PP西村

フリーのwebライター、webコンテンツエディターです。 ここではゲーム、本、絵画、映…

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フリーのwebライター、webコンテンツエディターです。 ここではゲーム、本、絵画、映画の感想や、そこでふと引っかかった言葉について書いています。 水、金に「ゲームとことば」連載中。 ゲーム作品の中で語られた言葉やセリフ、固有名詞などで気に入ったものを取り上げています。

記事一覧

ゲームとことば#79「いろんなことがあったよ。でも、すごくいい景色」

頼むからここで終わってくれ。 そう願わずにはいられない『The Last of Us』の1シーン。 突如、発生した謎の寄生菌により、人間が次々とクリーチャー化。 秩序が崩壊した…

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2日前
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ゲームとことば#78「子抱き女」

コンビニ経営シミュレーションゲーム『ザ・コンビニ2』。 コンビニエンスストアの店内レイアウトや商品構成に工夫を凝らし、売り上げをあげていこうというゲーム内容である…

PP西村
4日前
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ゲームとことば#77「エメラルドヴィジョン」

昨日4/25に発売したサガシリーズ最新作『サガ エメラルドビヨンド』。 前作『スカーレットグレイス』から約7年ぶりの本作は、エメラルドグリーンをイメージカラーに登場し…

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9日前
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ゲームとことば#76「パラゴンレベル」

ひたすらにダンジョン攻略とアイテム回収を繰り返す、ハック&スラッシュの名作『ディアブロ3』。 キャラクターレベルを上限の70まで上げたなら、そこがスタートだ。 あとは…

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11日前
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昔話(タイムトラベル)は楽し。大阪でクソ雑魚漫才師だったころの思い出

今から16~17年前、クソ雑魚漫才師だった私は大阪を中心に活動していた。 コンビ名は「ポールポジション」。 名前だけがエンジン全開で先頭を走っている。 そのころの私た…

PP西村
12日前
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ゲームとことば#75「貴重な知見を得たな」

オクトパストラベラー2の主人公の一人、オズバルド。 寡黙で冷静沈着、そして探求心旺盛な学者である。 表題のことばは戦闘終了時の彼のセリフだ。 ザコ敵であれ強敵であれ…

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2週間前
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ゲームとことば#74「星降りの大会」

ドラゴンクエストの外伝作品だが、人気を得て独立した長寿コンテンツとなった『ドラゴンクエストモンスターズ』。 その記念すべき第1作『テリーのワンダーランド』の世界で…

PP西村
2週間前
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ゲームとことば#73「苺を食らわば皿まで」

「毒」ではない。「苺」(イチゴ)である。 初代プレイステーションで一世を風靡した元祖リズムアクションゲーム『パラッパラッパー』。 その第1ステージ「フルーツ道場」…

PP西村
3週間前
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ゲームとことば#72「えっ!・・・・ピンクタイガーよ。」

最愛の恋人を殺されたうえ、その殺人容疑までかけられてしまうエミリア。 『サガフロンティア』の主人公の一人である。 真犯人を探すため「グラディウス」という裏組織に加…

PP西村
3週間前
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ゲームとことば#71「焼きそばパンください!!」

おそらく世界で最も折り目正しく、焼きそばパンを買い求める青年の発言。 『十三機兵防衛圏』の主人公の一人である比治山隆俊は、太平洋戦争末期の日本人兵士だ。 本土決…

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1か月前
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ゲームとことば#70「宗じいさん、占い、占い、占い、宗じいさん…」

絶妙な強度でプレイヤーに精神的恐怖感を与えてくる『クーロンズ・ゲート』の露店人形。 小さな子どもが見たらトラウマ間違いなしだが、大人が見ても気色悪い。 だが、たま…

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1か月前
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ゲームとことば#69「鬼計算」

鬼のように過酷な計算問題。それが「鬼計算」。 かつて話題となった東北大学・川島教授監修の『脳トレ』を覚えているだろうか。DSで爆発的にヒットしたソフトだ。 そこか…

PP西村
1か月前
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ゲームとことば#68「防壁があってよかったぜ!」

Wiiのアクションゲーム『斬撃のレギンレイヴ』でのモブキャラたちのセリフ。 体長が数十メートルはありそうなゾウの化け物「アウズンブラ」の進撃を防ぐため、か弱い人間た…

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1か月前
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ゲームとことば#67「コヨーテ」

私が人生で初めてプレイしたゲームソフトは『高橋名人の冒険島』である。 セガの『ワンダーボーイ』のファミコン版で、主人公を高橋名人に変えてハドソンから発売されたソ…

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1か月前
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ゲームとことば#66「女神のハープを手に入れた! けど今はそれどころじゃない!!」

それどころじゃないんだってさ。 忙しいんだよ勇者は。 緊迫した場面に、ちょけたメッセージ。 いかにも『ゼルダ』といったテキストである。 『ゼルダの伝説 スカイウォー…

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1か月前
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ゲームとことば#65「お味方が城内に突入しました!」

『信長の野望・革新』で相手の城に攻め入ると、どこからともなく伝令の声が聞こえる。 「お味方が城内に突入しました!」 緊張感を帯びた、勇ましい声だ。 通常、城を攻め…

