見出し画像

(~'21/11/03)特許法 特許請求の範囲(クレーム)の記載方法について

 特許請求の範囲の記載についての問題提起がなされていましたので、ちょっと考えてみました。

 クレームの記載方法として、構成要件列挙型という記載方法が知られています。構成要件列挙型では、以下の例1のように構成要件を1個づつ列挙して、最後に発明の名称を記載します。

(例1)
 〇〇〇を行うA部と、
 △△△を行うB部と、
 ×××を行うC部と、
 を備える、
 情報処理装置。

 このように記載した場合、情報処理装置内には、A部と、B部と、C部とがあることになります。しかし、A部、B部、C部の全てがソフトウェアで実現されている場合、A部、B部、C部は仮想的な機能を果たすブロックに過ぎず、目視可能な実態はありません

(複数のプロセッサを有する情報処理装置のプロセッサの一つ一つが、A部、B部、C部に対応する場合は別です。つまり、プロセッサ1がA部に相当し、プロセッサ2がB部に相当し、プロセッサ3がC部に相当する場合です)

 また、例1のように記載にした場合、米国のミーンズ・プラス・ファンクション・クレームの指摘を受ける可能性があります。

 そこで、以下の例2のように記載する方法が考えられます。

 (例2)
 〇〇〇を行い、
 △△△を行い、
 ×××を行う、
 情報処理装置。

 このように書けば、A部、B部、C部は仮想的な機能を果たすブロックに過ぎず、目視可能な実態がないという問題は解消できます。

 しかし、例2のように書くと、従属項で引用する際に面倒という問題があります。また、従属項で長文引用をすると記載ミスが起きやすいという問題があります。

 そこで、以下の例3のように書けばよいと思われます。

 (例3)
 プロセッサと、メモリと、を備え、
 前記プロセッサは、
 〇〇〇するA工程と、
 △△△するB工程と、
 ×××するC工程と、
 を実行する、
 情報処理装置。

 例3のようにクレームを記載した場合でも、明細書では、例1に記載したA部はA工程を実行し、B部がB工程を実行し、C部がC工程を実行する、と記載すれば問題ないと思われます。

#弁理士 #弁理士試験 #弁理士試験の受験勉強 #知財 #知財法 #特許法 #特許請求の範囲 #クレーム
#毎日note #コラム #毎日更新 #note #毎日投稿 #note毎日更新 #毎日 #最近の学び #毎日更新倶楽部 #考察コラム #クリエイティブ #士業

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?