サトウのび

小説を書いたり俳句や短歌を作ったりしている東北の無職。元図書館員。趣味は逃避。星々14…

サトウのび

小説を書いたり俳句や短歌を作ったりしている東北の無職。元図書館員。趣味は逃避。星々140字小説大賞。(https://www.hoshiboshi2020.com)NHK全国短歌大会特選。映画も見ます。『NOPE』『ベイビーわるきゅーれ』面白かったですね。よろしくお願いします。

マガジン

  • 星を巡る

    オンライン文芸コミュニティ hoshiboshi (https://www.hoshiboshi2020.com/) さんが開催している140字小説コンテストに応募した作品を振り返っていきます。セルフリメイク、というよりスピンオフ。よかったらお付き合いください。

  • 掌編

    掌編です

  • エッセイ

    自由な形式で気軽に自分の意見などを述べた散文

  • 急に読む俳句と短歌 (QHT)

    風の強い夜、急に俳句と短歌を作りたくなりました。 難しいですが、とても楽しいです。 一週間に一度、短歌と俳句を読んでいます。 季語選びはざっくりとしています。

  • 逆噴射小説大賞応募作(20-21

    冒頭800字で脳細胞を揺らす文学賞「逆噴射小説大賞」に応募した作品です。現在3作品。参加するたびに増えると思います。

最近の記事

SUGB因果巡 これまでの連載をまとめました。加筆修正しています。(2)~(6)は来週非公開にします。

    • SUGB 因果巡 第1話「廻と巡」

       雷が落ちて一塁手と走者がが吹き飛ばされた。  いつにも増してジャルマウント球場の磁場は乱れていた。走者が出るたびに落雷が起きるので試合自体は全く動くことはないが、チームの人数は着々と減っている。両チーム共にネクロマンサーもバイオメトリックリペアーも用意しているもののチームメイトの肉片が少なすぎた。  しかしSUGB(スーパーウルトラグレートベースボール)に引き分けはない。どちらかが滅亡するまで続けるのがルールだ。そして、SUGB(スーパーウルトラグレートベースボーラー)はル

      • SUGB因果巡(1)~(6)を第一話として一つの記事にまとめようか考えています。(1)~(6)はスキが嬉しいので削除せずに非公開にする感じで。

        • SUGB 因果巡(6)

           赤子は巡と名付けられた。めぐる。その一語の意味は見てまわること、各地を見ること。空から降り立った赤子はきっと様々なものをこの世界で見ることになるだろう。どうかその旅路が良いものになるように、と二人の母が共に願いを込めた名前だった。それから諸々の手続きと多少の賄賂と少々の時間と家族や友人からの多大なる協力があり、巡は正式にシュリとディアナの息子になった。巡・マキシマ・ペールライト。それがこの世界での因果巡の名前だった。  巡が成長するに従って、彼が声を発せないことが分かった

        SUGB因果巡 これまでの連載をまとめました。加筆修正しています。(2)~(6)は来週非公開にします。

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        • 星を巡る
          3本
        • 掌編
          4本
        • エッセイ
          10本
        • 急に読む俳句と短歌 (QHT)
          10本
        • 逆噴射小説大賞応募作(20-21
          5本
        • 感想文
          16本

        記事

          昨日のつぶやきについて 読んでくださっている方々のお言葉が嬉しい……すぎる!!がんばります。プレイボールまでもうしばらくお待ちください!

          昨日のつぶやきについて 読んでくださっている方々のお言葉が嬉しい……すぎる!!がんばります。プレイボールまでもうしばらくお待ちください!

          SUGB 因果巡(5)

           それからシュリと金髪の女性と光る赤子は3人でスターバックスに入店した。その頃には赤子の光は落ち着いていたので、店員も他の客にも不審に思われることはなかった。店内の一番奥の横長のソファ席を取り、それぞれに飲み物とドーナツを頼んで、横並びに座り話し始めてから、シュリと金髪の女性が打ち解けるのに時間はかからなかった。  シュリ・マキシマはスタントパフォーマーだった。ムービースターの代わりに生身で車にぶつかったり、炎上するビルからガラスを突き破って飛び出したり、サイボーグのゴリラに

          SUGB 因果巡(5)

          SUGB 因果巡 を更新しても話の進みが遅いと見限られそう(という言い方は大袈裟かもしれないが)ちょっとこわい。今のところ漫画の1話は小分けにして出しているようなものだから

          SUGB 因果巡 を更新しても話の進みが遅いと見限られそう(という言い方は大袈裟かもしれないが)ちょっとこわい。今のところ漫画の1話は小分けにして出しているようなものだから

          SUGB 因果巡(4)