PP西村
1か月前
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ゲームとことば#79「いろんなことがあったよ。でも、すごくいい景色」

ゲームとことば#79「いろんなことがあったよ。でも、すごくいい景色」

頼むからここで終わってくれ。
そう願わずにはいられない『The Last of Us』の1シーン。

突如、発生した謎の寄生菌により、人間が次々とクリーチャー化。
秩序が崩壊したアメリカを舞台にした本作は、オープニングからエンディングまでつらく、むごたらしく、そして悲しい場面が続く。
ゾンビゲー、サバイバルゲーとしての完成度も高いが、本作の魅力は主人公ジョエルと少女エリーの関係性の変化を表現したシ

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ゲームとことば#78「子抱き女」

ゲームとことば#78「子抱き女」

コンビニ経営シミュレーションゲーム『ザ・コンビニ2』。
コンビニエンスストアの店内レイアウトや商品構成に工夫を凝らし、売り上げをあげていこうというゲーム内容である。
このゲーム、お客のニーズを調べるなどの目的から、来店客がどういう人であるかざっくりと調べることもできるのだ。
表題は幼い赤ちゃんを抱っこした女性に対する、あまりにもざっくりとしたネーミングである。
なんて言い草だ!

スリングタイプの

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ゲームとことば#77「エメラルドヴィジョン」

ゲームとことば#77「エメラルドヴィジョン」

昨日4/25に発売したサガシリーズ最新作『サガ エメラルドビヨンド』。
前作『スカーレットグレイス』から約7年ぶりの本作は、エメラルドグリーンをイメージカラーに登場した。
体験版含めまだ数時間しかプレイしていないが、シリーズらしい一筋縄ではいかないシステムと、魔女っ子やメカなど多彩なキャラクターデザインがプレイ意欲を掻き立てる。
発売から間もないため、シナリオのネタバレをせずに感想を述べたい。

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ゲームとことば#76「パラゴンレベル」

ゲームとことば#76「パラゴンレベル」

ひたすらにダンジョン攻略とアイテム回収を繰り返す、ハック&スラッシュの名作『ディアブロ3』。
キャラクターレベルを上限の70まで上げたなら、そこがスタートだ。
あとは果てしない数値の積み重ねをニヤニヤ楽しむ「パラゴンレベル」の世界が待っている。
上限とは?

かく言う私はたかだかパラゴンレベル数十までしかプレイしなかったが、どうやら800まであるようだ。
必要経験値は天文学的数値となり、数百レベル

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昔話(タイムトラベル)は楽し。大阪でクソ雑魚漫才師だったころの思い出

昔話(タイムトラベル)は楽し。大阪でクソ雑魚漫才師だったころの思い出

今から16~17年前、クソ雑魚漫才師だった私は大阪を中心に活動していた。
コンビ名は「ポールポジション」。
名前だけがエンジン全開で先頭を走っている。
そのころの私たちの主戦場は「ワッハ上方」という「なんばグランド花月」の真向かいに位置する、劇場兼お笑い博物館のような場所だった。
上方演芸の聖地とも言える、難波千日前。
そこで月に数回開催されるライブに、同い年の相方と出演していたのである。

クソ

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ゲームとことば#75「貴重な知見を得たな」

ゲームとことば#75「貴重な知見を得たな」

オクトパストラベラー2の主人公の一人、オズバルド。
寡黙で冷静沈着、そして探求心旺盛な学者である。
表題のことばは戦闘終了時の彼のセリフだ。
ザコ敵であれ強敵であれ、戦いから学びを得る姿勢がうかがえる。

そういえば、一般的なRPGって相手がどんなザコ敵でも、倒したら経験値を得られる。
一部そのようなルールから外れる作品もあるものの、多くの場合、最終盤のキャラがスライムを倒しても経験値を獲得する。

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ゲームとことば#74「星降りの大会」

ゲームとことば#74「星降りの大会」

ドラゴンクエストの外伝作品だが、人気を得て独立した長寿コンテンツとなった『ドラゴンクエストモンスターズ』。
その記念すべき第1作『テリーのワンダーランド』の世界で開催されるモンスター格闘大会が「星降りの大会」である。
本作の主人公はドラゴンクエスト6に登場するテリー。その子供時代の冒険を描いている。
ある日突然、妙ちくりんな魔物ワルぼうによって姉・ミレーユがさらわれる。
テリーは直後に現れたわたぼ

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ゲームとことば#73「苺を食らわば皿まで」

ゲームとことば#73「苺を食らわば皿まで」

「毒」ではない。「苺」(イチゴ)である。

初代プレイステーションで一世を風靡した元祖リズムアクションゲーム『パラッパラッパー』。
その第1ステージ「フルーツ道場」に堂々と飾られた掛け軸に、表題のことばが書かれている。

クセの強いジャパニーズ・イングリッシュが特徴的なタマネギ先生が、ここの道場主だ。
彼は空手とラップを教える、唯一無二のイケ玉ねぎなのである。
今にして思えば、音ゲー黎明期の作品の

