西野亮廣(キングコング)
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『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』(第4稿)
前書き
せっかく同じ時代を生きているのだから、「同じ時代を生きている者同士の特権」を行使してやろうと思いまして、「映画の脚本執筆の過程」を共有することにしました。
「…ふむふむ。このシーンを、こういう風に改善したのね〜」という確認作業って楽しいじゃない。しかも、それが現在進行形ときたもんだ。
さて。
『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の脚本ですが、前回(第3稿)は、「モフがル
『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』(第3稿)
前書きカジサックが頑張っている中、テレビにもラジオにもYouTubeにもあまり顔を出せていないので、母親からはすっかりオワコン認定されてしまい、ここ最近は実家から届く救援物資(主にヤクルト)の量が増えたように思う。
心配させたならゴメンナサイ。
安心してください。毎日ちゃんと食べてます。
最近は、お蕎麦以外も積極的に食べていて、「蒸し鶏のネギ塩ダレかけ」が特にお気に入り。あれ、美味しいよね。
帝国に挑む(10) ~13歳の冬~
中学に入っても、すぐには身長が伸びなかった。
背の低い父ちゃんを見る度に、「ここからの伸びには期待出来ないなぁ」と溜息をついたもんだ。
背の順は前から4〜5番目ぐらい。
そういえば、「小さく前に倣え」というのがあったな。
全員が「コンセント」みたいポーズをとるヤツ。
何も疑わずにやってたけど、なんだアレ。
「最後は取っ組み合いで決着をつける」という田舎世界では、身体のサイズが、そのままヒエラ
帝国に挑む(9) ~志村けん~
女の子とは上手く話せなかった。
田舎の子供なんて皆そんなもんだ。
ボクは、緊張して話せない自分を隠す為に、「女の子には興味がない」と硬派を気取っていたけど、本当は同じクラスに気になっている子がいた。
その子は、いつも一人でいる。
楽しそうに喋っているところをあまり見たことがない。
昨日も、一昨日も、その前も、僕は、その子に話しかけることができなかった。
「勇気を振り絞って話しかけて、
帝国に挑む(8) ~あだ名~
小学3年生になった頃から、幼馴染のサトシ君が他の友達と遊ぶようになった。
クラスが違うから一緒にいる時間が少なくなった。
それでも前までは、授業が終わると「にっしん!帰ろう!」とボクの教室まで迎えに来てくれていたのに、それも減ってきて、ついには無くなった。
「にっしん」というのは、サトシ君が作ってくれたボクの「あだ名」だ。
喧嘩をしたわけでもないのに、ボクらの距離は日に日に離れていった。
帝国に挑む(7) ~お地蔵さん~
4月の終わりになると、学校の帰り道には桃色のツツジの花が咲いた。
ツツジは、花片の下から甘い蜜が出ていて、ボクは、帰り道にその蜜をチュウチュウと吸う。
いつだったか、「ツツジは毒があるらしい」という情報が回ってきて、不安で眠れない夜があった。
不安は大人だけのものじゃない。
あの頃のボクも様々な不安と戦っていた。
夕方。
いつもは昼間に買い物に行く母ちゃんが、夕方に料理の買い足しに家を出た時
帝国に挑む(6) ~弱い~
小学校の給食を味わった記憶が一度もない。
記憶を忘れたわけじゃなくて、たぶん、実際に1度も味わっていない。
「牛乳」「コッペパン」「マーガリン」「大おかず」「小おかず」を大急ぎで喉に流し込んだ。
直後、「ご馳走様でした!」と叫びながら、ロッカーの上に置いてあるドッジボールを抱え、教室を飛び出す。
廊下を走ると怒られるから、先生とスレ違う時だけ競歩みたくなる。誤魔化すにしては雑だ。
昼休みの運動場
帝国に挑む(5) ~帰り道~
あれは小学校の低学年の頃だったか、高学年の頃だったか。
時期はもう思い出せないけど、帰り道の景色は薄っすらと覚えている。
帰り道沿いに用水路が流れていて、ボクらはそこに笹舟を浮かべた。
笹の葉の先っちょを折りたたんで、チーズのようにペリペリッと割く。縦に2本だ。
すると、輪っかが「3つ」できるから、右の輪っかの先を、左の輪っかの中に入れる。これで「船首」が完成。反対側も同じ要領で「船首」を作る
帝国に挑む(4) ~幼馴染~
サトシくんという同い年の幼馴染がいた。家は道を挟んで斜め向かい。物心がついた頃がらずっと一緒だった。
幼稚園は別々だったんだけど、幼稚園が終わったら、待ち合わせをして、毎日、一緒に遊んだ。
同じ小学校に進学した。「多田東小学校」という山の上の学校だ。学校の裏山は一箇所ハゲていて、誰が名付けたか「ハゲ山」と呼ばれていた。
同じクラスになれたんだっけな? そこは、ちょっと忘れちゃったけど、やっと
帝国に挑む(3)~川西~
「兵庫県川西市」という町で育った。大阪のベッドタウンだ。
家を出て少し歩いたところに、「能勢電車(のせでんしゃ)」というローカル線が走っていて、子供の頃、母ちゃんと一緒に線路沿いまで観に行っていた。
向こうから大きな大きな音を立てて走ってくる電車を観ては、母ちゃんの服の袖を引っ張って「来た!来た!」と叫び、そのまま遠くに走り去って行く電車を追いかけて「行った〜!」と叫ぶ。実況史上最悪の実況だ。
帝国に挑む(2) ~ちょっと貧乏だった子供時代~
ボクは4人兄弟の3番目で、兄ちゃんと、姉ちゃんと、弟がいた。
父ちゃんは、普通のサラリーマンで、毎日電車に揺られて、朝から晩まで働いた。
母ちゃんは自分を後回しにする人で、ときどき美容室には行っていたけど、自分の服を買ったところは見たことがない。ずっと同じ服を着回していた。
近所には「ダイエー」と「イズミヤ」という二つのスーパーがあって、母ちゃんは、毎朝チラシを舐めるように見ては、「今日は、
帝国に挑む(1) ~忘れたくないこと~
少しでもスマホから離れればLINEの未読が数百件という毎日。
様々なプロジェクトを同時進行させながら、今年は映画「えんとつ町のプペル」の公開も控えている。
次から次へと新しい情報が舞い込んできて、困ったコトにこの身体は挑戦に狂っていて、知らない世界に飛び込みたがるから、また新しい情報が舞い込んでくる。
その中から、必要な情報だけに飛びついて、どうにか人とコミュニケーションがとれる程度には生き
「お客様の声」を集めるリスク
今日のお話は、経営者や、クラブの部長や、プロジェクトリーダーや、バイトリーダーや、お父さんや、お母さん、といった、いわゆる「チームリーダー」および、接客業に就かれている全ての方に届けばいいなぁと思いながら、話したいと思います。
一応、僕も、かれこれ20年近く接客業をしておりまして、また、僭越ながら、オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』という3万7000人のチームのリーダーを務めておりまして
テスト前に部屋の掃除をしたくなる理由
お騒がせしております。キングコング西野です。
やらなくちゃいけないことがある時に限って、他のことに手を出しちゃうことってありません?
普段、掃除とか全然しないくせに、テスト前になると、急に掃除を始めたりするアレです。
掃除に時間を割けば割くほど、テストの結果が悪くなることぐらい分かるじゃ無いですか?
それでも僕らはテスト前に掃除を始めちゃう。
できれば、やめたいっすよね。
その為には、