           最初にやってきたのはシュリだった。その日の彼女はガールフレンドにひどいフラれ方をしたばかりで、死にたいと思っていた。ガールフレンドの一件で(もちろん理由の一つではあったが)死にたくなったわけではない。彼女はときどき訳もなく死にたくなるのだった。例えば熱々のピザを食べ終えた時。例えば友人たちとビデオチャットを使っての通話を終えた時。例えば夜がいつもより深い時。  死に場所を求めるようにふらふらとセントラルパークを歩く彼女がふと顔を上げると、今までに見たこともないような激しい光

          SUGB 因果巡(4)

          SUGB 因果巡(3)

           四月。季節は順調に春へと移り変わっている。  透き通るような青い空を落下する白球は、巡が必死に伸ばした新品のグローブの端に当たった。異常な重力の影響を受けたわけでも、抵抗できないほどの熱風が吹いていたわけでもなく、それはただのキャッチミスだった。そしてグローブにはじかれたボールは狙いすましたように巡の頭の上でバウンドした。驚きと衝撃に巡は身体をのけ反らせ、尻もちをついた。 「へたーくそー!」  遠くで女性が笑っている。巡が取りそこなったボールは彼女が投げた。  後頭部を刈り

          SUGB 因果巡(3)

          スペースのおたよりフォームを埋め込めるか練習していたらできました。やったね

          スペースのおたよりフォームを埋め込めるか練習していたらできました。やったね

           のびさん、どうして小説を書いているんですか?

           創作をする人たちが集まっている場で 「どうして小説を書いているんですか?」  と、聞かれたので 「だって毎日辛いことばっかりじゃないですか?」  と、答えたらその場にいた人がみんなぽかんとした顔をしていました。  こんにちは。のびです。  その時は慌てて「ほにゃららら」と取り繕ったけれど本当のことです。  だって毎日辛いことばかりじゃないですか?  過去を見れば後悔ばかりで、未来を見れば不安しかなくて、じゃあ現実の生活はといえば苦しいばかりでままならず、良いこともあったはず

           のびさん、どうして小説を書いているんですか?

          SUGB 因果巡(2)

           ノートを書き終えた廻はベッドから降りた。記録は武器だ、と廻は信じている。凡庸な投手である自分がSUGBを生き抜くための唯一の武器だと信じている。ジャンボジャンボホテル888階、ガラス戸の外ではそこかしこで星が渦を巻いていた。変わらぬ景色。球団と結んだリスポーン契約により廻の身体と魂は必ずこの部屋へと返ることになっている。繰り返される景色。しかし廻は眼前の暗黒空間を見つめ続ける。予感がした。 (予感? そんなものは存在しない。あるのは確率から導き出される真実だけだ)  廻が振

          SUGB 因果巡(2)

          星巡り -2020年3月の星

           こんにちは。のびです。  オンライン文芸コミュニティ hoshiboshi さんが開催している140字小説コンテストに応募した作品を振り返っていきます。  今回は2020年3月の応募作品です。  課題は『解』でした。  相変わらず苦戦しているのが作品から分かります。  いつかバンドの話を書きたいなとずっと思っています。楽器も弾けないのに。いや、弾けないからか。では、この星を他の場所から眺めてみます。  見えてきたのは「おしまいの風景」でした。  星の光が届いたずっと先の

          星巡り -2020年3月の星

          星巡り -2020年2月の星-

           こんにちは。のびです。  オンライン文芸コミュニティ hoshiboshi さんが開催している140字小説コンテストに応募した作品を振り返っていきます。  今回は2020年2月の応募作品です。  課題は『並』でした。  並という文字をどう入れたらいいのだろうととても悩んだことを覚えています。  いろいろ試しているなという感じがします。  では、この星を他の場所から眺めてみましょう。  ケアの物語が見えてきました。  もっと先の未来には、人間を手助けするロボット(=AI)

          星巡り -2020年2月の星-

          星巡り -2020年1月の星-

           こんにちは。のびです。  この度、オンライン文芸コミュニティ hoshiboshi さんが毎月(現在は年4回)開催している140字小説コンテストの第3期年間大賞に選んでいただきました。とても嬉しい……。ありがとうございます。  さらに hoshiboshi さんが発行する冊子にも140字小説を掲載していただくことにもなりました。大変うれしい……。ありがとうございます (こちらがhoshiboshiさんのサイト。大変お世話になっております)  そこで、自分がこれまで応募し

          星巡り -2020年1月の星-

          SUGB 因果巡

           雷が落ちて一塁手と走者が吹き飛ばされた。  いつにも増してジャルマウント球場の磁場は乱れていた。走者が出るたびに落雷が起きるので試合自体は全く動くことはないが、チームの人数は着々と減ってきている。両チーム共にネクロマンサーもバイオメトリックリペアーも用意しているもののチームメイトの肉片が少なすぎた。  しかしSUGB(スーパーウルトラグレートベースボール)に引き分けはない。どちらかが滅亡するまで続けるのがルールだ。SUGB(スーパーウルトラグレートベースボーラー)はルールを

          SUGB 因果巡