マガジンのカバー画像

感想文

16
遊んだもの、楽しんだものの感想文
運営しているクリエイター

#読書

読書記録『俳句いきなり入門』

『俳句いきなり入門』千野 帽子/著 NHK出版新書

 本書は「句会があるから俳句を作る」をスタート地点にして、様々な俳句やその入門書を取り上げながら、基本的なルールと作句法を学ぶ入門書。
先に読んだ『やくざときどきピアノ』と同じく、この本も書いてある一言一言にパワーがあって読んでいて面白かった。
事あるごとに

「君、俳句向いてないねえ。やめたほうがいいよ」
「君、俳句下手だねえ。やめたほうがい

もっとみる

読書記録『グレーテルの白い小鳥』

読書記録
『グレーテルの白い小鳥』斉藤洋/作 森泉岳土/絵 偕成社

 図書館の児童読書相談コーナーで働く私のもとには、相談だけでなく、なぜか不思議な話が集まってくる。
 図書館を舞台にした奇譚集「ビブリオ・ファンタジア」の三作目。
 表紙の色、デザイン、挿絵大好き。
このシリーズの一作目『アリスのウサギ』のプロローグは読んでいてすごく気持ちが良い。主人公が図書館で働くことになる理由がすごく好きな

もっとみる

読書記録 絵本『のりかえの旅』

読書記録
『のりかえの旅』長田真作/作 あすなろ書房 

 表紙はぽつねんとバス停。すでに可愛い。本屋で見かけて一目ぼれした。
 どうやら主人公は旅へ出かけるようで、ページをめくるたびにいろんな乗り物に乗り換えていきます。それだけなんだけどすっごい面白かった。出てくる乗り物もどれも可愛らしい。描かれているのは乗り物と場所。立体じゃなくて平面で描いてあるからかなあ、想像する余白がたっぷりあって、今、

もっとみる

読書感想文『あの本は読まれているか』を読んだ。

『あの本は読まれているか』
ラーラ・プレスコット/著 吉澤 康子/訳 東京創元社

 あらすじ
 冷戦中、CIAはある作戦に着手した。ソ連で書かれながら反体制的とみなされ出版禁止となった小説『ドクトル・ジバゴ』を入手し、それをソ連国民の手に渡すこと。文学の力で人々を、世界を変えようというのだ。

 ロシアからアメリカへ渡ってきたCIAの新人タイピスト、イリーナ。
 一線から退いていたCIAのベテラ

もっとみる

SF小説『三体』を読んで

三体 感想。

https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014259/pc_detail/

あらすじ

 ナノテク素材の研究者「ワン・ミャオ」はとある会議に召集された。そこで彼は世界中の著名な科学者たちが自ら命を絶っていることを聞かされる。さらにその原因は、いまだかつてない巨大な敵からの攻撃だというのだ。
 その敵と深く繋がる「科

もっとみる