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#7「くにおくんは時代劇グルメゲーム!?江戸時代の外食相場は?」~ゲームとお店~

  • お店:めしや・そばや など

  • ゲーム:くにおくんの時代劇だよ全員集合!

  • 提供サービス:料理や飲料の提供。飲食店

くにおくんは江戸時代の日本をめぐり、旅先で飯をかっくらう。
劇中劇の外食シーン。その価格設定は?

えっちゅう(越中)のそばや。日銭は喧嘩で手に入れる。
そばは手ごろだが、てんぷらは相場よりも高すぎるかもしれない。


ファミコンの名作『くにおくんの時代劇だよ全員集合!』は、おなじみ「くにおくん」たちが暴れる時代劇アクションゲームだ。
くにおくん演じる「くにまさ」が、子分を連れて江戸時代の日本で、喧嘩、喧嘩のバイオレンス行脚を繰り広げる、という劇中劇のような内容である。
劇のストーリーは、駿河(現在の静岡県中東部)の侠客であるくにまさが、さらわれた親分の娘を救出する旅に出るというもの。
駿河の国の侠客ということで、モデルは清水次郎長だろう。
次郎長は幕末~明治初期に実在した侠客・博徒で、多くの子分を従え東海地方に一大勢力を築いた人だ。

ところで、本作の魅力は旅先での買い物や外食だと思っている。
駿河や越中、河内などの町に行くと、アイテムを売っている「よろずや」や食事ができる「めしや」「そばや」などがある。
「めしや」などの飲食店は、お金を払うとその場で食事ができ、体力を回復できるのだが、メニューが無駄に豊富なところが実に面白い。
価格は「めし」が8文、「そば」が10文などで、高価なものほど回復量が大きい。
さて、実際の江戸時代後期の相場を調べてみる。
地域にもよるようだが、そば一杯の価格は平均すると16文ぐらいだという。
ゲームでの価格は少し安いが、そう離れてもいないようだ。
ちなみに、「二八そば」とは現代では小麦粉とそば粉の割合を指すが、二×八=十六だから16文、という言葉遊びを発祥とする説もあるらしい。

また、当時の江戸には「なん八」という、酒以外を一品8文で出す庶民向けの飯屋もあったとのこと。
本作の「めし」8文は、ここからきているのかもしれない。
そう考えると、単に通貨単位を「文」にしただけでなく、それっぽい価格設定になっているじゃないか。
「それっぽい。」
それだけで、なんだかうれしい。

まとめ:『くにおくんの時代劇』は江戸時代っぽい価格相場で外食体験ができる旅行ゲームだった!

≪前回のゲームとお店≫


参考資料
三谷一馬『江戸商売図絵』中公文庫

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