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Nakano Nanae
2022年10月31日 20:21
傷口だと思っていたところから角が生えてきた元に戻せなくなったので仕方なく羊になることにした「あなたの正体はよく分かっている」そう言う人ほど何も知らないからこの空を隠すカーテンを引いて長い手紙を書こう君が眠る前に数えているあの羊たちの群れに迷いこんだとしても見つけてくれるかな
2022年10月28日 23:22
だれもが化け物になりたがるおかしな夜君におもちゃの拳銃を向けられて笑ったあのとき撃ち殺されておけば良かったな今年も同じことを考えている南瓜色の夜
2022年10月27日 22:58
星も花も音楽もきれいなものはみんな名前を付けられて汚れていく風の音も鳥の声も君の呼吸もいつもより遠くから聞こえてくるような霧の朝
2022年10月14日 21:15
誕生日ケーキを食べようとしたらクリームの間から五線譜が出てきたそういう運命なんだと言われた気がした神様にはきっと耳も目もついていないだから祈りの言葉は聞こえないし手を合わせる姿も見えないだろう嘘をついてはいけない場面なんてこの世にはひとつもないのに今は本当のことしか言いたくないなもっと良いものが手に入ったからいらなくなってしまった あの愛とか獏も食わないような この夢とか雲
2022年10月12日 20:18
ずっと続いてほしいとか早く終わってほしいとかそんな願いには目もくれず星はただ燃えて消える離れ離れになる夢を見たんだ悲しい歌が連れてきたみたいだ次の曲が始まって夢は消えたけど流しきれなかった別れの場面がひとつ今もまぶたの裏に残っている
2022年10月11日 18:53
薄く広がる雲の上に七日目の月が出ている星空にぼくたちの影が溶けていくひとつずつ針で刺すように波の音を縫い付けたい信号が青に変わってもずっと渡らずにいたかったああ まるでお伽話みたいな日々だったな
2022年10月5日 21:43
新しい星に着いたけれどどうやって呼吸をすればいいのか誰も知らなかったいつか生物が絶滅するこの星で最後の二人が死ぬところを想像している酸素の濃度が急激に下がっているようだそれは愛の名を騙ってやってくる未確認飛行物体ぼくらは何も知らないまま乗せられて気がつけばいつも宇宙の果て
2022年10月2日 23:44
広大な砂漠の砂の一粒になるよりも小さな砂時計の砂の一粒になって静かに君に伝えたいこれで全部終わりだよ、って