しては知らなかった。いかなる理由をもってしても差別は容認しない』と発言し、さらに炎上している。

今回、この炎上はいいか悪いかについて論じるつもりはない。
このnoteの目的は【炎上をした後に如何にしてうまく対応するか】という点に重きを置く。この炎上の問題点は主に7つ。

1.問題点


・このミュージックビデオにはどのような意図があったか具体的な説明をしなかったこと。
・謝罪をせずに動画を非公開にし、言い訳のように声明を発表したこと。
・ミセスとコカ・コーラとの言い分が食い違っていること。
・アーティストとしての表現の自由が守られていないこと。
・炎上騒ぎを起こせば、動画は削除され、世論の思いのまま企業が動いた前例を作ってしまったこと。
・自分の作品を他人に非難されたくらいで非公開にしてしまったこと。
・非難があっても堂々としていなかったこと。

1-2.このミュージックビデオにはどのような意図があったか具体的な説明をしなかったこと。

以下がミセスが発表した声明

・年代別の歴史上の人物
・類人猿
・ホームパーティー
・楽しげなMV
という主なキーワードを、初期構想として提案しました。
類人猿が登場することに関しては、差別的な表現に見えてしまう恐れがあるという懸念を当初から感じておりましたが、類人猿を人に見立てたなどの意図は全く無く、ただただ年代の異なる生命がホームパーティーをするというイメージをしておりました。

『説明しているじゃないか』と思う人もいるが、この説明では足りない。

・なぜ、類人猿を登場させようと思ったのか。
・類人猿が馬車を引く行動にどのような意図があるのか。なぜ馬車を引く猿が黒かったのか。
・猿がミニチュアの船や航海道具を物珍しそうにみる意図にはどのような意図があったのか。
・コロンブスが騎乗を教えたり、猿を部下として扱ったところはどのような意図があったのか。
・猿たちが争う映画をポップコーンとコーラを食べながら見てるのはどういう意図があったのか?


これらの意図をしっかり説明したうえで『この動画は差別を意図していませんでした』と伝えるべきである。例えば、このように書く。

Q.なぜ、類人猿を登場させようと思ったのか。

A.今回のコンセプトとして、わくわくさせるようなものがあり、誰にでも思いつくが誰も作れなかったコカ・コーラを「コロンブスの卵」と見立て、そこから動画制作を行いました。動画制作の過程として、人類の祖先である猿が進化をし、コーラを見つける冒険にしようと思いました。わくわくさを演出するために類人猿が人間に進化していく過程を見せるために猿を登場させました。決して差別的意図があったわけではありません。

実際はどう思っていても関係ない。事実として、コロンブスの卵という引用文句があるのは変わらないし、差別的意図はなかったんだと矛盾はなく説明はできている。さらに『これじゃあ甘いよ』とおもうならこう付け加えよう。

『私の中ではコロンブスは大陸を発見した偉人としてみていて、実際の義務教育でもそう教わった覚えがあります。コロンブスの卵という言葉があるように、悪い意味としてとらえていませんでした。また、コロンブスが奴隷貿易を行っていたということは知りませんでした。私の無知であり、今後このようなことがないように自らが制作にかかわる題材の種別を問わず、勉学に励みたいと思います。』

(自分の無知さを謝罪しつつ、これを読んだ人間へ「あなたは学があり賢いんだ」という自尊心を満たして心理的な認知のすり替えを行おう。この炎上を企業が起こしたら「学など関係ない。お前は大人で社会人だろ」と言われるので悪手だから付け加えないほうがいいが、アーティストは学が必要ないという偏見が存在する。これを言ったからといって責任がなくなるわけではないが、アーティストのこの学が必要ないという偏見を利用し、感情的にならずに怒りのボルテージを下げられるチャンスがあるならどんどん狙っていこう。自分の立場次第で立ち回りが変わることを理解するのが、大事なことの一つだ。

Q.類人猿が馬車を引く行動にどのような意図があるのか。なぜ馬車を引く猿が黒かったのか。

A.あの時代の人達は馬車を引いてました。あの場の登場人物には提督しかいなく、提督が馬車をひいては演出としておかしいと思いました。しかしながら猿が乗り、提督が馬車を引くという演出も猿から進化し、人間になってコーラを見つけるという今回のコンセプトにあっていなく、猿に馬車を引かせたらいいのではないかと思い、猿に馬車を引かせました。人種差別的意図はございません。

Q.猿がミニチュアの船や航海道具を物珍しそうにみる意図にはどのような意図があったのか。

A.猿から進化し、人間になってコーラを見つけるというイメージを強調するため、猿から進化した人間が海を渡り、世界を冒険するという演出です。人種差別的意図はございません。

Q.コロンブスが猿に騎乗を教えたり、猿を部下として扱ったところはどのような意図があったのか。

猿が道具を与えられ、人間に近づくという進化と冒険の過程を表した演出です。人種差別的意図はございません。

Q.猿たちが争う映画をポップコーンとコーラを食べながら見てるのはどういう意図があったのか?

A.コカ・コーラとのタイアップ動画なのでコロンブスの卵のようなどこにでもあるが誰も作れなかったコカ・コーラの特別感を演出する必要がありました。そこで、コーラといえばポップコーンと映画というイメージが私の中にありました。映画をみんなで見ながらコーラを飲むという演出がほしかったのですが、どの映画を見せるかということは決まっていなく、私の好きなアクションシーンのある映画でいいかと思い、猿同志を戦わせるという演出になりました。人種差別的意図はございません。

きっちりと否定して『ない』と言い切ろう。否定してないなら認めたこととみなす人がネットには存在する。必ず最後に否定しよう。
ここまで説明すれば、話の筋は通っている。そのうえで差別的意図を否定すれば、そうなんだ、知らなくて題材が悪かったんだねと納得させることはできる。これでこの問題は解決だ。

1-3.謝罪をせずに動画を非公開にし、言い訳のように声明を発表したこと


ここの問題点は、コカ・コーラという企業のタイアップ動画であること。アーティストであれば、そういう社会風刺をした曲なんだねで終わるが企業という立場であれば『日本人?未開の猿はコーラでも飲んでろ』というメッセージと受け取られてもおかしくはない。さらに、謝罪をせず逃げるように非公開にし、言い訳に見えるように後から声明を発表、そこでコカ・コーラが私たちは認知していませんと発言し、ミセスを切り捨てたこと。大金が絡んだ広告で知らないわけがないだろうと普通の大人なら思うはず。顧客からの印象が最悪だ。そして何より一番最悪なのが差別ではないといいながら動画を非公開にしてしまったこと。これでは差別を認めたと思われても仕方がない。自分に非があると否定をするなら投稿したものは削除しないこと。削除してしまえば非を認めたことになり、差別したといってるようなものだ。

非公開にすることが悪いと言ってるわけではない。

もちろん、ビジネスという場だから客が商品を買わなければ意味がないだろう。ましてや広告、それで客が来なくなるようでは本末転倒だ。
だが、手順というものがある。
犯罪でも逃げて捕まって言い訳をするのと自首するのでは反省の度合いが違うと受け取られるように、どうしても削除したいというのであれば、迅速に謝罪をし声明を出してから動画を非公開にする順序を踏むべきだ。

1-4.ミセスとコカ・コーラとの言い分が食い違っていること。

ここで声明を出すなら両社で話し合って同じ声明文を出すべきだと思う。
特にまずいのがミセスが相談して作ったと書いてあったが誰に相談したのかという点だ。コカ・コーラは話を聞いていないとコメントしていたが、本当なら誰に相談したかを明確にしておく必要がある。

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