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ゲームとことば#72「えっ!・・・・ピンクタイガーよ。」

ゲームとことば#72「えっ!・・・・ピンクタイガーよ。」

最愛の恋人を殺されたうえ、その殺人容疑までかけられてしまうエミリア。
『サガフロンティア』の主人公の一人である。
真犯人を探すため「グラディウス」という裏組織に加担する彼女は、危険な目にあいながらも殊勝に任務をこなしていく。
変装が必要となる潜入捜査では、"元スーパーモデル"らしく千変万化の才を発揮するのであった。
変装は、剣を手に舞い踊る「ソードダンサー」や、セクシーな「バニースーツ」などさまざ

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ゲームとことば#71「焼きそばパンください!!」

ゲームとことば#71「焼きそばパンください!!」

おそらく世界で最も折り目正しく、焼きそばパンを買い求める青年の発言。

『十三機兵防衛圏』の主人公の一人である比治山隆俊は、太平洋戦争末期の日本人兵士だ。
本土決戦も噂されるなど戦況は思わしくないが、彼は実直に己の務めを果たそうとしている。
しかし彼もほかの主人公たちと同様、「機兵」をめぐる物語に巻き込まれることになり、突如40年後の未来である1985年にワープしてしまう。
様変わりした祖国に混乱

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ゲームとことば#70「宗じいさん、占い、占い、占い、宗じいさん…」

ゲームとことば#70「宗じいさん、占い、占い、占い、宗じいさん…」

絶妙な強度でプレイヤーに精神的恐怖感を与えてくる『クーロンズ・ゲート』の露店人形。
小さな子どもが見たらトラウマ間違いなしだが、大人が見ても気色悪い。
だが、たまにこの声を聞きたくなってしまう。
いったいなぜだろう。

『クーロンズ・ゲート -九龍風水傳-』は、かつて中国返還前の香港に実在したスラム街、九龍城砦を舞台にしたアドベンチャーゲームだ。
暗く雑多で無秩序な街並みと、何を生業としているのか

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ゲームとことば#69「鬼計算」

ゲームとことば#69「鬼計算」

鬼のように過酷な計算問題。それが「鬼計算」。

かつて話題となった東北大学・川島教授監修の『脳トレ』を覚えているだろうか。DSで爆発的にヒットしたソフトだ。
そこからさらにパワーアップしたものが『東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング』である。長い。
「加齢による脳機能の低下を予防すること」が目的であった『脳トレ』に対し「ワーキングメモリーを鍛えて脳の

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ゲームとことば#68「防壁があってよかったぜ!」

ゲームとことば#68「防壁があってよかったぜ!」

Wiiのアクションゲーム『斬撃のレギンレイヴ』でのモブキャラたちのセリフ。
体長が数十メートルはありそうなゾウの化け物「アウズンブラ」の進撃を防ぐため、か弱い人間たちは「防壁」を頼る。
ただこの防壁の高さ、どう見てもアウズンブラの膝丈ぐらいしかない。
鼻なんか砦の内側に入ってきちゃってるし。
無理だろう。
「防壁があってよかったぜ!」
「防壁万歳だ!」
前脚を高く上げ、いななくアウズンブラ。
「何

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ゲームとことば#67「コヨーテ」

ゲームとことば#67「コヨーテ」

私が人生で初めてプレイしたゲームソフトは『高橋名人の冒険島』である。
セガの『ワンダーボーイ』のファミコン版で、主人公を高橋名人に変えてハドソンから発売されたソフトだ。
マリオのような横スクロール型のアクションゲームで、妙にワイルドないでたちの高橋名人が斧や火の玉を武器に、スケボーに乗って化け物から彼女を助けに行くお話。
敵やトラップの配置が絶妙にいやらしく、なかなかに高難易度なゲームであるが、な

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ゲームとことば#66「女神のハープを手に入れた! けど今はそれどころじゃない!!」

ゲームとことば#66「女神のハープを手に入れた! けど今はそれどころじゃない!!」

それどころじゃないんだってさ。
忙しいんだよ勇者は。

緊迫した場面に、ちょけたメッセージ。
いかにも『ゼルダ』といったテキストである。
『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』は2011年にWiiで発売。のちにリメイク版がニンテンドーSwitchでもリリースされた作品だ。
本作のリンクは、突如黒い竜巻に巻き込まれ、姿を消したゼルダを助けるために旅に出る。
険しい森や溶岩まみれの火山を踏破し、ようや

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ゲームとことば#65「お味方が城内に突入しました!」

ゲームとことば#65「お味方が城内に突入しました!」

『信長の野望・革新』で相手の城に攻め入ると、どこからともなく伝令の声が聞こえる。
「お味方が城内に突入しました!」
緊張感を帯びた、勇ましい声だ。
通常、城を攻め落とすには守る側の何倍もの戦力が必要になるという。
城攻めはゲームでも自然と気合が入る瞬間だ。

私は『信長の野望シリーズ』のなかでも特に『天翔記』と『革新』が好き。
理由はどちらも「パワーアップを実感しやすい」からである。
『天翔記』は

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